英雄伝説〜光と闇の軌跡〜エレボニアカオスルート
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〜パンダグリュエル・パーティーホール〜

 

「うふふ、これで二人の事は一応解決したし、次は今後の戦いに備えてZ組のみんなにレン達の戦闘スタイルを教えてあげるわ♪」

「レン皇女殿下達――――”特務部隊”の人達の戦闘スタイルをオレ達に……」

「……確かに戦闘スタイルを知っていたら、連携もやりやすくなるね。」

レンの提案にガイウスが考え込んでいる中フィーは静かな表情で呟いた。

「さすが元猟兵だけあって、理解が早いわね♪―――それじゃあ、昨日の自己紹介の順番で教えてあげましょうか、リィンお兄さん♪」

「……了解しました。俺の戦闘スタイルは俺と同じ流派のアネラスさんからも既に聞いているかもしれないが、俺は東方の剣の一種――――”太刀”を扱う剣士だ。流派は”八葉一刀流”で、老師から認められている伝位は”中伝”。それと数は少ないけど、火炎属性―――火属性魔術も扱える。」

「”八葉一刀流”に加えて魔術まで……」

「ええっ!?という事はリィンさんは異世界の魔術を扱えるんですか!?」

レンに促されて答えたリィンの答えを聞いたラウラは驚きの表情で呟き、エマは信じられない表情で訊ねた。

「ああ。ただ、俺は魔術に対しての適正は大した事がないから魔術の威力も大した事はない上扱える魔術も少ないけど……その代わり火属性魔術を応用した”八葉一刀流”の剣技をいくつか扱える。」

「魔術を応用した”八葉一刀流”の剣技だと?それは一体どういう意味だ?」

「!も、もしかしてリィン君って、エステルちゃん達みたいに”魔法剣”にした”八葉一刀流”の剣技を扱えるの?」

リィンの説明の意味がわからないユーシスが不思議そうな表情で訊ねたその時、ある事に気づいたアネラスは驚きの表情でリィンに訊ねた。

「はい。」

「ま、”魔法剣”まで扱えるなんて……!」

「まさか魔術どころか”魔法剣”まで扱えるなんてね………ハア……”起動者(ライザー)”が一部とはいえ魔術まで扱えるなんて、前代未聞じゃない……おまけに”魔法剣”まで扱えるんだから、冗談抜きで”魔女の眷属(ヘクセンブリード)”であるアタシ達のサポートなんて必要ないんじゃないかしら?」

アネラスの質問に頷いたリィンの答えを聞いたエマは信じられない表情をし、目を細めてリィンを見つめていたセリーヌは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「エマちゃんやセリーヌちゃんはその”魔法剣”がどういうものか知っているの?」

「は、はい……私達は扱えませんがどういう原理なのかは理解しています。」

「………”魔法剣”って言うのはその名の通り、魔術によって発生した”力”を武器に付与する強化や付与の魔術の一種でね……例えば魔術によって発生した炎を剣に宿らせて、炎を宿らせた剣で敵を攻撃する事によって敵に剣によるダメージと魔術の炎によるダメージを同時に与えると言った寸法だから、物理と魔法による同時攻撃を行えるのよ。」

「ええっ!?ぶ、物理攻撃と魔法攻撃を同時に!?」

「魔術の力を武器に………一体どういう原理なんだ……?」

「しかもリィン特務准将はその”魔法剣”を扱った上での”八葉一刀流”の剣技も扱えるとの事ですから、通常の”八葉一刀流”の剣技よりも更に強力な威力を叩きだせる事が可能なのでしょうね。」

トワの質問にエマは戸惑いの表情で頷き、セリーヌの説明を聞いたアリサは驚き、ジョルジュは興味ありげな様子で考え込み、クレア大尉は静かな表情で呟いてリィンを見つめた。

「ハハ……俺が扱えるのは火属性だけですから、火属性に耐性を持つ敵に対して俺が扱える魔法剣による”八葉一刀流”の剣技を叩き込んだ場合逆に通常の”八葉一刀流”の剣技よりも威力は落ちますから、それ程便利なものではありませんよ。俺自身の主力はあくまで”八葉一刀流”の剣技です。」

「戦闘能力で思い出したが……リィン。ユミルでもそうだが、バリアハートの時にも変身みたいな能力も使って俺達を圧倒していたが……あれはもしかしてお前さんにとっての”切り札”か?」

「……ええ。”あの力”―――”鬼の力”は俺が持つ”異能”です。」

「い、”異能”……?何なの、それ……?」

クレア大尉の推測にリィンが苦笑しながら答えた後訊ねてきたトヴァルの質問に答えたリィンの答えを聞いたエリオットは戸惑いの表情でリィンに訊ねた。

 

「”異能”とは、生まれた時から極一部の人に宿っている”能力”の事で、例えば道具や魔術も使わずに焔を生み出す等ですわ。」

「そ、そんな事があるんだ………」

「そしてリィンの”異能”とやらが、身体能力の強化なんだね〜。」

「ん。あの変身みたいな能力を使ってから、身体能力が爆発的に上昇したと思うから、多分そうだろうね。」

「ひ、非常識な……」

「ハハ………まさかそういう所もエステル君と似ているとはね……」

「幾ら何でもあの娘の場合、そんな能力は持っていないでしょう?まあ、似たような能力は持っているけど……………」

シャロンの説明を聞いたエリオットは目を丸くし、ミリアムの推測にフィーは頷き、マキアスは疲れた表情で呟き、苦笑しながら呟いたオリヴァルト皇子に指摘したシェラザードは疲れた表情で溜息を吐いた。

