真†恋姫無双 呉√ #5
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第5話「拠点その1」

 

拠点:雪蓮

黄巾の乱が終わり、一華たちは本拠地である柴桑に戻り、政務や軍務に勤しんでいた

そんなある日のこと

一華「はぁ・・・ 黄巾の乱が終わって孫権様達も合流できたけれど僕ってどう手伝えばいいんだろ」

こんな風に一華は昔から居るわけでもなく、自分がどうすればいいのか政務をしながら考えていた

そんなことを頭の隅で考えながら、政務が終わる頃には昼過ぎになっていた

一華「あ もうこんな時間か 小腹も空いたし街にでも出かけようかな」

独り言のように言って部屋を出た一華だったが少し歩いたところで冥琳と穏に出会ったのだった

一華「あれ? 冥琳と穏じゃないですか どうかしたんですか?」

冥琳「あぁ 一華か いやなにあのおてんば娘が政務をせずに逃げたからな 今探しているんだ」

一華「おてんば娘? あぁ 雪蓮のことか」

冥琳「そういえば一華 お前はどうしたんだ?」

一華「あ 政務が終わりましたし、街に出て昼食でも取ろうかと思いまして」

冥琳「そうか やはり一華はちゃんと政務をこなすんだな あのおてんば娘にお前の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ」

そう言いながら冥琳は頭を抱えて困った顔をした

一華「あはは それじゃ冥琳 僕も雪蓮を探すのを手伝いますよ 昼食はまた後で取りに行けばいいですし」

冥琳「そうか? すまないな 昼食の時間を削らせてしまって」

一華「構いませんよ それで雪蓮を見つけたらどうしたらいいんです? 冥琳が探していたといった方がいいですか?」

冥琳「いや その場で取り押さえておいてくれ あのおてんば娘はそういうともっと逃げるからな」

一華「あはは 分かりました それじゃ見つけたら取り押さえておきますよ」

そう言って一華は冥琳と穏と別れて雪蓮を探すためにどこかへ歩いて行った

 

