ポケモンDPt 時空神風伝 36
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キッサキジムのスズナ

 

キッサキシティに到着したクウヤとスモモはまず、ポケモンを休ませるためにポケモンセンターに向かった。

 

「あら、スモモじゃない!」

「あ、スズナさん!」

「え?」

 

そこで、ポケモン達の回復が終わるまでの間休憩をとっていた二人に、三つ編みと学生服が特徴的な女の子が声をかけてきた。

どうやら、スモモの知り合いのようだ」

 

「クウヤさん、彼女がキッサキジムのジムリーダーの、スズナさんですよ」

「この人が・・・」

 

そこでスズナは、スモモが別の男の子と一緒にいることに気づき、曰くありげに笑いながらこっそりスモモに聞く。

 

「今日はボーイフレンドと一緒なの?」

「えっ!」

「ん?」

 

スズナの爆弾発言にスモモは顔を真っ赤にして慌てだし、クウヤはふつうの顔で首を傾げた。

 

「あ、か、彼とはそういう関係じゃないです!」

「ふぅん?」

「か、彼はクウヤさんといって、今シンオウ全体のジムを制覇するために旅をしているポケモントレーナーですよ!」

「そっかぁ、ジムを制覇するため・・・!」

 

そこでスズナは気づいた。

クウヤは、自分のジムに挑戦するためにこの町にきたのだと。

 

「じゃあ、わたしのジムにも挑戦しにきたのね!」

「ああ!」

「早速ジム戦やる?」

「やるやるーっ!」

 

クウヤの元気のいい返事を聞いたスズナは、彼の顔を見てにこっと笑った。

 

「元気がよくて気合いも十分ね、あなたのこと気に入ったわ!

ジム戦をやってあげるから、ついてきなさい!」

「おう!」

 

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スズナとジム戦をすることになったクウヤは、キッサキジムに移動した。

そこには、ジム戦を見てみたいというスモモも同行しており、今は見学席についてバトルフィールドをみる。

 

「使用ポケモンは3体、一体ずつで交代はなし、一度使ったポケモンは勝とうが負けようがもう使えない!

これがここのルールよ、いいわね!」

「おう!」

 

キッサキジムのバトルフィールドはこおりタイプを得意としているだけあって氷が張られており、トレーナーポジションに立ったクウヤ達にもバトルフィールドの冷気が伝わってくるほどだ。

この冷気に対抗できてないと、ジム戦には集中できず一方的にジムリーダーのペースに飲まれて負けてしまうのだろう。

 

「試合、開始!」

 

審判の合図とともに、二人は最初のボールを手に取った。

 

「一番手はあなたよ、ニューラ!」

「いけ、ヒーコ!」

 

スズナはニューラを、クウヤはヒーコを出した。

相性でいえばヒーコの方が圧倒的に有利だが、油断は大敵だ。

 

「先手必勝、ヒーコ、マッハパンチ!」

「こおりのつぶて!」

 

こおりのつぶてをマッハパンチは相殺していくが、それが相手に攻撃を回避するチャンスを与えてしまい、マッハパンチは空振りに終わった。

 

「ヒーコ、かえんぐるま!」

 

すぐにクウヤは別の技に切り替えてヒーコにニューラを攻撃させる。

 

「ニューラ、みがわり!」

「あっ!」

「さらにつばめがえし!」

 

だがニューラはみがわりを使ってヒーコのかえんぐるまを防いだ。

みがわりはかえんぐるまの前に消滅してしまったが、つばめがえしをヒットさせるには十分だった。

ヒーコにとって効果抜群であるひこう技のつばめがえしをヒットさせたニューラはさらにおいうちでつじぎりを当て、そしてれいとうパンチもあててくる。

予想していなかった素早い連続攻撃に、クウヤは驚くがひるむことなく指示を出し続けた。

 

「マッハパンチ!」

「つばめがえしでむかえうつのよ!」

 

ヒーコのマッハパンチにつばめがえしで抵抗しようと、そのスピードとするどい爪で攻撃を繰り出すニューラ。

 

「いまだ、かえんほうしゃ!」

「はっ!」

 

だがニューラがヒーコに接近した瞬間、クウヤはヒーコにかえんほうしゃを指示しニューラを攻撃、炎による大ダメージを与えた。

 