「それよりも何でシャロンがそんな事を知っているのよ?」

「大方”結社”の知り合いにその”異能”とやらの持ち主がいるから、知っていたんじゃないのかしら?」

「ふふっ、そこは”企業秘密”ですので黙秘させて頂きますわ♪」

(フッ、例としてよりにもよって”焔”を出すとはな……まあ、”劫焔”自身が”異能”の塊のような存在だから、例として”焔”を出しても当然と言えば当然か。)

ジト目のアリサとシャロンに視線を向けられて笑顔で答えを誤魔化したシャロンの答えにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中レーヴェは静かな笑みを浮かべた。

 

「……まさか”異能”まで持っていたとはね。ちなみにさっき紹介したアンタと”契約”している連中も大方、全員魔術が扱えるんでしょう?聖女の娘に魔王、精霊王女に女神とどの連中も全員魔術が扱えて当然の存在でしょうし。」

「ああ。まずメサイアの得物は騎士剣で、戦闘スタイルは聖騎士(ホーリーナイト)と暗黒騎士(ダークナイト)だ。」

「聖騎士(ホーリーナイト)に暗黒騎士(ダークナイト)……?」

「”騎士(ナイト)”の名が付いている事から恐らく騎士の一種だと思うが………」

セリーヌの質問に答えたリィンの答えを聞いたガイウスは不思議そうな表情で考え込み、アルゼイド子爵は静かな表情で推測を口にした。

「―――聖騎士(ホーリーナイト)とは光や治癒の魔術を扱う魔法騎士の事で、暗黒騎士(ダークナイト)とは闇や呪いの魔術を扱う魔法騎士の事です。」

「伝承やおとぎ話で出てくるような”騎士”が異世界では存在しているのですか………」

「……まさか光―――”空属性”に加えて”空属性”と相反する属性である闇――――”時属性”まで扱えるなんてね……あのメサイアって皇女も、魔術師としても相当な使い手かもしれないわね。」

「そうね……ヴィータ姉さんも相反する属性である”火属性”と”水属性”の魔術を扱えるから、ひょっとしたら魔術師としての腕前もヴィータ姉さんに迫るかもしれないわね………」

セシリアの説明を聞いたアルフィン皇女が目を丸くしている中、セリーヌは目を細め、エマは複雑そうな表情で呟いた。

「次にベルフェゴールの戦闘スタイルだけど……ベルフェゴールは近接戦闘では体術、遠距離戦闘では魔術で戦うから前衛、後衛のどちらもこなせるけど………ベルフェゴールの場合一瞬で多くの敵を魔術による暗示で”混乱状態”に陥らせる事によって同士討ちさせたり、敵の力を吸い取って自分の力とする魔術も扱えるから、支援や持久戦にも向いている。バリアハートで実際にベルフェゴールと戦った貴女達なら、それを知っているだろう?」

「!も、もしかしてあの時突然私とエマの意識が無くなったのって……!」

「……やはり、ベルフェゴールさんによる暗示の魔術だったのですか………」

「……ま、”サキュバス”は自身の”糧”を得る為に異性に魔術による魅了―――つまり”暗示”の魔術をかけるらしいから、”サキュバス”の最上位種で、しかも”魔王”のベルフェゴールにとっては”暗示”は得意分野でしょうね。」

「”敵の力を吸い取る”……という事はベルフェゴール様が私に触れた瞬間、急激に私の体力が無くなった事で私が無力化された理由もベルフェゴール様による魔術だったのですか。」

リィンの説明を聞いてかつての戦いを思い出したアリサは目を見開き、エマは不安そうな表情で呟き、セリーヌは納得した様子で呟き、シャロンは静かな表情で呟いた。

 

「フッ、ベルフェゴールに”殺害対象”として見られていなかった”死線”は運が良かったな。ベルフェゴールがその気になれば、それこそ一瞬で”命”をも吸い取れただろうしな。」

「ま、ベルフェゴールは睡魔族の最上位種なんだから、一瞬でミイラどころか骨の状態になるまで生命力を吸い取る事もできるだろうね。」

レーヴェとエヴリーヌの推測を聞いたアリサ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「うふふ、レーヴェ様の仰る通り、リィン様の慈悲のお陰で私も九死に一生を得られていたのですね♪改めてバリアハートでは手加減して頂きありがとうございます、リィン様♪」

「ハ、ハア………?えっと……次にリザイラだけど……リザイラはベルフェゴール達と違って、純粋な魔術師スタイルだから、リザイラの戦闘スタイルは後衛特化型だ。」

シャロンに感謝の言葉を述べられたリィンは困惑の表情を浮かべた後話を続けた。

「……?何故リザイラ様が純粋な魔術師スタイルという理由で、後衛特化型になるのでしょうか?魔術ならば、メサイア様達も扱えますが……」

リィンの話を聞いて疑問が出て来たアルティナはリィンに問いかけた。

「ベルフェゴール達は前衛もできるから、魔術師スタイルじゃなく魔法戦士スタイル――――ゼムリア大陸で言えばアーツの適正能力が高いかつ前衛もできる戦闘スタイルなんだ。」

「……つまりはユーシスや教官のような戦闘スタイルが異世界では”魔法戦士スタイル”と呼ばれているのか。」

「そ、そう言えばユーシスや教官って、前衛もできる上アーツの適正能力も高かったよね……?」

「フン、この俺が戦うのだから、剣術とアーツ、どちらもこなせて当然だ。」

「戦闘スタイルの話が出ただけで、何でそんなにも偉そうに答えるんだ……」

「ちなみにあたしの場合、銃も扱えるから前衛、中衛、後衛の全てをこなせるから”万能スタイル”なのよ〜?」

「教官の癖にそのくらいの事を自慢するなんて大人げねぇぞ、サラ……」

リィンの説明を聞いて静かな表情で呟いたガイウスの言葉を聞いたエリオットは目を丸くしてユーシスとサラに視線を向け、自慢げな様子でいるユーシスの態度にマキアスが呆れている中得意げに語るサラの様子にその場にいる多くの者達が冷や汗をかいている中トヴァルは呆れた表情で指摘し

