恋姫無双 擬人劉璋伝 「市」
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≪今回の登場人物≫

 

 

劉璋(一刀)………劉焉の養子となり 劉姓に加え 璋の名を貰った

厳顔(桔梗)

魏延(焔耶)

張任 ………………劉璋配下の武官

馬相 ………………元 益州黄巾党の頭目

 

 

 

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益州で最大の都市・成都

その郊外には 万を超える人々がひしめきあっていた

 

 

兵士 「…………なんでこんなヤツ等のために飯を用意しなきゃならねぇんだよ」

 

 

一人の兵士が愚痴をこぼしている

彼の家族は山賊に襲われた際に みな殺されてしまっていた

彼の黄巾党などのどの賊徒に対する怒りは強い

同僚達もそれを知っていただけに 命令に反しているにもかかわらず誰も止めることがなかった

 

 

兵士 「オラッ オレの目線に入るんじゃねぇ!」

 

 

馬相たちが集められ 武装を解除したうえで座らされている郊外の野営地

足蹴にされた黄巾の者たちが その兵士を睨みつける

その目線が気に障ったのか その暴力はさらにエスカレートして

蹴りに晒されている者は血だらけになり その意識を手放そうとしていた

 

 

周囲に殺気が満ち溢れ始める

重く冷えた空気が 他の兵士達に氷を飲ませたような錯覚をおこす

もともと官吏の暴政に反発し 命を捨てて戦った住民たちがほとんどだ

お互いが共に犠牲者であるにもかかわらず その行き違いが最悪の事態を巻き起こそうとしていた

さすがにまずいと思ったか 同僚のものが止めさせようと踏み出した……その時

 

 

暴力を振るっていた兵士の首が 飛んだ

 

 

兵士 「あ……」

黄巾 「あ……」

 

 

その血しぶきは高く飛んだ

鮮烈な赤を周囲に撒き散らしながら 首を失った身体が背後に倒れた

 

 

?? 「お前達 何をやっている?」

兵士 「ちょ 張任様……」

 

 

抜き打ちで一閃 ……兵士の首を切り飛ばしたのは"盲目の将"張任だった

 

 

 

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やはり もと黄巾党とあっては 安々と受け入れられぬか……

少々厳しすぎるかとは思ったものの 私はこの目立っていた兵士を切り捨てることにした

 

 

皆への見せしめとするために

 

 

周囲の兵士達が

その場に集められていた元黄巾の者達が

皆 一斉に私の方を仰ぎ見る

 

 

……目は見えずとも 目線は感じるのだな

元よりわかっていることではあったが 改めて確信せざるを得なかった

驚愕 怯え ……揺らぎを交えた負の視線

 

 

兵士 「ちょ 張任様……」

 

 

みなまで口にしてないものの 近くにいた兵士が私の行動を咎めている

それはそうだろう

確かに目にあまる行為ではあったが 殺すほどのことはしていない

だけど私には こうせねばならない理由があったのだ

 

 

張任 「先日において 劉璋様が布告なさった軍の法規を忘れたか!?」

 

 

そう 黄巾を平定し その人員を軍に組み込むに当たって

劉璋様が新たな軍令を いくつかお定めになられた

その中において

『捕虜や下った将兵 及び 邑民に対し 暴行を働く者には厳罰を持って対処する』

……という一文が追加されている

 

 

これまでの統治・統制というものは

儒学の観念のもとに 寛によって治める というものだった

 

 

多少なりと悪いことをしようとも

その者の持つ 影響力や権限を考え

罰に処するのではなく 注意・勧告を持って穏やかに事を治めていこう というものだ

こういった流れは 下々にも影響を与え 売官や権力者の横暴の基にもなった

 

 

劉璋様は こういった事例に対し厳罰を以て(時には死を以て)これを裁くことを明言された

それが世に対し どのような影響を与えるのか ……私にはわからない

 

 