「とどめだ、いわくだき!」

 

至近距離のかえんほうしゃを受けてひるんだニューラに、ヒーコはいわくだきの一撃を与え、そのまま戦闘不能にした。

 

「ニューラ戦闘不能、ゴウカザルの勝ち!」

「うし、いいぞヒーコ!」

「ゴォウ!」

 

最初の勝負は、クウヤに軍配が下った。

 

「クウヤさん・・・すごい・・・あの時より強くなってる・・・!」

 

この試合を見ていたスモモは、そう言葉を漏らした。

否、漏らすしかできなかった。

 

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「成る程・・・だてにここまできてないわね」

 

ニューラを戻したスズナは、クウヤを見てにっと笑った。

 

「だけど勝負は終わってない、最後まで気を抜いちゃだめよ!」

「ああ、わかってるぜ!」

 

クウヤはヒーコを戻すとスズナに向き直る。

そのバトルフィールドは氷でできているというのを忘れてしまいそうなくらい、二人はバトルに対する熱気でヒートアップしていた。

 

「さぁ次はこの子よ、ユキメノコ!」

「リーン!」

 

スズナが次に出したのは氷とゴーストを併せ持つユキメノコ。

クウヤが次に出したのはノーマルとエスパーを併せ持つリーン。

 

「こごえるかぜよ!」

「ひかりのカベだ!」

 

まずはユキメノコのこごえるかぜを、リーンはひかりのカベで防御し、10まんボルトで攻撃にでる。

ユキメノコはそれをうけたが耐え、反撃でこおりのつぶてを使いリーンを攻撃する。

 

「こごえるかぜ!」

「かわしてシャドーボール!」

 

そのシャドーボールはユキメノコにヒットし、効果抜群の大ダメージを与えることに成功した。

 

「もう一度、シャドーボール!」

「こっちも、シャドーボールで相殺!」

 

同じ技で攻撃し、さらにダメージを増やそうとしたが、スズナは同じ技を指示してそれを打ち消してきた。

直後にリーンはサイケこうせんを発射してユキメノコを攻撃したが、そのサイケこうせんもまた、シャドーボールで相殺された。

 

「あられからのふぶきよ!」

「もう一発シャドーボールをうつんだ!」

 

そのバトルフィールドにあられを降り注がせたユキメノコはそのままふぶき攻撃を放ちリーンを狙う。

シャドーボールで一度は相殺に成功したが、それはふぶきを止めるだけでユキメノコにダメージを与えることはかなわず、再びとんできたふぶきによってリーンは凍り付いてしまった。

 

「リーン!」

「ひかりのカベは攻撃を軽減させてくれるけど、こういうのは防げないのよ!」

「くっ・・・」

「ユキメノコ、こおりのつぶて!」

 

ユキメノコがとどめといわんばかりにこおりのつぶてを放ち、凍りついたリーンに容赦なく攻撃した。

その攻撃の後、戦闘不能となったリーンが氷の中から出てきて、そのまま倒れた。

 

「リーン・・・ッ」

「キリンリキ戦闘不能、ユキメノコの勝ち!」

「ふふ、やったわねユキメノコ!」

 

2戦目は、スズナの勝ちだ。

 

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「さぁこれで、あなたがジムバッジを手に入れられるかどうかが決まるわよ!

でも、わたしも勝つ気でいるから忘れないでね!」

「おう!」

「いけ、ユキノオー!」

 

スズナが最後に出したのは、草と氷を併せ持つ、白い巨体が目立つ樹氷ポケモン・ユキノオー。

その巨体から繰り出される低い鳴き声は、氷のバトルフィールドを震わせた。

 

「ユキノオー・・・か、ならおれはこいつでいくぜ!