「……なるほど、理解しました。」

一方アルティナはリィンの説明に納得した様子で頷いた。

 

「リザイラさんは”後衛特化型”と仰いましたが、具体的にはどのような後衛の戦闘スタイルに特化しているのでしょうか?」

「―――”全て”です。」

「す、”全て”って………リザイラさんは魔術による攻撃は当然として、支援や治癒もできるの?」

クレア大尉の問いかけに答えたリィンの答えを聞いたトワは驚きの表情で訊ねた。

「ええ。―――それとリザイラは豊富な数の魔術に加えて”精霊魔術”も扱えますから、自身が扱えない属性の攻撃もいくつかできますから、それもリザイラの強みです。」

「せ、”精霊魔術”……?”魔術”とどう違うんだ……?」

「……”魔術”は自身の霊力(マナ)を活用する術で、”精霊魔術”はその名の通り、”精霊”達に呼びかけて様々な”現象”を発生させる”術”の事よ。」

「いいんちょもその”精霊魔術”って言うのを使えるの?」

リィンの説明を聞いて首を傾げているマキアスに説明したセリーヌの話を聞いてある事が気になったフィーはエマに訊ね

「ええ、初歩的なものだけですけど。」

「……ま、”精霊”を統べる存在のリザイラと比べると天と地の差でしょうけどね。」

フィーの質問にエマは苦笑しながら頷き、セリーヌは静かな表情で呟いた。

「そして最後にアイドスだけど……アイドスの戦闘スタイルはさっき軽く説明したように、前衛と後衛、どちらもこなせる”魔法戦士スタイル”だけど……アイドスの場合、どちらかというと後衛―――それも回復や支援の魔術の方を得意としているんだ。」

「ほええええええ〜〜〜〜っ!?剣術で”光の剣匠”相手に余裕で勝てる上”空の覇者”や”戦妃”と互角なのに、後衛で、しかも回復や支援系の方が得意なの〜〜〜!?」

「まあ、”慈悲”を司る女神なんだからむしろ”治癒”や”支援”が専門分野じゃない方がおかしいわよ。」

「ハハ、さすがセリカさんの”ラスボス”を務めただけはあるね。……ちなみにアイドスさんが扱える攻撃魔術はやはりサティアさん同様神聖魔術―――光の魔術かい?」

リィンの答えを聞いたミリアムが驚いている中セリーヌは納得した様子で呟き、オリヴァルト皇子は苦笑した後リィンに訊ねた。

「はい。加えてアイドスは無属性魔術や星属性魔術を扱えます。」

「む、”無属性”に”星属性”……?どちらも聞いた事がない”属性”だよね……?」

「ああ……もしかしたら異世界特有の”属性”なのかもしれないな……」

リィンの説明を聞いて困惑の表情をしているトワの言葉に頷いたジョルジュは考え込んだ。

 

「”無属性”は火属性等の下位属性、そして空属性等の上位属性のどの”属性”にも属していない属性です。その為”無属性”は抵抗は当然として弱点も存在しないのですが………」

「”星属性”はアタシ達も聞いた事がないわ。さっき”慈悲の女神”は星々の力を借りた”奇蹟”を起こせると言っていたから、大方その”奇蹟”の一種が”星属性”の魔術なんじゃないかしら?」

二人の疑問にエマは答えた後困惑の表情をし、セリーヌは目を細めてリィンに問いかけた。

「ああ。アイドスは星々の力を借りた”星属性”の力を借りた魔術は当然として”星属性”の魔法剣による”飛燕剣”も扱えるんだ。」

「そ、そう言えばサティアさんも”星属性”の魔術を扱えた上、剣技にも”星属性”を宿らせ、星の光による魔法剣を扱っていましたよね?」

「ええ………しかもセリカさん同様魔法剣による”飛燕剣”まで扱えるんだから、冗談抜きで総合戦闘能力で言えばセリカさんには届かなくてもリウイ陛下は超えるんじゃないかしら?」

「ハハ、何せ”あの”セリカさんの”ラスボス”にしてサティアさんの妹君だから、彼らを知る私達からすれば納得の戦闘能力だね。」

リィンの話を聞いてかつての事を思い出したアネラスの言葉にシェラザードは疲れた表情で頷き、オリヴァルト皇子は苦笑しながら推測を口にし、アネラス達の話を聞いたアリサ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「――次は私ですね。私の戦闘スタイルは既にバリアハートでの戦いや先程の私の話でお気づきかと思いますがライフルをメインとした後方からの攻撃や支援です。それと私もいくつか魔術を扱えます。」

「ええっ!?ス、ステラさんまで魔術を扱えるのですか……!?」

「……まさかとは思うけど、あんたもあの二人同様魔術を扱えるのかしら?」

ステラの説明を聞いたエマが驚いている中セリーヌは目を細めてフォルデに問いかけた。

「まあな。とは言っても俺が扱える魔術は身体能力の強化の魔術だけだから、支援や攻撃魔術を扱えるステラみたいにバリエーションはないぜ?」

「そう言えばバリアハートの時、ステラが発動したっぽい魔術によって発生した竜巻を喰らった時、わたし達の力が突然なくなったけど……あれも魔術の一種?」

「はい。―――あの魔術の種類は”戦意魔術”といいまして、味方や敵の”戦意”―――闘気や敏捷を上昇させたり、下降させたりする魔術ですから敵に使う事の目的としては主に捕縛用として使われています。」

「なるほどね……道理であの時のあたし達の動きが鈍った訳ね……」

フォルデの説明の後に問いかけたフィーの質問に答えたステラの説明を聞いたサラは納得した様子で呟いた。

「また、ライフル以外にもいくつかの近代兵器も扱います。」

「クク、ステラは深窓の令嬢みたいな雰囲気を纏っているが、ああ見えていろんな近代兵器を身につけている事で”歩く火薬庫”みたいなものだから、怒らせないように気を付けろよ〜?」