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冥琳たちと別れた一華はまず最初に庭園に来ていた

一華「ああは言ったけれどどうやって探そうかな・・・ う〜ん やっぱりこうするしかないかぁ こんなことに使いたくなかったなぁ」

そう言って一華は目を閉じて氣を全身から探知機のように広げ始めた

一華「やっぱりここにいたんですね 雪蓮」

そう言って一華は氣を押さえて雪蓮が居た樹の近くまで歩いてきた

雪蓮「あら 一華じゃない どうかしたの?」

一華「冥琳が探していたよ その手伝いを少しね」

雪蓮「げ 冥琳怒ってた?」

一華「はい それはもうカンカンに」

雪蓮「うへぇ 一華お願い! 逃げるの手伝って 今冥琳に捕まったら今日一日中部屋にこもりっぱなしになっちゃうから」

一華「そう言われても僕も冥琳に頼まれてる立場だし」

雪蓮「その代わりこのお酒一緒に飲みましょ」

そう言うと雪蓮は手で持っていた酒瓶を見せてきた

一華「僕まだ未成年ですよ? お酒なんて飲めませんよ」

雪蓮「そんなこと気にしないわよ それにおいしいわよ」

一華「・・・ほんと?」

雪蓮「もち」

一華「・・・はぁ 分かりましたよ(はぁ 僕って甘いのかな)」

雪蓮「やった えい!」

雪蓮はそう言って酒瓶を片手に樹から一華の方に飛び降り、一華は雪蓮をお姫様抱っこで受け止めたのだった

一華「もう 雪蓮 危ないよ?」

雪蓮「えへへ 一華にお姫様抱っこされたわ それにしてもこんな小さい体でよくそんな力が出るわね」

一華「・・・落とすよ?」

雪蓮「ごめんごめん からかったことは謝るから」

一華はため息をついて優しく雪蓮を地面に降ろした

雪蓮「うふふ ありがと それで一華 どうしてそんなに力あるの? 私の方が大きいのに」

一華「氣を使ってるからですよ 雪蓮くらいなら普通に持ち上げれますよ」

雪蓮「へぇ〜 そうなんだ さてとそれじゃ一緒に飲みましょ」

一華「僕はいいですよ 雪蓮が一人で飲んでて」

雪蓮「え〜 ・・・それじゃ一華ここに座って?」

一華「え? 分かった」

一華は雪蓮に言われた通り木の根元に座り、

雪蓮「ありがと それじゃお邪魔しま〜す」

雪蓮は一華の膝枕に頭を任せて寝転がったのだった

一華「ちょ、ちょっと 雪蓮?」

雪蓮「いいじゃない じゃ一華お酌して?」

といって雪蓮はおちょこを片手に酒瓶を一華に渡してお酒を注がせようとした

一華「はぁ 分かりましたよ」

こうなってしまうともう無駄だと知っていた一華は諦めて雪蓮のおちょこにお酒を注ぎ始めた

そうしているうちに雪蓮は一華の膝の上で寝てしまい、一華も最初は驚いたような顔をしていたがとても優しそうな顔をして、雪蓮の頭を撫でながらそのまま寝てしまったのだった

その姿はまるで白い衣を纏った天からの御遣いが桃色の髪をした天女を抱いているように見えた

 

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雪蓮と一華が二人して寝てもうかれこれ1,2時間ほどたったころ

冥琳「はぁ ここまで探していないとはあのおてんば娘はどこにいるんだ・・・」

穏「あ 冥琳様 あそこに一華さんがいますよ?」

冥琳「本当だな あんなところで何をしてるんだ?」

疑問を持った二人は足早に一華が見えた庭園へと向かった先で

冥琳「な・・・」

穏「ほぇ〜」

そこにはさっき見た通り雪蓮を膝枕して一緒に寝ている一華が居た

一華「ん、ん〜 よく寝た・・・って冥琳と穏!? どうしてここに!?」

冥琳「それを聞きたいのは私だよ 一華」

一華は二人の気配に気づいたのかすぐさま起きて驚いたところで雪蓮も目を覚ました

雪蓮「ん〜 よく寝た・・・って冥琳!?」

冥琳「あぁ おはよう 雪蓮 ずいぶんと気持ちよさそうに寝ていたなぁ」

冥琳は顔は笑っていたが目は全然笑っていなかった

雪蓮「あ、いや、これは・・・あはは」

雪蓮はごまかすようにもできないためかただ笑っていた

冥琳「さてこれだけ寝たんだ 今日一日はもう寝なくてもいいよな お前の部屋に山のように書類があるから さ 行こうか」

そういうと冥琳は雪蓮の首つかんでそのままひきづって執務室に歩いて行った

その姿を一華はただ呆然と見ていたが少ししたら落ち着いたのか昼食をとるために街へと出かけていった

余談だがその日じゅう執務室からは叫び声や悲鳴が聞こえていたという

 

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拠点:冥琳

冥琳「(カキカキ)ふぅ こんなものか」

机の上で政務のことをしていた冥琳は一区切りついたので筆を置いた

そして椅子から腰を上げたとき扉からコンコンとノックの音が鳴った

冥琳「ん? 誰だ?」

一華「一華です 入ってもいいかな?」

冥琳「ん? あぁ いいぞ」

一華「それじゃ失礼します って冥琳こんな量の書類今までやってたの?」

冥琳「ん? あぁ いつものことだ 気にするな」

一華は冥琳の机の上にあるおそらく自分の身長の半分ほどはあるほどの書類を見て驚いていた

一華「ん そう? あ それで冥琳 昼ってまだ?」

冥琳「ん? もうそんな時間か ・・・今思えば腹も減ってきたな」

一華「それはよかった 今から僕が昼を作ろうと思うんだけど一緒にどうかな ちょうど街でいい材料が入ったから」

冥琳「何? 一華 お前料理ができるのか」

一華「え? うん 元居た世界では週一くらいでお母さんと一緒に料理を作ってたくらいだから」

冥琳「そうだったのか ではご配慮に預かりご一緒しようか」

一華「やった 昼食一人でも取ってもいいんだけどなんか寂しいからさ」

冥琳「ふふ そうか さてここで立ち話もなんだ 厨房に行こうか」

一華「そうですね」

そういって冥琳と一華の二人は一緒に厨房へと歩いて行った

 

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厨房へ着いた二人、一華はまいかけを腰から巻き、冥琳は椅子に腰かけた

一華「それじゃすぐに作るから少しだけ待っててね」

冥琳「あぁ 楽しみに待っているよ」

そう言って一華はニコッと笑顔をしてそのまま包丁を持って買ってきた材料などを切っていった それから1時間後

一華「よしできた さ冥琳 どうぞ」

そう言って一華が出したのは川魚をさばいたものにバター醤油を少し焦がしながら焼き、上には山菜などの薬草が盛られた料理だった

冥琳「ほう これはうまそうだな ん? 一華この香りは?」

一華「あ それは醤油っていって僕の世界の調味料なんです こっちでも作れるか聞いてみたら材料と製法を教えたら作れると言われまして それが丁度ついさっきできたので早速使おうと思ったんですよ

