幼馴染の亮平くん |
私は麻菜。
平塚麻菜。
どこにでもいるような女子高生。
今は登校中で、幼馴染を待っている。
いつもの曲がり道の電柱で待っているところ。
しばらくするとその待っている幼馴染がやってきた。
「麻菜ちゃあああああん!!!」
がすっ
勢いつけて走ってくるその幼馴染を蹴り飛ばした。
「痛いよ麻菜ちゃん」
「朝から抱きつこうとしないで」
こいつがその幼馴染。
神谷亮平という男である。
とりあえず私に対するスキンシップが激しい。
「えへへー、今日寝坊しちゃったから俺、弁当ないんだー」
「…そう、ほら遅刻するよ亮平」
「うん!」
私がそういうと、亮平は蹴り飛ばされた顔面を摩りながらついてきた。
「おはよう麻菜ー」
「おはよー」
教室に入ると、ほとんどの生徒は既に教室にいた。
…亮平がいつも遅れてくるから、私たちは教室に一番乗りした事がない。
ちょっと損した気分。
「もうチャイム鳴るよ。ギリギリだったねー」
「うん、亮平がいっつも遅れてくるんだもん」
「あっはは!麻菜のペットくんかぁー」
「……はぁ」
亮平は私のペットと呼ばれている。
まぁ小動物っぽい所があるからあながち間違えではないのだが。
ていうか、周りからそんな風に思われて私も少し嬉しくはない。
「ちゃんとしつけてあげないとだよー、麻菜」
「しつけって…まぁ、うん……」
私はもう一度溜息をついた。
自分よりももっと前にある机で早速寝てる亮平を見ながら。
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