金色のガッシュベル!!SECONDLAP
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邂逅編

LEVEL1 2度目の王を決める戦い

 

 

 とある国の森の中、ここにガッシュは寝ていた。

ガッシュ「ヌゥ、ついつい寝てしまったのだ」

 起きて周りを見てみると、森の中であることに気付いた。

ガッシュ「ウヌ、どうして私はここにいるのだ?」

 周りを見ても、魔物も何もなく、持っているはずの王杖すらなかった。

ガッシュ「ヌオォォォォォォッ!!ヌォッホッホッホッ!!」

 泣き叫びながら慌てふためくガッシュの背中から本が落ちた。

ガッシュ「これは…あの時の魔本なのだ!とすればここは…」

 魔本を見て、落ち着き、これまでの経験から、ガッシュはイギリスの森にいるのではないかと推測した。

ガッシュ「また清麿に会えるのだ!とりあえず、まずは父上殿に会いに行くのだ」

 

大学

 ガッシュはかつてのパートナー、高嶺清麿の父親、高嶺清太郎に会いに行った。

清太郎「君は清麿を知っているのかい?」

ガッシュ「父上殿、私を忘れてしまったのか?ガッシュ・ベルなのだ!」

清太郎「ガッシュというんだね。どうして私の知っているのかは知らないが、私は君と会うのは初めてだ」

ガッシュ「そ、そんな…」

清太郎「だが、君の持っている本は私にも解読できなかったから非常に興味深い。ちょっと早いが、清麿への誕生日の祝いも兼ねて日本へ行き、腑抜けている清麿を鍛え直してくれないか?」

ガッシュ「ウヌ、任せるのだ」

 

上空

 清太郎から手紙を渡されたガッシュは初めて日本へ行く時に連れて行ってもらったオオワシに掴まって移動している間、考え事をしていた。

ガッシュ「(父上殿が私の事を会うのは初めてだと言っておった。とすると、私は意識か魂が過去の体へ行ってしまったのかのう…)」

 

 1週間後、ガッシュの兄、ゼオンがデュフォーと共にイギリスの森に来ていた。

ゼオン「ガッシュの魔力が急に消えやがった」

デュフォー「他の魔物に倒された可能性は?」

ゼオン「ない。そもそも、ガッシュの魔力以外感じなかった。デュフォー、お前の力ならガッシュの居場所がわかるんじゃないか?」

デュフォー「お前、頭悪いな。ゼオンの言うガッシュに会った事がない以上、どこにいるのかの特定はできん」

ゼオン「ちっ…」

デュフォー「機嫌を悪くしたのか?」

ゼオン「いや、気にするな。いなくなったのなら、探せばいい(だが、妙に魔力が高かったな。もしかすると既に…)」

 

高嶺家

 同じ頃、本来であれば清麿がガッシュと出会う日の1週間前の事だった。自分の部屋にこもっていた高嶺清麿は母親の華に起きるように急かされていた。

華「そろそろ起きなさい、清麿!早く起きてご飯を食べなさい!聞いてるの?清麿!あんた、今日も学校サボるつもり!?」

清麿「俺が今更、中学に行って何、勉強するんだよ」

華「そんな事言ってるからいじめに遭うんでしょ!?悔しかったら友達の1人でも作ってみなさいよ!」

清麿「やかましい!何で低レベルな連中と友達にならなきゃいけねえんだよ!」

???「こら〜〜っ、清麿〜〜!母上殿に向かってやかましいとは何事だ!」

 声がした方を清麿が向くと、そこにはオオワシとその足に掴まっている素っ裸のガッシュがいた。

清麿「な、何で俺の名前を知ってるんだよ!!(落ち着け…。ってか、目の前にオオワシと素っ裸のガキがいて落ち着けるわけねえだろ!)」

 その後、窓を突き破ってガッシュは降りてきた。

ガッシュ「久しぶりだのう、清麿!我が名はガッシュ・ベル。この手紙を預かってきたのだ」

 ガッシュから渡された手紙を清麿は受け取って読んだ。

清太郎『清麿、突然だが、この手紙を届けたこの子供はガッシュ・ベル。仕事中に私と会ったんだ。清麿の事を知っていたようだから、清麿を鍛え直すように頼んだ。少々変わったところもあるが、いい子だ。少し早いが、お前の誕生日プレゼントとして受け取ってほしい。それと、この子が持っている赤い本は考古学教授の私にも読む事ができなかった。お前の頭脳で解き明かしてくれないか。じゃあな』