今回は別の調味料も使ってコクを強くしてみましたが」

そういって一華はえへへといいながら顔の側面を優しくぽりぽりとかいていた

冥琳「ほう その別の調味料も天界のものなのか?」

一華「えぇ バターって言ってこれは自分で作ったものなんですが」

冥琳「そうなのか なぁ一華その調味料私にも教えてはもらえないか?」

一華「え? あ はい いいですよ ってその前にその料理を食べてください! たぶん美味しいですから」

冥琳「それもそうだな では頂こう おお これは美味だ 醤油の香りとばたーとやらのコクもいい感じに働いているな たしかに美味だ」

一華「それはよかったです じゃ僕の分も作れましたし一緒に食べましょうか」

冥琳「そうだな ともに食べようか」

そうして一華は冥琳の隣に座り一緒にバターの製法についてやこれからのやるべき政策などの話をしながら料理を食べていったのだった

 

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拠点:蓮華&思春

 

明朝、一華は今日課としている鍛錬のために庭園に愛刀である白夜と水月を両手に持って佇んでいた

すると一枚の木の葉がひらひらと落ちて、一華の目の前に入った瞬間

一華「・・・・・・・・・!」

目にも止まらない一閃からの連撃によって木の葉は粉微塵に切り刻まれたのだった

一華「ふぅ これくらい粉微塵なら父さんでもぐうの音も出ないよね」

そういってニコニコ笑って切り刻んだ木の葉を足元から拾い上げた それはわずか数ミリ単位でそれもすべて均等に斬られていた

一華「さてと後は型とかの練習して朝議かな?」

それから一華は日が完全に出てくるまで鍛錬を続けて、自室へと戻っていった

??「・・・・・・・・・」

 

それから少しして呉の重鎮全員で朝議が始まり、今孫呉が抱えている問題について話し合い、1刻(2時間)ほどで朝議は終わっていった

一華「はぁ 終わった そういえば朝から何も食べてないな・・・ また街にでも行こうかな」

と一華が街に出かけようと歩いて玉座を出ようとしたら

思春「待て! 北郷!」

一華「え? 甘寧様 どうしたのですか?」

思春「今から私と戦え!」

思春のその一言に玉座の間にいた全員が騒然となりだした

雪蓮「え? 何々 思春どうしてなの?」

一華「そ、そうです ど、どうして僕と戦うんですか?」

思春「知れたことを 貴様の態度が気に入らないからだ!」

蓮華「北郷 お前思春に何かしたのか!?」

一華「そんなことはないはずです 身に覚えはありませんから」

雪蓮「まぁまぁ 一華 あなたは思春の決闘に応じてあげて 思春もそれでいいでしょ?」

一華「雪蓮・・・ はぁ 分かりました 甘寧様 今から庭園でよろしいですか?」

思春「ふん! さっさとこい」

そういって思春は足早に玉座の間を出て庭園へと向かっていった

一華「はぁ・・・ どうしてこんなことになったんだろ・・・」

一華は愚痴をこぼしながら思春が出ていったすぐに玉座を出ていき庭園へと歩いて行った

雪蓮「何か面白いことになったわね」

冥琳「そうゆうお前は面白ければ何でもいいと言った感じだろ」

雪蓮「もちろんよ♪」

そうして雪蓮たちも全員庭園へと観戦するために歩いて行った

 

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庭園では一華はため息をついていて思春は殺気をもらしながら独り言で「ころすころす」と連呼し続けていた

すると蓮華が庭園へと歩いてきて

蓮華「ではこれから北郷一華と甘寧の決闘を行う 審判は私が務める いいか!」

一華「はぁ・・・ はい 大丈夫です」

思春「はっ」

蓮華「では開始!」

思春「はああああああああああああああああああああああ!」

開始の合図とともに思春は愛刀である鈴音を片手に一華に斬りこんでいった

ブンブンブンブンブン!