「フォルデ先輩……さすがにその言い方はステラに失礼ですよ……」

ステラの説明の後にからかいの表情で答えたフォルデの忠告を聞いたその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中リィンは疲れた表情で指摘した。

 

「いくつかの近代兵器を扱うと言ったが、具体的にはどのような兵器を扱うのだ?」

「そうですね……ライフルがメインで、サブとしては閃光手榴弾、散弾銃(ショットガン)、そして対戦車ライフル(パンツァーファウスト)を扱っています。」

「へえ……対戦車ライフル(パンツァーファウスト)まで扱えるんだ。」

「おいおい……あんなとんでもない代物まで扱うとか、見かけによらずとんでもないお嬢さんだな……」

ガイウスの疑問に答えたステラの説明を聞いたフィーが興味ありげな様子でいる中トヴァルは疲れた表情で呟いた。

「パ、対戦車ライフル(パンツァーファウスト)……?初めて聞く言葉だな……」

「対戦車ライフル(パンツァーファウスト)って言うのはあたし達の世界では主に猟兵達が扱う火薬式の兵器で、車両や戦車を破壊する為の”対戦車ライフル”の事よ。」

「対戦車ライフル(パンツァーファウスト)はライフルの一種ですが、砲弾をロケットのように飛ばす為連射はできず、また砲弾のスピードも戦闘能力がない方でも目視できるほど遅い等色々と使い辛い兵器なのですが……その代償として威力は凄まじく、戦車の装甲をも容易に破壊できますから”アハツェン”ですらも、命中すればひとたまりもありませんわ。」

「ええっ!?ア、”アハツェン”の装甲をも容易に破壊するの!?」

「い、一体どんな兵器なんだろう……?」

ジョルジュの疑問に答えたサラとシャロンの説明と推測を聞いたアリサは驚き、トワは不安そうな表情をした。

「ニシシ、今の話を聞いて気づいたけどステラが散弾銃(ショットガン)まで扱えるんだから、戦闘スタイルが被っているマキアスの立場がなくなるかもしれないね〜♪」

「フン、確かにな。戦闘では散弾銃(ショットガン)しか取り柄のないその男と違って、ステラは散弾銃(ショットガン)に加えて様々な兵器を扱える上、魔術まで扱えるとの事だから普通に考えれば後者の方が便利だな。」

「こ、この男は……!―――というかミリアム!君だって僕の事は言えないだろうが!散弾銃(ショットガン)をサブとして扱っているステラさんと違って、アルティナの方は確かクラウ=ソラス……?だったか。その傀儡の操作の戦闘スタイルがメインだろうから、アルティナと思いっきり被る君の方が危機感を抱かなくてはならないんじゃないのか!?」

からかいの表情のミリアムに続くように嘲笑を浮かべたユーシスに視線を向けられたマキアスは顔に青筋を立てた後ミリアムを睨んで反論した。

 

「その推測に訂正を求めます。わたしの”クラウ=ソラス”はそちらのオライオンの”アガートラム”と異なり、”斬撃”による攻撃がメインですから”打撃”をメインとしているそちらのオライオンの”アガートラム”の戦闘スタイルとは完全に一致しません。」

「へ〜、アーちゃんのクーちゃんってボクのガーちゃんと違って、”斬撃”ができるんだ〜。」

マキアスの推測を聞いた後すぐに指摘したアルティナのマイペースさにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいている中ミリアムは呑気な様子でアルティナを見つめて呟いた。

「クスクス……それともう一つ。ステラお姉さんは狙撃手(スナイパー)も兼ねているから、作戦によってはステラお姉さんだけ、直接作戦に参加せず長距離からの狙撃で援護する事もあるから、覚えておいてね♪」

「ス、狙撃手(スナイパー)って……」

「……双刃剣(ダブルセイバー)に加えて双銃を扱う”C”がスナイパーライフルを扱えたのですから、ライフルをメインに扱っているステラ特務大佐がライフルの一種であるスナイパーライフルを扱えてもおかしくはない―――いえ、むしろ扱えて当然かと。」

「あ………」

「クロウ君……」

レンの説明を聞いたエリオットが不安そうな表情をしている中静かな表情で呟いたクレア大尉の指摘を聞き、かつての出来事を思い出したアリサは呆けた声を出し、トワは辛そうな表情をした。

「え、えっと……フォルデさんはどのような戦闘スタイルなのでしょうか?」

暗い雰囲気になりかけた事に気づいたエマは空気を変える為にフォルデに訊ねた。

「ん?俺の得物は槍で戦闘スタイルもオーソドックスな槍を扱う”騎士”だから、リィンやステラみたいに特筆目立つような戦闘スタイルじゃないぜ?」

「うふふ、確かにフォルデお兄さんの戦闘スタイルはメンフィルの正規軍の大半の兵達が扱う武器の種類の一つ―――”槍”だけど、”獅子心帝”と縁がある先祖から代々伝わっている槍術の使い手であるフォルデお兄さんはエレボニアにとっては目立つ存在なんじゃないかしら?」

「ええっ!?フォルデさんの御先祖があのドライケルス大帝と縁のある方なのですか!?」

フォルデの後に答えたレンの説明を聞いたアルフィン皇女は信じられない表情で声を上げてフォルデに訊ねた。

「あー……具体的に言えば、その”先祖の家族”が”獅子戦役”を終結させた”獅子心帝”と縁があっただけの上その”先祖の家族”も大した活躍もできずにすぐに死んだとの事ですから、そちらのあの”槍の聖女”が率いた”鉄騎隊”の副長を務めた一族の人達の先祖みたいに有名な存在じゃないですよ?」

