こんとん物語
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こんとんは留守番をしていた。

 

家屋は、家具が無い。

 

おもちゃも無く、暇だったので字ばかり書くようになった。

 

 

 

六年後、家を出された。

こんとんは19歳になっていた。

探偵業のつてを頼って、探偵にする事に決めた。

 

「いらっしゃい。」

 

「調べておきますよ。」

 

「終わりました。」

 

の三言でつまらない依頼をこなした。

 

 

 

こんとん「いらっしゃい。」

 

またつまらない依頼が来た。

 

 

 

五年後、ネットで紹介される程度の探偵になっていたこんとんに大きな依頼が舞い込んで来た。

 

こ「いらっしゃい。」

 

ネットで連絡を受けたその依頼人は、地味な服装に、目立つ髪色をしていた。金髪の外国人のようだ。

 

”依頼人は私の前に座ると、地味な帽子を脱いで、その金髪を((露|あらわ))にした。”

 

文章を書く手を休めると、こんとんは依頼人に向き直った。

 

こ「どんな依頼でしょうか?」

 

?「探偵さん、お名前は?」

 

こ「変な名前ですが、((分百|ぶんひゃく))こんとんです。」

 

じっと、依頼人の方に視線を向けると、

 

?「ああ、依頼でしたね。」

 

こ「この依頼書を書いていただけると幸いです。」

 

こんとんが依頼書を手渡すと、金髪の女は依頼書を書き始める。せわしなく、時計を見ながら。

 

?「時間がおしているので、簡単に説明します。」

 

こ「・・・ほう、失踪ですか。」

 

知的なしゃべりをさり気無く混ぜる。

 

?「夫が失踪しました。探してくれると助かります。」

 

無機的にその女は説明する。

 

こ「・・・ちなみにお名前が書かれておりませんが?」

 

女は言い方が気に障ったようで

 

コンスタンス「コンスタンスです。読みづらければお好きに読んでください。」

 

とイラつきながら名乗る。

ちなみに、失踪したという女の夫の名前はシリルという。

 

こ「では、コン。依頼は受けますが、前金は不要です。失敗する公算の方が高いですから。」

 

女はしばらく黙ったまま、こんとんの目を見たが、黙って立ち上がってその事務所を後にした。

 

女が事務所を出た後、こんとんは再び依頼人のメールの内容に目を通したが、どう見ても別人のような文章で、依頼書と同じ内容が書かれていた。

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