思春は鈴音で一華をなで斬りにしようと様々な角度から斬りつけていったが

一華「はぁ・・・」

一華はため息をつきながら思春の攻撃を白夜と水月でいともたやすく相殺していった

 

雪蓮「へぇ〜 思春は呉の中でも相当攻撃速度は速いはずなのにそれを全て相殺するなんてね」

明命「はい 思春殿の攻撃は生半可な人では攻め切られるだけです それをすべて受け止めるなんてすごいです」

祭「それだけあやつの実力は高いのだろうな」

 

一華「はぁ・・・ 甘寧様 もうやめませんか?」

思春「はぁはぁ・・・ 何だと貴様」

一華「甘寧殿 攻めすぎてもう息切れを始めています これ以上やっても僕には勝てないと思いますが」

思春「(ぶちっ)舐めるなああああああああああああああ」

一華「はぁ・・・ 分かりました それじゃ今度はこちらからも攻撃しますよ 怪我だけはさせないつもりなのでちゃんと捌いてくださいね」

そういった瞬間一華は氣を纏って一瞬にして思春との距離を縮め思春の懐まで入り込んでいた

思春「!!!はああああああああああああああああ」

思春は一瞬遅れて自分の懐に入った一華に鈴音で一撃を食らわそうとしたが

一華「ふっ」

一華は両手に持っていた白夜と水月を話して左手で思春の鈴音の持っている手首を 右手で思春の溝内に氣を纏わせた一撃を食らわせて戦闘不能へとさせた

一華「はぁ・・・ 疲れた 孫権様 勝敗を」

蓮華「・・・はっ! し、勝者北郷!」

 

雪蓮「ま勝敗は見るにも及ばなかったわね おそらく一華は今ここにいる中で一番最強だし」

明命「でも雪蓮様 思春殿 意識だけは奪われてないみたいですよ?」

雪蓮「え? そうなの? ちょっと面白いことになりそうだし行ってみましょ」

冥琳「お、おい雪蓮 はぁ・・・やれやれ」

祭「はっはっは 冥琳 お前も苦労人だな」

そういって雪蓮たちは庭園へと降りていった

 

思春「はぁはぁ どうして意識を奪わなかった」

一華「どうしてって・・・聞きたかったんです どうして僕に決闘を」

思春「貴様・・・ では言ってやろう 貴様はなぜここまで強いというのに鍛錬なぞにかまけているのだ! それもあんな明朝から!」

一華「あ 今日見てたのは甘寧様だったんですね」

思春「なんだと? 貴様私に気づいていたのか」

一華「えぇ ですが以前みたいに存在感があまり感じれなかったので誰だったんだろうなぁと もしかしたら刺客だったのではと思っていたのですが」

思春「以前みたいな? どうゆう意味だ」

一華「あ それは「それは私自身で話すわ 一華」雪蓮」

雪蓮「思春 私たちはねあなたたちが居ない間に一華の鍛錬を見て将軍として起用したのよ」

思春「で、ではなぜこのような男を信用できると思ったのですか?」

雪蓮「勘よ」

思春「え・・・ 勘ですか?」

雪蓮「そ 勘よ」

一華「雪蓮 勘で僕を起用したんですか?」

雪蓮「そうよ? 悪いかしら?」

一華「い、いえ 僕自身も理由を知りたかったんですがまさか勘が理由とは驚いたので」

冥琳「こいつはそうゆうやつなのだ 一華 思春も雪蓮の性格は知っているだろ 少しは一華のことを認めってやってはくれないか?」

思春「・・・分かりました 冥琳様がそうおっしゃるのでしたら しかしやはり聞きたい 北郷 なぜおまえはここまで強いのにあんな明朝から鍛錬なぞするのだ」

一華「それは・・・守りたいからかな?」

思春「ここにいる全員お前に守られるほど弱くはないぞ」

一華「それはもちろん知っています ですが街に住んでいる民たちはどうですか みんな治安のいいこの町に住んでいますが辺境の地になってくると賊におびえながらの生活はままならないでしょう?」