だが信頼を以て兵卒たちを任された以上 私が法規に背くわけにはいかないだろう

そこで あえて見せしめを用いることによって

従来の兵卒 及び これより従える元黄巾の兵士達に その心胆から知らしめることにしたのだ

 

 

張任 「元黄巾と言えど 今では共に戦い 互いの背を預ける勇士である!」

張任 「これに差別をもってあたるは 軍規に背く行為だ!」

張任 「よって死を以てこれを裁いた! 以後 規律には背くことなきよう! …………わかったのか!?」

兵士 「は ……はっ!」

張任 「お前達もだ! わかったのであらば返事をせいっ!」

黄巾 「は はいっ!」

 

 

切った兵士には悪かったが これで ここに居る者共から話が広まっていくだろう

特に 元黄巾の兵士達は 悪政の犠牲者とはいえ 死刑囚も同然の身の上……

家族のため 自分のためにも 命がけで働くことになるだろうな

これで劉璋……いや劉焉様は 己の命にのみ付き従う 屈強な兵を手に入れたことになる

 

 

その後 劉焉様の命によって これらの兵が掲げる名が定められた

 『東州兵』

ここ西州において 東州の名を冠するとは……

 

 

煮え湯を飲まされた続けた劉焉様の 豪族達への怒りが 透けて見えたような気がいたします

 

 

 

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先日 張任が兵士を切り捨てたらしい

張任が手を下した次の日 改めて話しを聞いてみようと思ったオレは

張任を始め 桔梗や焔耶を交え ……酒を勧めながら話をしていた

 

 

?? 「主様も一杯いかがですか?」

 

 

張任に進められるままに杯をとる

張任はもの静かだ 常に場に和んでいるような表情をしている為か

オレも緊張することなく付き合える 張任といる時が最もリラックスしているかもしれない

 

 

ただし 正面に行かなければ……な

 

 

先日の一件でわかったことなんだけど 張任は下着という物を好まない

張任が着ている服は 日本の着物に似ていて

前面の開いているところを左右から巻き込み 帯でとめているんだけど

季節によって厚さが変わるものの いつも1枚物の着物を羽織っているだけらしい

 

 

つまり 前がはだけると全部見えてしまうわけで……

 

 

今 オレのまん前に座っている張任は よりにもよって胡坐をかいていて

しかも片膝を立てた状態で座っているもんだから

 

 

その ……なんだ ……奥が見えそうで 見えないというか……

ビバ! チラリズム イエーッ!

 

 

張任 「……主様」

一刀 「おぅっ! な なんでもない! なんでもないよ!?」

 

 

城中を杖を突きながら歩き回るから 城にいるものはみんな知っていることなんだけど

張任は 生まれつき目が見えない

だから覗き放題か? と言うと ……それは とんでもない間違いだ

目が見えない分 他の感覚が異常に鋭くて

 

 

張任 「ふふふ♪ 胸が高鳴っておられますぞ ……着物の中身が お気になられますか?」

一刀 「…………」

 

 

こういうことになる

 

 

案の定 張任はオレの心臓が吼える音を聞き取り オレが何を考えてたのかを悟ったみたいだ

…………というか わざとやってんのか?

裾の隙間から 見えそうで見えないギリギリのライン…………わかってるなぁ 張任

 

 

まぁ 現実逃避はこれくらいにしておくか

 

 

胸は普通くらいだけど 下着代わりにさらしを巻いて押し上げてるから

その胸元には 競り上がった双丘が見てとれる (こうしてると動きやすいんだってさ)

 

 

つまり なにが言いたいかというと 『もう辛抱たまらーん』 というやつで……

 

 

いや逃避はもういいんだってば ……しっかりしろ オレ

 

 

張任 「市(真名)をご所望ですか? お望みとあらば いつでも……」

一刀 「いや そういうのじゃなくてね?」

張任 「さようで御座いますか? 御用の際は 何時でもお呼びくださいませ」

 

 

二人きりだったら 我慢なんかしなかったかもしれない

けど 今は

 

 

