なんちゃってカリスマ店長あやねんさんの日記ーはじまりー
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◯月△日

 

「ブティックを手伝って欲しい」

 

突然に舞い込んできた一通のメール。

 

送信者は叔父ーートモロウ。

 

数年前に会ったきりで、思い出すのに数秒を要した。

 

詳しく聞くと、最近ブティックを開店し軌道に乗ってきたようで人手が欲しいとの事だった。

 

丁度求職中であり、ファッション関係の仕事に興味があった。

 

遠い街だが、住み込みで良いとの事で断る理由は無かった。

 

数年振りに会った叔父は、記憶の中の叔父と変わってなく直ぐに分かった。

 

案内された自室に荷物を置き、着替える。

 

必要最低限の家具等は一通り用意してくれており、直ぐにでも生活出来そうだった。

 

店に降りると、叔父が待っていてくれた。

 

「早速だが、お前がこの店の店長な」

 

えっ?

ちょっといいですか?

 

「お前のトゥモローは明るい」

 

無理です!

お疲れ様でした。

 

「1人じゃ大変だろうから、アルバイトを付けよう」

 

早過ぎてついていけません。

 

ワタシが店長?

ちょっといいですか?

無理です!

 

「募集したら何人か来てくれてな。どの子がいい?」

 

混乱した頭のまま、叔父から渡された履歴書を受け取る。

 

「服にもテイストがある。ここはまだ始めたばかりで、何も決めてないからお前の好きな様にして構わんぞ。」

 

好きなテイスト…

ワタシの好きなのはゴシックとロリータ。

 

その路線で構わないならーーアシスタントがいれば、何とかなるかもしれない。

 

渡された履歴書をぱらっと見ると、1人の男の子が目に入った。

 

亜麻色の髪に優しい眼差し。

 

何となく惹かれた。

 

店の客層からして、スタッフは女性の方が良いのかもしれない。

 

しかしお洋服のコーディネートをする時に、デート用等のコーディネートを頼まれた時に男性目線の意見も欲しい。

 

それに彼なら、執事や王子様系のお洋服を着こなして素敵にお客様をエスコートしてくれる。

 

そんな根拠のない確信があった。

 

「決まったか?じゃ連絡するわ」

 

ワタシから受け取った履歴書を見て、電話する叔父をぼんやりみながら

 

《やるしかない!》

 

そう静かに決意した。

 

 

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カフェのテラス席で、アルバイト候補の男の子と面談した。

 

「初めてで不手際が多いと思うのだけど、よろしくお願いします」

 

一通り仕事内容を説明し、明日から来てくれる事になった。

 

「こちらこそ、店長の力になれる様に頑張ります」

 

亜麻色の髪の男の子ーーケン君は微笑む。

 

話をして分かったのは、ケン君は大学生で元々ショップ店員の経験があるらしい。

 

電車が苦手で、移動は自転車が基本ということもあり身体を鍛えているそうで、適度に筋肉が付いており均等の取れたすらっとしたスタイルでどんなお洋服も綺麗に着こなしてくれそうだ。

 

自転車も見せて貰ったが、疎いワタシでも分かるブランド物で綺麗に整備されていた。

 

それほど自転車が好きなのだろうし、丁寧な性格が見て取れた。

 

安心して仕事を任せられると思った。

 

「まだ始めた直後だし…ワタシ自身分からない事だらけだから、ゆっくりやって行きましょう。」

 

手元にあった書類を仕舞い、ケン君と雑談しゆったりとお茶を楽しんだ。

 

後日、店に飛び込んできたアイドルの卵やシンガーを目指すお嬢様やネットアイドルが来店し大忙しになる日常が始まる事を

 

今のワタシは知らずにいたーー

 

 

続く→

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
ガールズモードプレイ舞台裏。いきなりブティックの店長にされたあやねんさんの運命やいかに(笑)オシャレ楽しいです(〃ω〃)
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