【戦艦少女R】こんなに眠りが深いから |
こんなに眠りが深いから
「暁、次の海域攻略の会議のためにティルピッツを呼んできてくれないか?」
「ん、りょーかい。この暁様に任せてよね!」
「ああ、よろしく頼むよ」
提督から仕事を頼まれ、るんるん気分で暁は宿舎のティルピッツの部屋へと向かった。
今まであまり彼女と共に作戦行動を取ったことはないが、皆が憧れるドイツ戦艦を呼びに行くという仕事を頼まれたことが、なんだか誇らしい。
そう思いながら彼女の部屋に入った訳だが……。
「ティルピッツさん、提督が呼んでるよー!……って、寝てる!?」
「ぐぅ…………」
圧倒的な戦闘能力を持ちながらも、完全な夜型の引きこもり気質で知られているティルピッツは、例に漏れず、昼間は眠っているようだ。しかもきちんとベッドで横になるのではなく、ソファで。どうやらゲームをやりながら寝落ちしてしまっていたらしい。
「ティルピッツさーん!起きてよー!!」
大声を上げるが、まるで気にしていない。
「もうお昼も過ぎてるんだよ?いくら夜更かししてたからって、起きないとーっ!!」
肩を揺さぶっても反応はなし。すさまじい熟睡具合だ……ここまで来ると、単純に眠っているというより気絶しているように思える。
「はぁ、ここまで起きないなんて、どうしよ…………」
このまま執務室に戻って提督に「ティルピッツさんが起きなかったんだけど!」と報告しては、お使いひとつまともにできないと思われてしまう。それだと暁型の一番艦として、あんまりに格好がつかない。
仕方がなく、どうにか起こす方法がないかと、眠りこけるティルピッツをしばらく観察することにした。臭い物でも鼻に近づけてみようか?とも思ったりしたが、本人にバレたらさすがにそれはまずい気がする……。
「くぅっ…………」
そんな暁のことも知らず、ティルピッツはくぅくぅと眠っている。
暁はその顔を眺めていて……もしかすると初めて、彼女の顔をしっかりと見た気がする。
長い睫毛に、彫りの深い整った顔立ち……寝姿にも、自分とは違う大人の色気を感じる。その唇は、油断しきって軽く開いていて、艶のある唇があまりにも色っぽく見えてしまった。
「こんなに深く眠ってるんだから……簡単には起きないよね」
自分自身に言い聞かせるように言って、暁は……そっと、その魅力的な唇に自分のそれを重ねた。
「んっ、んぅっ…………」
ふわり、と柔らかさの中にも確かな弾力のある大人の唇が、自身の子どものそれに触れる。
時間にして、ほんの五秒も唇が接している時間はなかったように思う。それでも、その一瞬が永遠のように長い時間に感じられて……唇を離し、改めて彼女の顔を見た時。暁の頬はぼうっ、と火が点いたように赤く染まった。
「キス、しちゃった……。ティルピッツさんと、初めてのキス……しちゃったんだ……!!」
なんだか照れくさい以上に、すごく嬉しくて、興奮して、飛び上がりそうなほどだった。
自分の唇を。ついさっきまでティルピッツに触れていたそこを指で撫でる。なんだか、彼女の体温がまだ残っている気がして……興奮する。
「キスまでできちゃったんだから、ちょっとぐらい体に触っても、起きないよね?大丈夫だよね?」
(続く)
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