焔耶 「破廉恥な ……張任にかかれば 隠し事などないも同然だ」

焔耶 「まぁ よもや地を介して聞かれているなどと…(ゴツッ)…ぐわっ!?」

 

 

電光石火 桔梗の拳が唸る

 

 

焔耶 「な 何をなさるのですか!? 桔梗様!」

桔梗 「たわけ! どこに間者がいるともしれぬのに 張任の能力を口にするやつがあるか!?」

 

 

 

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桔梗 「たわけ! どこに間者がいるとも知れぬのに 張任の能力を口にするやつがあるか!?」

 

 

そう 彼女の耳は凄い

地面に耳をつけて 馬の足音を聞いたりするのは オレも映画とかを見てて知っているけれど

 

 

地面につけた仕込み刀を通して 数メートル先の会話を聞き取るというのだから恐れ入る

壁に耳ありってのは張任のことだよな ( 水の幽波紋とかいう突っ込みは受け付けないぞ )

桔梗が秘密にしようとするのも わかる気がした

 

 

だって …………張任が居ると思ったら 内緒話なんてできないもんな

 

 

焔耶 「す すいません桔梗様」

桔梗 「まったく ……もう少し考えて物を言わんか」

 

 

桔梗に怒られて しゅんとなっている焔耶

本人は気がついていないだろうけど

眉尻の下がった今の表情は 誰にもまして美しく可愛らしい

 

 

普段の言動や勝気すぎる表情が どれほど魅力を損なっているか わかるというものだ

…………いや 勝気な表情も あれはあれで良いんだけどね

 

 

焔耶 「何を見ている? ……私が桔梗様に怒られる様が そんなに面白かったか!?」

 

 

うぉっ! えらく鋭いことを言う

実際には面白がってたわけじゃぁ ないんだけど

 

 

一刀 「いや……その…………弱気な表情も可愛いなぁ……と」

 

 

急に睨まれ 内心テンパってたオレは ついつい本音を漏らしてしまった

 

 

焔耶 「なっ! ……わ 私を馬鹿にしているのか!?」

焔耶 「か 可愛いなどと……軟弱な!」

 

 

頬を染める焔耶も可愛いな

オレが思いもよらず見とれていると 焔耶はぷいっと背を向けてしまった

……ああ もったいない

 

 

桔梗 「まぁまぁ お館様 ……焔耶が可愛らしいことはわかっておりますゆえ 本題の方に入りましょう」

焔耶 「なっ! 桔梗様までっ!」

 

 

オレは心からの同意を頷きに変え 張任の方に向き直って話を聞いた

 

 

一刀 「法規を浸透させるためってのはわかったんだけど」

一刀 「殺すことはなかったんじゃないかな?」

 

 

そう問いただすと 張任が口を開く前に 横から声が飛んできた

 

 

焔耶 「なにを甘いことを言ってるんだ? 軍記を定めたのは 他ならぬお前じゃないか」

桔梗 「さよう やるからには徹底的にやるべきですぞ? お館様」

 

 

桔梗も焔耶も 張任の行動が正しいとおもっているみたいだ

……うん オレもそう思うんだけど

それでも人死にの出ない方法はなかったんだろうか ……そう考えられずにはいられなかったんだ

 

 

張任 「主様のお優しい心根は この張任 しかと理解しているつもりです」

張任 「されど私には 他に良い方法が思いつけませんでした」

張任 「お咎めとあらば いかようにも服する所存でございます」

 

 

張任が居住まいを正して頭をたれる

 

 

一刀「あ 謝らないでくれ張任 ……頭を上げてよ もともと罰するつもりなんてないんだからさ」

 

 

そう これはオレのわがままだ

矛盾しているのもわかっている

ただ それでも  …………血が流れない方法はないのかと 思わずにはいられないんだ

 

 

そんなオレの気持ちを察してくれているのか

紫苑も桔梗も 黙って酌をしてくれた

 

 

そして そのまま深夜まで

たわいのない話をしながら酒を飲み続けた …………んだけど

 

 