「……ちなみにその”先祖の家族”とやらは何という名の者なのだ?」

アルフィン皇女の質問に苦笑しながら答えたフォルデに視線を向けられたアルゼイド子爵は静かな表情でフォルデに訊ねた。

「――――”ロラン”。それが俺の御先祖様の家族の名前さ。」

「な――――――」

「ええっ!?ロ、”ロラン”って確か……!」

「ドライケルス大帝がかの”槍の聖女”と邂逅する前に戦死したドライケルス大帝の悪友にして唯一の腹心の部下だった人物だな。」

「思いっきり”獅子戦役”に出てくる有名な登場人物じゃないですか!」

フォルデの答えを聞いたオリヴァルト皇子は絶句し、エリオットは信じられない表情をし、ユーシスは真剣な表情で呟き、マキアスは驚きの表情で声を上げてフォルデを見つめた。

「いや、有名って言っても”槍の聖女”や”鉄騎隊”みたいな活躍はしていないし、”獅子心帝”が活躍する話でも中盤あたりで死んじまった上、しかも俺の先祖はその死んだ人物の妹だっただけだから、俺自身は”ロラン”の血を引いている訳じゃないぜ?」

「それでもあの”ロラン”と血縁関係であった人物の系譜が続いていたなんて、エレボニアにとっては驚愕の事実だよね〜。」

「うむ……という事はフォルデ殿の槍術はかの”ロラン”が扱っていた槍術なのか?」

苦笑しながら答えたフォルデの話に指摘したミリアムの意見に頷いたラウラは興味ありげな様子でフォルデに訊ねた。

「ああ、死んだ親父からはそう聞いているぜ。」

「……リィンといい、ステラといい、その男といい、メンフィルはエレボニアに対する皮肉の意味で”特務部隊”の総大将や副将をその3人にしたのかと疑う程の人選ね。アルノール皇家と縁があった貴族に”四大名門”に次ぐ名門貴族、そして”獅子心帝”の腹心の部下の血縁者の子孫だなんて、普通に考えたらエレボニアや”アルノール皇家”に対する嫌がらせとしか思えないわよ。」

「しかも実際リィンやステラは”四大名門”の当主や跡継ぎを討っているし、フォルデなんか”獅子心帝”の子孫であるアルフィン皇女を捕縛したから、あらゆる意味でエレボニアに対する皮肉だよね〜。」

「言い過ぎよ、セリーヌ!」

「ミリアムちゃんも口を謹んで下さい!それと殿下達に対して不敬ですよ!?」

フォルデの後に呆れた表情で答えたセリーヌと静かな表情で答えたミリアムの答えを聞いたエマとクレア大尉はそれぞれ二人に注意した。

 

「ハハ……実際その通りだから、洒落にならない推測だね……」

「………………」

「殿下………」

疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子と辛そうな表情で黙り込んでいるアルフィン皇女の様子をアルゼイド子爵は心配そうな表情で見守っていた。

「うふふ、あくまで”偶然”なだけよ♪―――それじゃあ、次はサフィナお姉様の番よ♪」

「全くこの娘は………私の得物はこれです。」

レンに促されたサフィナは呆れた表情で溜息を吐いた後立ち上がって白銀と漆黒の双鎌を構えた。

「な、何なの、あの武器……!」

「白銀と漆黒の双鎌………」

「大鎌の二刀流とは珍しい戦闘スタイルですわね……」

サフィナが構えた双鎌を見たアリサは驚き、ガイウスは呆け、シャロンは目を丸くした。

「見ての通り、私は大鎌の二刀流による近接戦闘が得意で魔術やアーツにはそれ程適正はない為戦闘には組み込んでいないので、前衛に特化しています。それと昨日にも軽く紹介した通り私は竜騎士(ドラゴンナイト)ですから、野戦の際は飛竜に騎乗して空からの強襲攻撃を行います。」

「人が空から強襲攻撃をしてくるなんて、普通に考えたらありえねぇから、貴族連合軍の連中は絶対混乱するだろうな……」

「そうね……しかも軍用飛行艇も生身で破壊できるそうだから、貴族連合軍にとっては”悪夢”を見ているかのように感じるかもしれないわね……」

サフィナの説明を聞いたトヴァルとサラは疲れた表情で推測を口にした。

「―――次は私ですね。私の武器はこれです。」

「あれ?あの武器って……」

「魔導杖(オーバルスタッフ)に似ているようだけど、それにしては導力部分が見当たらないな……」

セシリアが見せた杖が自分にとって馴染み深い魔導杖に僅かに似ている事に気づいたエリオットは目を丸くし、ジョルジュはセシリアが見せた武器を見て困惑していた。

 

「導力部分が見当たらなくて当然よ。その女の杖は”魔女”――――いえ、本来”魔術師”自身の霊力(マナ)を強化する為に魔術師にとっては基本装備に当たる魔杖(まじょう)なんだから。……そして”それ”を得物としているアンタの戦闘スタイルは魔術師なんでしょう?」

ジョルジュの疑問にセリーヌは静かな表情で答えた後目を細めてセシリアを見つめて訊ねた。

「ええ。――――”魔道軍将”。それがセシリアお姉さんの二つ名よ。」

「”魔道軍将”………」

「二つ名からして、セシリア将軍閣下はヴィータ姉さんと並ぶ―――いえ、恐らくそれ以上の凄まじい魔術の使い手なのでしょうね………」

セシリアの代わりに答えたレンの答えを聞いたラウラは真剣な表情でセシリアを見つめ、エマは不安そうな表情で呟いた。

「ふふっ、セシリア様はメンフィルに所属している魔術の使い手としては5本の指に入ると言われている程ですから、その推測は強ち間違っていないと思いますよ。」

「メ、メンフィルでも魔術の使い手なら5本の指に入るって事はもしかして、ペテレーネさんとも並ぶんじゃあ………」

プリネの話を聞いたアネラスは信じられない表情でセシリアを見つめ

「フフ、さすがに”神格者”であるペテレーネ様やシルフィエッタ様程ではありませんが………”魔道軍将”の名は伊達ではない事を今後の戦いでお見せ致しますわ。」

苦笑しながら答えたセシリアの答えを聞いたアリサ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「それじゃ、次はエリゼお姉さんとセレーネの番よ♪」

