マイ「艦これ」「みほ3ん」EX回:第37話(改2)<孤独な戦士> |
「部下のため最善を尽くす。それが理想だ」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第37話(改2)<孤独な戦士>
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機体は、ややうねりの残る海面に着水した。天候は徐々に回復傾向にあり空が明るくなってきた。私たちにとっては良いのか、それとも悪いのか。
美保の艦娘たちは海上の一箇所に、まとまって待機していた。その近くには武蔵様と島風がずっと控えてくれていた。
すぐに夕張さんがハッチを開けて艦娘たちを迎え入れる準備をする。
やがて比叡や日向、赤城さんと龍田さんが戻ってきた。多少ダメージは受けているが大破ではない。やはり武蔵様が加勢した効果は大きいな。
赤城さんが弱々しく敬礼をして報告する。
「司令……」
そう言いながら彼女の頬を涙が伝う。
「迎撃艦隊、小破2、中破2。全員、帰還いたしました……」
その先は声が小さくなって続かなかった。彼女は両手で顔を覆って泣き出した。肩を震わせる彼女に、私はただ「ご苦労」とだけ応えた。
だが急に日向がすごい剣幕でカットイン。
「司令は……馬鹿ですっ!」
「あ? 日向……」
怒ってるのか?
でも、そういう彼女もボロボロ涙を流している。比叡も鼻水垂らして号泣しているし。
龍田さんは泣いてはいないが、必死に堪えている感じだった。
私たちのやり取りを聞いていたのだろう。武蔵様が交信してきたらしい。私は夕張さんに促されインカムを装着した。波の音に混じって武蔵様の声が聞こえてきた。
『私だ、司令殿』
「今回は、本当に助かりました」
私は礼を言いながら窓の外に頭を下げる。
『フフフ……お前以上に私は馬鹿だぞ』
やはり聞いていたか。しかし武蔵様から意外に謙遜する、お言葉だな。
落ち着いた言葉で彼女は続けた。
『美保の司令殿……彼女たち艦娘の気持ちも案じてやれ。彼女らは本当に大海原で単身で闘っているのだ。その心細さは、いかばかりだろうか?』
それは正直、分からなかった。私は反省するように答えた。
「はい。肝に銘じます」
私の言葉で、なぜか武蔵様が微笑んだように感じられた。
『本来、艦娘如きが指揮官に上申すべき内容ではないのだが……だが私も今回、島風が居ただけで、どれだけ支えられたか?」
私はふと思った。
「その、島風はブルネイの命令で?」
すると武蔵様は笑ってから言った。
『立派な命令違反だが……』
その言葉に機内の艦娘たちがざわつく。
彼女は続ける。
『まぁ、違反と言っても待機命令も出ていない。それにブルネイでは、これも許されるだろう。あの提督は事情さえ話せば分かる男だ』
それは分かる気がした。
『艦娘とは、繊細な者たちなのだ』
窓の外を見ると島風がVサインをしていた。そうか、艦娘は闘いながら皆、心細かったか。
ふっと舞鶴での戦いを思い出した。彼女も新人を従えていたが、心の中は不安で一杯だったに違いない。
私は応えた。
「そうだな、私は馬鹿だろう」
ちょっと気まずい雰囲気になってきたので私は言い訳のように付け加えた。
「だが私は広瀬中佐を尊敬しているんだ。部下のため最善を尽くす。それが私の理想像だ」
その言葉に機内の艦娘たちも泣き出した。
私は続けた。
「まだ新人提督だ。あまり君たちの心情を汲み取ることが出来ない。まだまだ指揮官としては足りない」
「司令……」
そう言いつつ日向が私の手を握った。
一瞬、焦った私。
(ヤバイ?)
でも彼女は言った。
「司令……私も、広瀬中佐、勉強します」
(ああ、そっちか?)
「ひゅー」
誰かが口笛を吹く。見えると青葉さんだった。
「茶化すなよ」
私は照れ隠しのように言った。
他の艦娘たちも機内でそれぞれ抱き合っている。
「司令……」
私のところには赤城さんまで来て私と日向の手の上に彼女の手を添えた。
私は、彼女たちに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「提督!」
機長が叫んだ。
「急激に気圧が下がっています」
「なに?」
すると縛られている作戦参謀も呟いた。
「また……来るぞ」
「そうか、嵐がくるか」
機体も再び揺れ始めた。波が高くなってきたようだ。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中〜(^_^;)
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
説明 | ||
技術参謀に反抗してまで艦娘の収容を強行した司令だった。しかし日向は言った「司令は……」 | ||
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