オレ……紛れもなく未成年だよな

いや こっちの世界では15くらいで元服(?)というか 大人扱いされるので何も悪くはないんだけど

 

 

…………翌日は 二日酔いで起き上がれなかった

 

 

一刀 「……あいつ等の腹の中はどうなっているんだろうな……?」

 

 

ガンガンと頭痛が響き ぐにゃりと回る天上を見上げながら

オレは自分の弱さにがっくりとした Orz

 

 

 

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( ゚Д゚)…………

 

( ゚ Д゚) 予告と内容が違うじゃねぇか

 

 

すいません あまりに手が進まないので できてるヤツから載せちまいますた Orz

 

 

えー オリキャラで使う予定の『張任』と

劉焉が自分の勢力を伸ばす際 兵力の基盤となった『東州兵』誕生のお話しです

従っても死 背いても死という 大変な状況になった彼等ですが

これからも一刀の為に頑張ってもらおうと思います

 

 

同じことを曹操もしていて 向こうは『青洲兵』と言うんですね

東州とは 東側沿岸部の青洲や徐州のことを指しているので

同じ名前の軍隊とも言えるかもしれません

 

 

……で『張任』ですが

  姓は張 名は任 字はなし 真名を“市”とする(使うかどうかは不明です)

  一人称:私

  性 格:座頭市(北野武)  座頭市を恋姫に出してみたかった  当然 女体化

  武 器:仕込み刀

  外見は胸が控えめなギルティ梅軒 酒色も控えめ(呑もうと思えば呑める:桔梗仕込み)

  座頭市を作中に出してみたいってだけで 急遽利用された可哀そうな人でして

  当然ながら女体化され 和風の着物を装い 盲目で仕込み刀 を持っています

  中華で日本刀はどうかと思いもしたのですが 明命の例もありますので そのまま使用しています

 

  歩く際は足音をまったくたてないが 代わりにコツコツと鞘に収めた刀で地面を叩く音がする

  性格は北野映画の座頭市+史実『張任』の頑固な忠誠

  目に頼らず感覚で過ごすという性質から 一刀の暗殺防止要員として設定

  鋭敏な聴覚は遠くの音も聞き分け 地を介して会話を聞いたりもする

  また手先の感覚もするどく按摩が得意 桔梗は常連客でもある

 

  回避中心の戦い方をし 居合い切りも得意で目にも留まらぬ斬撃が飛ばしますが

  切ったり突いたりする場所が 口の周り 武器を持つ手 地に着いた足 などが多くなるため

  ガッシリと鎧で固めているような相手には弱いということにしています

  落鳳坡で?統をしとめるかどうかは……未定

  強さとしては 魏延に劣るものの穏よりは強い程度 つまり亞莎くらいに設定しています

  目が見えないので 将として軍の先頭に立つことは少なく 要人警護が主な仕事になります

 

 

 

さぁ〜て来週(?)のさz……お話しは

 

『俺様降臨?〜天を貫く声〜』

『どこに行ってもお勉強』

『献策するということ』………………の3本です (来週こそは きっと……

 

 

 

 

 

 

説明
予告と内容が違いますが……読んであげてくださいまし ^^;
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コメント
続きまだですか〜?(劉邦柾棟)
ぐはぁっ! (ザクッと胸に刺さった  =■●_ 〜□○0(リアルG)
続きを楽しみに待ってます(tokitoki)
必要になるでしょうね^^(リアルG)
ぜひ一刀に按摩をw(ブックマン)
そういう感じですね 視覚以外の気配をつかむ能力 に秀でています あと地獄耳w  とはいえ心眼とか 観想の法とか 度を超えた能力ではありません  城中や街中はともかく 野外を歩く時などは先導が必要になりますね(リアルG)
五感の1つを失うと他の感覚が優れるってやつですね。絶対聴覚って感じですか?(摩天楼銀河)
載せてみましたー(リアルG)
ヤベ! 登場人物がわからなくなってきた・・・巻頭に簡略な登場人物説明希望(thule)
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恋姫 一刀 桔梗 焔耶 張任 

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