ガッシュ「清麿、父上殿に頼まれた通り、今日から私が教育係として鍛え直すのだ」

清麿「何でお前のようなガキに鍛えられなきゃなんねえんだ、ふざけるな!!」

 ガッシュが服を着ている時に清麿は魔本を持って叫んだ。すると、ガッシュの口から凄まじい電撃が放たれ、清麿の家の窓を破壊した。電撃の巻き添えになった清麿は倒れていた。

ガッシュ「清麿、どうしたのだ?しっかりするのだ、清麿!」

 破壊された窓と、息をしておらず、心肺停止の状態になった清麿の様子を見て、ガッシュはある事に気付いた。

ガッシュ「まさか、王族の力が既に目覚めておるのか…?とすれば、初めて清麿に会った時とは威力が比べ物にならぬ。早く病院へ連れて行かねば、清麿の命が危ない!母上殿、直ちに救急車を!」

 

モチノキ町立総合病院

 ガッシュの電撃で意識不明の重体に陥った清麿はすぐに病院に搬送された。

華「それで、清麿の容態はどうなんですか?」

医者「深刻である事に変わりはありません。私達も最善を尽くします」

 その頃、ガッシュは外を歩いていた。

ガッシュ「まさか、清麿を死なせかけてしまうとは…。優しい王様を目指せるのであろうか…」

???「……ガッシュ?」

 声がした方をガッシュが向くと、そこにはピンク色の髪の少女がいた。

ガッシュ「ヌ?」

少女「あ…(同じクラスだから話しかけちゃった…敵なのに…)」

ガッシュ「コルル、コルルなのだな?」

コルル「こ、来ないで!私、まだパートナー、いないから…」

ガッシュ「ウヌ。戦うとは言ってないのだ」

コルル「そんなはずない!この戦いに味方はいないの…生き残った最後の1人が王様になるのだから…」

ガッシュ「それでも、私はコルルとは戦わないのだ」

コルル「え…本当に?」

ガッシュ「ウヌ。それに、私のパートナーは今は意識不明の重体なのだから戦いたくても戦えないから安心するのだ」

 同じクラスの友達、コルルとの再会を喜ぶガッシュを呼びに華が来た。

華「ガッシュちゃん、その子は?」

ガッシュ「コルルと言って私の友達なのだ」

華「かわいいお友達ね。家族はいるの?」

コルル「……」

華「もしかして、家族がいないの?だったら、引き取り先が見つかるまで家にいていいわよ」

コルル「本当?」

華「ええ。困った子供を見てると放っておけないもの」

ガッシュ「母上殿はとても優しいのう」

 

 ガッシュの電撃を受けた清麿は生死の境をさまよっていた。

清麿「はぁ…、俺って何のために生きてるんだろうな…。どうせ俺が生きてたってろくな事はねえ…」

???A「清麿、死んではならぬのだ!清麿!」

???B「高嶺君!お願い、死なないで!」

???C「清麿、あんたが死んだら悲しいのよ!」

 

 数日後、清麿の意識が目覚めた時には、既に夕方で病室に寝ていた。

ガッシュ「おお!清麿の意識が戻ったのだ!」

華「よかったわね。外傷も治ったから家に帰れるわよ」 

清麿「そうか…。って、何で女の子までいるんだよ!」

華「このコルルって子は家族がいないから、引き取り先が見つかるまで家に住ませる事にしたのよ。清麿もちゃんと優しくしてあげなさい」

清麿「わかったよ」

 