「―――かしこまりました。私の得物はこれです。」

レンに促されたエリゼは頷いた後自身の得物である連接剣を見せた。

「変わった形状の武器だな………見た感じ”剣”のように見えるけど………」

「―――この武器の種類の名は”連接剣”。剣の一種ですが、刃が伸縮可能な為、接近戦だけでなく距離を取っての攻撃や追撃も可能とする剣です。」

(星杯騎士達が扱っている”法剣”のようなものか……)

「異世界にはそのような”剣”があるのか……」

「ハハ、さすがエクリアさんの愛弟子だけあって、得物もエクリアさんと同じなのか。という事はエリゼ君もエクリアさんのように魔術も扱うのかな?」

ジョルジュの疑問に答えたエリゼの答えを聞いたトヴァルがある事を思い出している中ラウラは興味ありげな様子で連接剣を見つめ、オリヴァルト皇子は苦笑した後エリゼに訊ねた。

「はい。扱える魔術の種類は水と空、無属性、そして治癒の魔術を扱えます。」

「エ、エリゼさんも異世界の魔法――――”魔術”を扱えるんですか………」

「フウ……同じ世界の魔術の使い手としてちょっと自身を失くすわね……扱える属性の種類があたしより遥かに上じゃない……」

「ま、まあまあ。先輩には先輩の長所があるじゃないですか。」

そしてエリゼの説明を聞いたアルフィン皇女は目を丸くし、疲れた表情で溜息を吐いたシェラザードにアネラスは苦笑しながら慰めの言葉をかけた。

 

「次はわたくしですわね。わたくしもエリゼお姉様同様魔術を扱う剣士で、得物はこれですわ。」

「細剣(レイピア)か………それを得物にしているという事はそなたの剣術の流派は異世界の王宮剣術のようなものか?」

セレーネが見せた細剣を見てある事を推測したアルゼイド子爵はセレーネに訊ねた。

「はい。ただわたくしは剣術より魔術の方が得意ですから、どちらもこなせるエリゼお姉様と違ってわたくしは後衛寄りの魔法戦士ですわ。それと先日紹介したようにわたくしは”竜”でもありますから、場合によっては”竜化”による戦闘もしますので、覚えておいてください。」

「りゅ、”竜化”って、もしかして………」

「言葉通り”竜”に変化する事でしょうね。という事はセレーネの姉のアンタも竜化できるのでしょう?」

セレーネの答えを聞いて表情を引き攣らせているエリオットの疑問に答えたセリーヌはツーヤに視線を向けた。

「はい。あたしもセレーネのように”竜化”による戦闘も可能ですし、扱える魔術の数や種類は違いますがあたしもセレーネと同じ魔法戦士ですが、あたしは剣術の方が得意ですから前衛寄りの魔法戦士です。それとあたしの得物はこれです。」

「?あの剣は先程リィンが見せた得物と似ているようだが………もしかして同じ種類の武器なのか?」

「ええ。”刀”と言って、リィンさんの”太刀”のように東方独特の技術で創られた”剣”です。」

「ちなみにツーヤちゃんの剣術のメインは”抜刀術”なんだよ。」

「ほう………ルクセンベール卿は”抜刀術”の使い手なのですか………」

「ラウラは知っているの?その”抜刀術”って言う剣術を。」

自分が見せた刀を見て不思議そうな表情をしているガイウスの推測にツーヤは頷いて答え、ツーヤの代わりに答えたアネラスの説明を聞いて興味ありげな様子でいるラウラが気になったアリサはラウラに訊ねた。

「うむ。”抜刀術”とは剣を鞘から抜いた瞬間に放たれる”居合い”の事で、その性質上東方独特の剣―――”刀”や”太刀”と相性がいい事から、主に東方の剣術に組み込まれている。」

「そ、そんな剣術があるんだ………あれ?東方の剣術という事は”八葉一刀流”の剣士であるリィンも……」

「ああ。ルクセンベール卿と違って、数は少ないけど”八葉一刀流”に伝わる”抜刀術”も扱える。」

ラウラの説明を聞いてある事に気づいたエリオットに視線を向けられたリィンは頷いて答えた。

 

「ツーヤが終わりましたから、次は私ですね。私の得物はセレーネと同じ細剣(レイピア)で、扱える魔術の属性は空と時、そして無属性で、剣術の流派はお父様直伝ですから、”マーシルン流”と言うべきですかね?お父様はご自身の剣術は独自で編み出した剣術ですし。」

「ほえええええ〜〜〜っ!?”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”の剣術が父親直伝って事は、”英雄王”直伝の剣術なの〜〜〜!?」

「いちいち騒ぐな、阿呆。みっともない。プリネ皇女殿下はリウイ前皇帝陛下のご息女の一人なのだから、父君であるリウイ前皇帝陛下より剣術を学んでいてもおかしくはない話だろうが。」

苦笑しながら答えたプリネの説明を聞いて声を上げて驚いたミリアムにユーシスは呆れた表情で指摘し

「ふふっ、確かに剣術はお父様から教えて頂きましたけど、私の剣術の腕等お父様に比べればまだまだですし、メンフィル皇家の中でも私の武術や魔術の腕前は下から数えた方が早いくらいですよ。」