思春「確かにそうだが」

一華「だがら僕がここにいることで少なくとも自分たちの領土の人たちでも僕が抑止力となって賊に好き勝手させないと」

思春「・・・思春だ」

一華「え?」

思春「貴様は甘っちょろいがその考えだけは共感できる だから貴様に真名を預けるのだ」

一華「・・・分かりました ありがたく真名をお預かりします 思春様」

思春「様付けなどいい 皆と一緒で真名のみでいい」

一華「分かりました 思春」

思春「ふん・・・」

そういって思春は一華に背を向けてそのまま場内へと戻っていった

一華「一時はどうなるかと思いましたがよかったです それじゃ皆さま 僕は自分の仕事に戻りますね」

といって一華も仕事のために自室へと戻っていった

雪蓮「それにしても蓮華 あなただけになってしまったわね 一華に真名を預けていないのは」

蓮華「そ、それは・・・ 私はまだあやつを信用したわけではないのでいいのです!」

蓮華はそう言い放ってそのまま城の中へと入っていった

雪蓮「まったく素直じゃないんだから」

冥琳「だが時間の問題だろう さっきの話を聞いていた時の蓮華様の様子じゃぁな」

雪蓮「ええ そうね うふふ 一華が来てから飽きることがないわね」

冥琳「そうだな さて皆これで終わりにして各自自分の仕事に戻ってくれ」

「はっ」

そうして思春と一華の決闘を見に来ていた皆は冥琳に言われた通り城の中に戻り仕事に取り掛かっていった

 

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拠点:祭

祭「急げよ 一華 すぐに出ないと村に被害が出るんだぞ!」

一華「はい 祭様! よし これでいいね 祭さま 準備完了しました!」

祭「よし 者ども急ぐぞ! 賊はすぐそこまで来ているのだ! 出陣!」

なぜ祭と一華がこれほどまで急いでいるかというとそれは少し前にさかのぼることになる

 

一華たちは月一で開かれる軍議に出席していた時

冥琳「よし 今は一先ずこれで十分だろう ほかに指摘すべきことがあれば私に直接言ってくれ では解散」

冥琳が軍議の解散というと玉座の間の扉が勢いよく開いた

兵士「い、一大事でございます!」

冥琳「どうした! 何があったのだ!」

兵士「はっ ここから4里(約8キロ)ほど先の村が賊に襲われております! 警備していた兵士のよれば数は1万を超え今もなお増えているとのこと!」

兵士の言葉に一同は騒然となりだした

冥琳「落ち着け! すぐさま救援に向かうぞ 今動ける隊といえば・・・祭殿と一華の隊くらいか」

祭「おう いつでも出陣できるぞ」

一華「そうですね 思春と明命の隊は隠密として訓練されていますので救援には向かないでしょう」

冥琳「よし 祭殿 一華 すぐに動ける兵を動員してすぐさま救援へと向かってくれ」

祭、一華「おう!(分かりました)」

祭と一華は急ぎ兵たち全員のもとへと走って向かった

雪蓮「それにしてもどこからそれだけの賊が潜んでいたのかしら?」

冥琳「分からん だが賊の本拠地が近くにあるとみて間違いないだろう 思春 明命 お前たちは隠密を率いてすぐさま賊の本拠地と思しき地を当たってみてくれ」

思春、明命「はっ(分かりました)」

冥琳の指示が下った思春と明命もすぐさま動き出した

 

そして最初に戻るが一華と祭は総勢4000ほどの兵を率いて賊が襲われている村へと急ぎ向かった

村は賊によって囲まれており、村の守備隊が精一杯守ってはいるが落ちるのは時間の問題といったかんじだった

一華「まずいですね 祭さま」

祭「そうじゃの 急がなければ 一華お主は左方向から斬りこめ 儂は右方向へ切り込む」

一華「分かりました 祭さまは城壁にたむろしている賊を討伐したら城の中に入ってください 僕は左方向の賊を討伐し次第反対側に回って挟撃と行きましょう」

祭「うむ 分かった 皆のもの儂に続け! 我らが民を脅かす者どもに鉄槌を下すのだ!」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

そういって祭と黄蓋隊の兵士は右方向の賊向けて突撃していった

一華「よし 僕らも行こう! 続け!」

一華が馬を走らせると後ろから一華の隊の者たちが続々と続いて左方向の賊へと突撃していった

 

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祭「どけええええええええええええ!」

右方向へ向かった祭だったが守っていた兵も救援に来たことも相まってかどんどん敵軍を押し返していた

黄蓋隊副将「黄蓋様 賊はあらかた片付きましたが今もなお賊は増え続けております!」

祭「っち やはり元を絶たなければこの増援は続くかもしれんな」

兵士「黄蓋様! 後方より新たな敵襲です! 数は5千ほどです!」

祭「くそ! このままではじり貧になってしまう! どうにかせんといけぬが・・・」

祭の率いていた兵力はおよそ2500ほどだがここまでの戦闘でおおよそ2000ほどまで減らしてしまっていた、そこでの敵増援 祭は悩んでいたが

北郷隊副将「黄蓋様! 我等も加勢いたします!」

祭「お主は一華のところの副将ではないか! どうしてここに来たのだ!」

副将「はっ 一華様によりますと 「こっちは僕と兵1000ほどで十分です 黄蓋将軍の方への救援に向かってください」 とのことです」

祭「そうであったか ふふふ はっはっはっは ここまでしてやられるとはな お前たち救援も来たことだ! 一気に敵を押し戻すぞ!」

黄蓋隊「うおおおおおおおおおおおおおおおおお」

一華の隊400ほどを加えた祭たちは一気呵成に敵へと突撃していった

 

