六兆年と一夜物語(オリジナル) No.2 黒色の少年
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歩く。歩く。歩く。。。。

 

家までの距離が長く感じられる。

 

ひとつめ、ふたつめの角を右に曲がり、みっつめの角を左に曲がろうとしたとき。

 

 

反対側から、何か、気配を感じた。

 

 

人々を憎み、世を恨む。

 

そんな、自分と同じような気配が。

 

左ではなく、右に足が進む。

 

行ってはいけないと、そんな気がするのに、勝手に体が動く。

 

 

その先には.......少年がいた。

 

 

私と真逆の真っ黒な瞳でこちらを睨み、警戒しているようだった。

 

 

??

少年の傷だらけの姿を見ていると、自然と声が出た。

 

「どうしたの?」

 

少年は自分にかけられた言葉だと理解すると、目を大きく見開いてからその場に膝を付き、大粒の涙をこぼした。

 

「ねえ、どうしたの?」

 

白亜が何度訪ねても少年の涙が頬を伝うだけで、答えは返ってこない。

 

白亜は、そっと少年の頭を撫でると優しく微笑みかけた。

 

さっきまで泣いていたその瞳で。

 

そうすると、少年は泣くのを止め安心したような表情をした。

 

 

 

「a...a........argt. 」

 

知らない言葉を話す。

 

「ええと…どうしたらいいのかな?」

 

困った。

 

言葉が通じない。

 

「titkt. bkntkrhkty. anthsmssunkowstirkr.」

 

そう言うと、私の手を引く。

 

「待って、私、いけないよ。家に帰らなくちゃ。」

 

 

伝わるはずもないのに。

 

 

少年は私の手を引き続ける。

 

仕方がないから、ついていくことにした。

 

 

 

歩いた先には、トンネルのようなものがあった。

 

どこまで続くか分からない、長い長いトンネルが。

 

でも、真っ暗ではない。

 

 

夜空に星が輝くように、そのトンネルにはたくさんの光が見えた。

 

 

行ってはいけない、そう思う自分とこの先の世界を見てみたい、そう思う自分がいた。

 

 

 

でも、私はこの先に行ってははいけない。

 

そう思ったから、少年の手を振りほどいた。

 

少年は驚いたように目を見開いたが、私はそのまま駆け出す。

説明
誰も知らないおとぎ話は夕焼けの中に吸い込まれて消えてった・・・か」

昔_それほど遠くもない昔、おばあさまが歌ってくれた歌。

私にぴったりだからと何度も歌ってくれた歌。

もう一人、ぴったりな人をみつけました。
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ボカロ 六兆年と一夜物語 桜華による 

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