「……ちなみにプリネさんはああ言っているけど、プリネさんはそこの”剣帝”相手に1対1での戦いで2度も勝利しているのよ?」

「な―――――」

「ハアッ!?」

「ええっ!?手加減された状態でも、僕達じゃ手も足も出なかったレオンハルト大佐相手に1対1で戦って、それも2度も勝利しているなんて……!」

「おいおい……”剣帝”相手にタイマンで戦って2度も勝利できる人物の腕前が下の方って、メンフィル皇家って、どんな化物一家なんだ?」

「しかも”闇の聖女”の娘だから、魔術の腕前も相当な魔法戦士でしょうね。」

プリネが謙遜している中苦笑しながら説明を補足したシェラザードの説明を聞いたクレア大尉は驚きのあまり絶句し、サラは驚きの声を上げ、エリオットは信じられない表情をし、トヴァルは疲れた表情で呟き、セリーヌは目を細めて推測を口にした。

 

「フフ、確かにレーヴェ相手に2度も勝ちましたけど、どちらの戦いの時もレーヴェは”本気”ではなかったと思いますから、実際に”本気”になったレーヴェと戦えば勝敗はどうなるかわかりませんよ?」

「フッ、それでも戦闘能力は俺と”劫焔”以外の”執行者”相手ならば確実に勝利できると思うがな。―――ちなみに俺の戦闘スタイルはお前達の仲間や”紫電(エクレール)”が実際に俺と刃を交えたのだから、言う必要はあるまいだろう?」

プリネの言葉に静かな笑みを浮かべて指摘したレーヴェはアリサ達に問いかけた。

「まあ、”二つ名”通りの戦闘スタイルだったもんね。」

「”剣帝”……か。」

「手加減した状態で教官やクレア大尉の加勢もあったエリオットさん達に余裕で勝利したとの事ですから、相当な剣の使い手なのでしょうね……」

「そこに補足させて頂きますが……レーヴェ様の戦闘能力は”執行者”や”蛇の使徒”の中でも極めて秀でており、”結社”の使い手の中でもレーヴェ様の戦闘能力は間違いなく5本の指に入りますわ。」

レーヴェの言葉に対してフィーとガイウスは静かな表情で呟き、エマは不安そうな表情でレーヴェを見つめ、シャロンは静かな表情で説明した。

「け、結社の使い手の中でも5本の指に入るって事は実質”結社”の使い手の中でもトップクラスって事じゃないですか!」

「僕達、そんな人と戦ってよく無事でいられたよね……」

「……ま、”剣帝”自身全然”本気”を出していなかったから、あの程度ですんだんだと思うよ。」

シャロンの説明を聞いたマキアスは信じられない表情をし、表情を引き攣らせているエリオットの言葉を聞いたフィーは静かな表情で推測を口にした。

「その……レオンハルト大佐は結社の使い手の中でも相当な使い手との事ですけど、同じ結社の”執行者”のシャロンさんでもレオンハルト大佐には敵わないのですか?」

「ふふっ、私如きの腕前ではレーヴェ様には遠く及びませんわ。あらゆる罠を予め仕掛け、更に私にとって有利な地形で戦ったとしても勝率は1割に届くかどうかかと思われますわ。―――少なくても正面からの戦いになった場合私の勝率は”ゼロ”ですわ。」

「ええっ!?」

「同じ”執行者”のシャロンさんがそこまでして、勝率は1割に届くかどうかで、正面から戦えば確実にシャロンさんが敗北するのですか……」

「よくそんな化物相手にヨシュアは一人で勝てたな……確か2年前の”リベールの異変”での浮遊都市での戦いの時に、ヨシュアが一人で”剣帝”に挑んで勝利したんですよね?」

「ああ。まあ彼自身、ヨシュア君との一騎打ちの前に私達との戦闘の影響で機動力が若干低下していた事もあったが、何よりもヨシュア君自身が成長していたからこそ勝てたんだよ。」

「という事はそのような凄まじい使い手相手ともお兄様は刃を交えたのですか……」

トワの質問に苦笑しながら答えたシャロンの答えを聞いたアリサは驚き、エマは信じられない表情をし、疲れた表情で呟いたトヴァルに視線を向けられて答えたオリヴァルト皇子の答えを聞いたアルフィン皇女は驚きの表情をした。

 

「うふふ、”剣帝”の二つ名は伊達じゃないって事よ♪―――アルティナはさっき説明したから、後残っているのはレンとエヴリーヌお姉様だけだから、先にエヴリーヌお姉様が答えてあげて♪」

「ん。エヴリーヌは敵を殺す時は矢で身体中のあらゆる所を全部潰して殺すか魔術で凍え死なせるか串刺しにするか、真っ黒焦げにするか闇で覆わせるかのどれかだよ♪」

レンに説明を促されて凶悪な笑みを浮かべて答えたエヴリーヌの物騒な答えにその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「その答えだと、具体的な戦闘スタイルがわからないのですが。」

「エヴリーヌお姉様……他に言い方はないのですか……?」

「えっと……エヴリーヌさんの得物は弓ですけどアリサさんが使っているような導力式の弓じゃなくて旧式の弓で、扱える魔術は簡単に言えば闇や雷、そして氷や吹雪を発生させる魔術なんです。」

「なるほどね………”身体中のあらゆる所を全部潰して殺す”は弓矢で全身の到るところを狙って殺す事で、”凍え死なせるか串刺しにするか”は魔術で吹雪や氷―――いえ、氷柱を発生させる事で、”真っ黒焦げ”は雷を発生させる魔術、”闇で覆わせる”はその言葉通り闇を発生させる魔術って事ね。」

「弓と魔術を扱うから、まさに異名通り”魔弓将”だね〜。」

我に返ったアルティナはジト目で指摘し、プリネは呆れた表情で問いかけ、苦笑しながら答えたツーヤの答えを聞いてある事を察したセリーヌは目を細めてエヴリーヌを見つめ、ミリアムは静かな表情で呟いた。