一方で一華たちは残った1000ほどの兵士とともに敵軍を圧倒していた

一華「本当に賊っていなごのように湧いて出てくるね 皆平気?」

兵士「もちろんですとも 我ら北郷隊 民を守るためならば鬼とでも戦って見せましょう」

一華「はは みんな勇ましいね 僕もみんなに負けないくらいに敵をやっつけないと」

そういって一華は単騎敵軍へと突っ込んでいき白夜と水月を使って敵軍を圧倒していった

 

それから1時間ほどが経ち黄蓋隊も一華隊も今まで戦ってきたせいか疲労困憊になってしまった

するとこれで最後と思えるほどの賊の増援1万5千ほどがやってきた

祭「くそ! ここにきてこれだけの兵とは 何とかしたいが・・・」

一華「祭さま みなさんは一旦城の中へ入って休息を 後は僕に任せてください」

祭「何を言う! 儂はまだ戦える!」

一華「祭さまはそうかもしれませんが後ろにいる兵士たちは皆立っているのがやっとの状態 一先ずここは撤退を 後のことは僕に任せてください」

祭「しかし・・・「祭様 僕はこんなことでは死にませんよ」・・・分かった すぐに休息に入る それまで踏ん張ってくれ」

一華「分かりました」

そういって祭は残っている兵たち全員を連れて城の中へと入っていった

一華「さて・・・ヤルカ」

祭たちが城に入ったのを見ると一華の目は赤く輝きまるで別人格のようになっていった

 

賊将「がっはっはっは! これだけの兵力を最後にぶつけてやったら最後には俺たちが勝つ これであの村を拠点にしてやろう」

賊「そうですなぁ お頭 ん? お頭 前に誰かいますぜ」

賊将「何? 一人じゃねぇか 野郎どもあいつを踏み台にして村になだれ込むぞ!」

賊「おおおおおおおおおおおおおおおお」

賊たちはいっせいに一華向けて突撃していった

一華「・・・・・・・・・」

賊A「へへっ たった一人で俺たちとやりあおうなんてな とんだ馬鹿だぜ おい 誰がやる!」

賊B「じゃぁ俺がやってやる 最近生み出した俺の必殺技の練習台だ」

賊A「あぁ あれか まぁ見ててやるよ」

賊B「へへっ 悪いなあんちゃん ここで死んでもらうぜ」

賊Bがにやにやしながら一華との間合いをつめ刃が届く距離に入った瞬間

一華「・・・・・・(シュッ)」

賊B「へ?」

はっきりいって誰がいつ何をしたのかが見えなかった それほどの剣速で賊Bは腰から真っ二つになっていた

賊A「や、やろう!よくもやりやがったな! おめぇらやっちまえ!」

賊「おおおおおおおおおおおおおおおおお!」

賊たちは剣を抜いて一華に向かっていったが一華は無表情のまままた剣筋が見えないほどの速度で賊を一閃していった

賊「うわあああああああああ 化け物だ! お、お前ら とっととそいつを殺せ! そいつを殺せば褒美をやるぞ!」

そういって賊たちは一華に向かっていったが一華は動揺することなくただ向かってくる賊を殺し続けていった

 

祭「なんと・・・」

城壁の上から一華の姿を見ていた祭だったが圧倒されていた、それと同時に恐怖も感じていた

祭(あやつがあそこまで殺意を持った姿を見るのは初めてだな・・・)

内心そう考えていた祭だった

兵士「黄蓋様! 今なら敵を蹴散らすことができます! 今こそ出陣を! 我等も少しは休息もとれました!」

祭「そうだな お前たちいますぐ出陣の準備を! 一華を救い賊どもを蹴散らすぞ!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおお」

祭が指示したらすぐさま兵士たちは動きすぐさま場外の賊たちへと突撃していった

そこからは目に見えて圧倒的だった 一華によって完全に恐怖のどん底に落とされた賊どもに祭率いる軍が突っ込み賊たちは少しの残党を残して殲滅されていった

 