いけ、ズーバ!」

 

クウヤが最後の一匹に選んだのは、ズーバだった。

 

「クロバットかぁ・・・要注意ね」

 

ユキノオーは草と氷、クロバットは毒と飛行。

相性で攻めれば、どちらにとっても有利。

だからここで互いにとって最も大きな弱点は、相性ではなく、油断。

 

「ユキノオー、こおりのつぶて!」

「はがねのつばさでうちおとせ!」

 

先手必勝、といわんばかりにスズナはこおりのつぶてを指示してきたがクウヤはあわてずはがねのつばさを指示し、それを防ぐ。

こおりのつぶてをすべて打ち落としたズーバはそのままはがねのつばさでユキノオーに接近し攻撃したが、そのときユキノオーは再びこおりのつぶてを放ちズーバを攻撃した。

 

「やどりぎのタネ!」

 

さらにスズナはやどりぎのタネを指示して、ズーバからじわじわ体力を奪っていく策にでる。

それを受けたズーバは全身に蔦が絡まり、体力を奪われていった。

 

「ズーバ!」

「ユキノオー、こごえるかぜよ!」

 

ユキノオーは容赦なく氷技で追撃を与え、ズーバの体力を奪っていく。

攻撃にでようとしても宿り木に体力を奪われ、さらに蔦に身動きを封じられ、こごえるかぜによって素早さも減っていく。

 

「一方的にやられてます・・・!」

 

氷技の連続攻撃でズーバは体力を奪われていく。

クウヤは打開策を練っていくと、一か八かの策にでようと、ズーバとアイコンタクトをとった。

 

「ズーバ」

「クロバッ」

 

クウヤとズーバは目を合わせてうなずきあう。

 

「こおりのつぶて!」

「それを受けろ、ズーバ!」

「えぇ、なんで・・・!」

 

クウヤとズーバがとった行動に、スモモは驚く。

クウヤの指示通りに動いたズーバはこおりのつぶてを受けたが、それにより蔦は凍り付いた。

 

「ズーバ、今だ、はがねのつばさ!」

「はっ!?」

 

ズーバははがねのつばさを大きく羽ばたかせ、やどりぎのたねによる蔦を一気に打ち砕く。

氷によって固まってたそれは、鋼鉄の翼によってあっさり粉々になった。

 

「こおりのつぶてで蔦を・・・!」

「エアスラッシュ!」

 

解放されてすぐにエアスラッシュを放ち、ユキノオーを攻撃しひるませる。

その隙にズーバは一気にユキノオーに接近した。

 

「そこだ、きゅうけつ!」

 

ズーバはユキノオーに対しきゅうけつの技を使い、ユキノオーから一気に体力を奪う。

 

「ユキノオー、こごえるかぜ!」

「エアスラッシュ!」

 

こごえるかぜをエアスラッシュで打ち砕き、さらにはがねのつばさでユキノオーを攻撃するズーバ。

 

「翼が自由になったズーバには、怖いものなんかないぜ!」

「ユキノオー、こおりのつぶて!」

「高く飛んでかわせ!」

 

ズーバはこおりのつぶてを高く飛び上がって、天井まで引きつけてそれを打ち消すことでそれを回避した。

さらにズーバはそのまま、落下速度を利用してユキノオーに急接近する。

 

「ユキノオーッ!」

「いけ、クロスポイズン!」

 

クロスポイズンが、ズーバの翼から放たれる。

防御に失敗しその一撃を受けたユキノオーは、そのまま倒れる。

そのユキノオーをみた審判は、判定を下した。

 

「ユキノオー戦闘不能、クロバットの勝ち!

よって勝者は、チャレンジャー・クウヤ!」

「よし、いいぞズーバ!」

 

キッサキジムに勝ったことにクウヤは喜び、ズーバを抱きしめる。

ズーバも勝負に勝ったことがうれしいのか、笑っていた。

 

「すごい、クウヤさん・・・スズナさんに勝っちゃいました・・・!」

 

この試合を観客席から見ていたスモモは、そう言った。

 

「お疲れさまユキノオー、気合い十分のいい勝負だったわ。

今はゆっくりやすんでね」

 

スズナはユキノオーにいたわりの言葉をかけボールに戻すと、クウヤに歩み寄った。

 

「あなたとポケモンの気合いが伝わってくる、いいバトルだったわ!」

「スズナさん」

「さ、これがグレイシャバッジよ、受け取ってくれる?」

「もちろん、ありがと、スズナさん!」

 

クウヤはスズナから、グレイシャバッジを受け取った。

これで彼のジムバッジは7個集まり、残るはあと1個となった。

説明
この長編は今年中に完結させたい。
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ポケモン ポケットモンスター オリトレ オリキャラ DPt 長編小説 

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