 

「クスクス、それともう一つ。エヴリーヌお姉様は”大魔術”も扱えて、その”大魔術”の内の一つで重力を発生させてどんな存在もペシャンコにするのよ?」

「じゅ、”重力”を発生させる魔術まで異世界に存在していて、その魔術をエヴリーヌさんが扱えるなんて……!」

「ひ、非常識な……」

「”重力”を発生させるという事はアーツの”ダークマター”の上位互換版のようなものなのかな……?」

レンの説明を聞いたエマは信じられない表情をし、マキアスは疲れた表情で呟き、ジョルジュは不安そうな表情で考え込んでいた。

「さてと。最後はレンね。レンの戦闘スタイルは魔法戦士で、扱える魔術の属性は”全属性”よ。」

「ええっ!?ぜ、”全属性”という事は火・水・風・地の下位属性に加えて時・幻・空の上位三属性の魔術もレン皇女殿下は扱えるのですか!?」

レンの答えを聞いて驚いたエマは信じられない表情でレンに訊ねた。

「ええ♪ちなみにレンの戦術オーブメントの個体属性は”無属性”で、ライン構成は”全連結”よ♪」

「し、信じられない……!”無属性”である事自体がとても珍しいのに、そこに加えてライン構成が”全連結”なんて……!」

「個体属性が”無属性”かつライン構成が”全連結”という事はクオーツによるアーツの組み合わせはまさに自由自在なんだろうね……」

「……ちなみにレン皇女殿下の武装はどのような得物なのでしょうか?レン皇女殿下は”魔法戦士”との事ですが、レン皇女殿下の体格を考えると、剣や槍のような通常の武装は厳しいでしょうから恐らく短剣のような小型の武装かと思われるのですが……」

レンの説明を聞いたアリサは信じられない表情をし、ジョルジュは驚きの表情でレンを見つめ、ラウラは真剣な表情でレンに訊ねた。

 

「アハハ……まあ、レンちゃんの体格を考えたら普通はそう思うよね?」

「ハハ、レン君の武装はレン君の見た目とはとても想像できない武装なんだよね。」

「うふふ………―――レンの得物はこれよ。」

ラウラの推測を聞いたアネラスとオリヴァルト皇子がそれぞれ苦笑しながら答えるとレンは自身の得物である大鎌を取り出して何回か軽く振るって構えた。

「な、何、あの武器……!?」

「先程サフィナ元帥閣下が見せた得物に似ているようだが……」

「戦闘用に改造された鎌―――”大鎌”ですわね。」

「あの体格で体格以上にあるあの大鎌を軽々と振り回すとは……よほど鍛えているのだな。」

レンが見せた得物を見たアリサは驚き、考え込んでいるユーシスにシャロンが答えを口にし、ガイウスは目を丸くした。

「うふふ、レンがこの得物を使っているせいなのか、レンと敵対した人達はレンの事を”死神”って言う事があるのよ。酷いでしょう?”天使”の異名がつく程可愛いレンに向かって”死神”だなんて。」

「むしろピッタリの呼び名じゃねぇか……」

「同感。しかも性格も考えるとむしろ”死神”以上の存在だと思う。」

「というか前々から疑問に感じたけど自分の事を”天才”とか”美少女”とか、よくそこまで自画自賛できるわね……」

レンの問いかけにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中トヴァルとフィー、サラはそれぞれ呆れた表情で指摘した。

 

 

-2ページ-

 

 

最近このルートのタイトルを変えるべきかと悩んでいます。まだ私は終章どころか2章の序盤の要塞クリアしたところですが、閃Vのエンディング、既にクリア済みの人達の話だと昔のエウシュリー作品(具体的にはVERITA以前。)に迫る程のカオスらしいとの事ですし(ガタガタブルブル)そんなのと比べたら、カオスルートを名乗るなんて色々間違っている気がしてきました(冷や汗)無難に『光と闇の軌跡 閃U篇』に変更すべきですかね?

説明
第65話
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コメント
感想の欄がほとんと閃Vのラストがヤバすぎるという内容ww二人の白皇みたいに閃Wで最高のエンディングを用意してくれるのだったら、プレイヤーの私達も文句はないと思いますけど、どうなるでしょうねぇ……(sorano)
もうファルコム信者しか次回作に手を出さないと思う。てかファルコムはリィンが嫌いだろ。(d-sword)
2周目もできないことはないですが、正直ラストのあたりはスキップしないときつい。スキップ機能があって助かったです。(匿名希望)
閃Vやっとこさクリアしましたが・・・・皆様の仰る様に「キツイ」ですね(^^;; まさしく『公式がカオスルート』状態でしたから(^^;;  どうやって風呂敷たたむのでしょうかね? 一応次回で閃シリーズは完結するらしいのですが・・・ また3年待たされるのかな〜?(Pura Tina)
一例ですが、【灰の軌跡】とかですかね(完全ROM専)
タイトルに関してですが、光と闇の軌跡とも違う話になっている(ベルフェゴール達との契約が追加されている)ため、タイトル変更の場合、光と闇の軌跡(閃U篇)は違うと思います(完全ROM専)
ホントに(;゜0゜)ですよ。もうここはカオスルートとは思えませんもん。(ジン)
メンフィル勢は規格外ばかりが目立つw 少なくとも自分は閃Vを進んで二周目する勇気はないですね、まじでエウはPCゲーだからスキップ機能があって良かったと思います(本郷 刃)
閃V持っていないので、動画で見ただけですが、持っていた場合、ストーリーのスキップ機能でもない限り、二週目は精神的に無理だと思いました。それくらい暗い話になりました(完全ROM専)
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