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祭「一華! 大丈夫か!」

一華「祭様 大丈夫ですよ それにしてもいい時に突撃してもらってありがとうございます っとっとっと あはは 疲れちゃったのかな 足元がおぼつかないや」

そういって一華は笑っていたが祭は見抜いていた こ奴は自分一人が責任を負ってまでも味方や民たちを救おうと命をすり減らしていることを

祭はそんな一華を見ても居られずそばに駆け寄り一華をその豊満な胸の中に押しあてた

祭「馬鹿者! お主上から見ておったぞ あれほど長時間氣を発し続ければそうなるにきまっておるだろう この馬鹿者!」

祭は一華のそんな状態になるまで戦ってくれたことへの感謝と一華の自分の顧みないことへの怒りと自分の無力さに涙していた

一華「祭様・・・ ごめんなさい」

一華は祭の感情に気づいたのか謝った

祭「よい 今回はお主に助けられたのは事実 感謝するぞ 一華よ」

祭は涙を手でぬぐいながら一華の頭を撫で始めた

一華「は、はい ありがとうございます「だが一華よ もうこんな無茶なことはしないでくれ 頼む」 祭様」

一華は感謝しつつも祭のこの言葉を胸に刻みながら祭の胸の中にそのままになっていた

 

翌日一華たちは逃げていった賊どもを見つけそのまま討伐 その後柴桑へと帰っていったのだった

 

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拠点:穏

 

穏「・・・これでどうでしょう」

冥琳「ほう そうくるか ならばこれでどうだ」

穏「あぁん そこに来るとは冥琳様 鬼畜ですぅ」

今穏と冥琳は休息として二人で将棋を取っていた そんなところへ一華が通りかかった

一華「あ 冥琳と穏じゃないですか こんなところでどうしたんですか? ん? この盤面は?」

冥琳「あぁ 一華か 私たちは今休息に入ったからな 穏も今日は休みだから将棋でもと思ってな」

一華「将棋ですか (そういえば家にもこんなゲームがあったなぁ 一回もしたことないけど・・・)」

冥琳「そうだ そういえば一華 お前はどうしたんだ?」

一華「え? あ 僕も仕事が終わりましたし城の中をブラブラとしてたら二人を見つけたんです」

冥琳「そうだったのか 「冥琳様 冥琳様の番ですよ」 む そうか ふむ そう来たか・・・ ならばここだな」

穏「あぁん 冥琳様って本当に人の嫌がるところを攻めますよね」

冥琳「褒め言葉として受け取っておく さ 穏 お前の番だ」

一華「なんか面白そうですね」

冥琳「何だ 一華 お前はやったことがないのか?」

一華「見たことはあるんですがやったことは一度もないんですよ」

冥琳「そうか それでは次にやってみるか?」

一華「え? いいんですか? 僕ルール・・・規則なんて何も知りませんよ?」

冥琳「そのくらい教えてやるさ というわけだ穏 さっさと終わらせてもらうぞ」

穏「あぁん 冥琳様が本気になっちゃったです」

その後一華は冥琳と穏の対局を見ていたがものの数分で決着がついてしまった

穏「あぁん 冥琳様 弟子を人の目の前でぼこぼこにする性癖でもあるんですか?」

冥琳「人聞きの悪いことを言うな さて一華 ここに座れ 教えてやる」

一華「あ はい よろしくお願いします」

そういって一華は冥琳に将棋のルールを事細かに教わっていった

 

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冥琳「とまぁこんな感じだ 理解できたか?」

一華「はい あらかたは分かりました」

冥琳「そうか 穏 一華とやってみるか?」

穏「いいですよぉ〜 一華さん 負けませんからね〜」

穏は笑顔で将棋の盤を整理し始めた

一華「はい 胸を借りるつもりでやらせてもらいます」

穏「これでよしっと じゃ先は私がもらいますね(パチ)」

一華「はい えっとそれじゃここかな?(パチ)」

そうして一華と穏は将棋の対局を始めた

しばらくして

一華「これで詰みです!(パチ) はぁ 初めて勝てました」

穏「あぁん 負けちゃいましたぁ」

始めてから3局ほど売っていたが通算は一華の1勝2敗という結果で終わったのだった

冥琳「ふむ やはり一華は物の吸収が早いな まさか3局ほどで穏に勝ってしまうとは」

穏「そうですね〜 実際2局目には私自身少し焦って来てましたが まさか3局目では右翼の盤を完全に制圧してしまったんですからねぇ」

一華「冥琳の教えが良かったからですよ 後穏の打ち方にも癖があったのを見抜けましたし」

冥琳「ほぅ やはり武人だな 人の癖を見抜くとは」

穏「そうですねぇ〜 実際私は人の癖を見抜くことなんてできませんし」

一華「僕自身人を観察するのが好きなので それなりには癖を探せるんです」

冥琳「そうなのか それにしても飯でも食いに行くか もう昼も過ぎてしまったからな」

一華「そうですね それじゃ3人で行きましょうか」

穏「そうですねぇ〜 じゃえい!」

そういって穏は一華の手をつないだ

一華「え ちょ、ちょっと穏?」

冥琳「ほぅ 一華 穏にそこまでさせるとはな」

一華「め、冥琳も・・・ んもう」

そういって一華は頬っぺたを膨らませてふてくされた顔をした

冥琳「ふふっ では行こうか 穏 一華」

そういって3人は街中に出かけていった

余談ではあるが街の人たちは穏と一華を仲良しな姉弟に見えていたという

 

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拠点:明命

一華「ほ〜ら ゴロゴロ あはは 可愛いなぁ」

猫「ニャ〜ン♪」

一華は今街中にいた猫とじゃれあっていた そんな様子を陰で見ているのは

明命(はぁ〜ん 一華様 うらやましいですぅ あんなにお猫様に懐かれているなんて」

一華「さてと 明命 そろそろこっちに来てもいいんじゃないかな」

明命「はぅあ! いつから気づいていたんですか?」

一華「う〜ん 明命がそこにいるときくらいかな 明命気配が駄々漏れだったしさ」

明命「はぅあ そうでしたか あぅあぅ」

一華「それじゃ明命 一緒にあそぼ?」

明命「あ はい じゃ失礼します」

そういって物陰に隠れていた明命は一華のもとに歩いてきた

一華「そういえば明命は猫が好きなの?」

明命「はい! 大好きです! 特にあのもふもふと肉球のプニプニが にへへ」

そういって明命は猫のいいところを熱弁し始めた

一華「そっか それじゃほらこの子持ってみる?」

そう言って一華は遊んでいた子猫の一匹を抱きかかえて明命に差し出した

明命「はぅあ! じゃお言葉に甘えて はぁ〜 もふもふですぅ」

そういって明命は受け取った子猫を頬ずりし始めた

一華「あはは 明命もほんと可愛いなぁ 見てる僕も和んでくるよ」

そういって明命が子猫と戯れているのを見ていたら明命の子猫が少し嫌がりだして明命の手から出て行ってしまった

明命「あぅ 嫌われちゃいました それにしても一華様はどうしてそんなにお猫様に懐かれているんですか?」

一華「僕もわかんないけど一緒に遊んでたらだんだんと猫たちが集まって来てね それでこんな状態なんだ」

明命「もしかしたらお猫様達には一華様が優しい方だと分かっているんですよ」

一華「そうだといいけどね それじゃ明命 だいぶ長い時間過ごしちゃったからそろそろ僕は城に戻るよ あ、あとこれ猫と遊ぶのに使ってみて?」

そう言って一華は手元にあった猫じゃらしを明命に渡した

明命「はい! それじゃ一華様 また後で」

一華「うん 明命も暗くならないうちに戻って来てね」

そう言って一華は城に戻っていき、残った明命は一華から受け取った猫じゃらしでそれから半刻ほど遊んだ後城へと戻っていったのだった

 

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はづきです まず初めに更新遅れてしまいすいませんでした

これからもなのですが少し更新が滞ると思いますが執筆だけはやめないのでまたこれからも見ていただけると嬉しいです

 

さて今回は呉でも拠点という形にしてみましたがいかがだったでしょうか 後そろそろ新しい恋姫も追加しようかなと思っておりますのであしからず

それでは上で言った通り更新が遅くなると思いますが楽しみにしていただけると幸いです

ではアデュー

 

説明
少し早く更新できました
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コメント
誤字報告ありがとうございます 直しておきました(はづき)
誤字情報です。 「政務が終わることには昼過ぎになっていた」ではなく『政務が終わる頃には昼過ぎになっていた』ではないでしょうか?(劉邦柾棟)
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恋姫†無双 オリキャラ 継承者 最強 拠点 

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