高嶺家

 家に帰った後、清麿は華とガッシュ、コルルと共に夕食をとっていた。

華「清麿。感電して死にかけたのはコンセントに手を突っ込んだからでしょ?電化製品の扱いには気を付けるのよ」

清麿「違う、ガッシュの口から電撃が」

華「ガッシュちゃんから電撃が出るわけないでしょ。とにかく、明日から学校へ行ってもらうからね」

 華の言葉に耳を貸さず、清麿は夕食を食べ終わった後、自分の部屋にこもった。

コルル「華さん、清麿お兄ちゃんはいつもこうなの?」

華「そうね…、中学に入ってからああなったの。ところで、コルルちゃんもお皿を洗うのを手伝う?」

コルル「うん」

華「ガッシュちゃんは清麿に明日は学校に行くように説得するのよ。何だったら、ガッシュちゃんとコルルちゃんが清麿の最初の友達になってあげて」

ガッシュ「任せるのだ、母上殿」

 ガッシュは清麿の部屋に来た。一方の清麿はガッシュの魔本とコルルが持っていた魔本を読んでいた。

清麿「(何なんだ、この赤い本とピンクの本は。見たこともない文字だし、一定の文法すら…)」

 すると、赤い魔本のある部分に清麿は気づいた。

清麿「(第一の術ザケル、色の違うこの1ページは理解できる…)」

 他にもページをめくって読める文字がないか探した。

清麿「(第二の術ザケルガ、第三の術テオザケル、第四の術…ん?この部分は読めない上に他の読めない文節とは色も違う。第五の術ジケルド、第六の術ガンレイズ・ザケル、今の所、読めるのは5つだけか…。ピンクの本は一切読めなかったがな…)」

ガッシュ「清麿、私の本を読んでおるようだな」

清麿「なぁ、ガッシュ。この本は一体何なんだ?」

ガッシュ「ウヌ、私が説明しよう」

 清麿に聞かれてガッシュは自身とコルルが魔物である事、魔界の王を決める戦いの事等を話した。しかし、あまりにも規格外な話を清麿が信じる筈もなかった。

清麿「冗談じゃない!そんな事は誰が信じるものか!もう寝る!」

ガッシュ「ヌオ〜〜〜ッ!!」

 結局、清麿は王を決める戦いの事を信じずに寝てしまった。しかし、ガッシュの言った事はやはり気にしていた。

清麿「(ガッシュの奴、魔界の王様になるっていうちゃんとした目標があるんだな。それなのに、自分の事を優先させずに俺を学校に行かせるとか…。あいつより俺の方がどうかしてるじゃねえか…。頭の良さにかまけて学校にも行かない…。俺も変わらなくちゃいけないけど…そのきっかけがないんだ…)」

 翌日、清麿は学校へ行く準備をしていた。

華「清麿、やっと学校へ行く決心をしたのね」

清麿「そうだが…、どうもいまいち勇気が出ない…。だからガッシュ、一緒に来てくれないか?」

ガッシュ「…ウヌ、私も一緒に行くのだ」

華「コルルちゃんは私の手伝いをしてね」

コルル「うん。清麿お兄ちゃん、ガッシュ、行ってらっしゃい」

清麿「ってお袋、そのバッグは何だ!?」

華「昨日、ガッシュちゃんに頼まれて作ったのよ。これなら、連れて行けるでしょ?」

 

モチノキ中学校

 ガッシュと一緒に清麿は学校へ登校し、授業を受けていた。

教師「高嶺」

清麿「…はい」

教師「この数式を解いてみろ」

清麿「a=4、b=8、c=0.3」

教師「…正解だ」

生徒A「ちっ、何だよあいつ…」

生徒B「また嫌味な事しやがって」

生徒C「勉強する必要ねーなら帰れよ」

清麿「(またか…、せっかく学校へ行こうと思ったのに、何で…)」

 そして、昼休みになり、清麿は屋上で寝っ転がっていた。そこへ、水野鈴芽が来た。

ガッシュ「おお、鈴芽ではないか!」

鈴芽「えっ、私を知ってるの?高嶺君、この子は誰?」

清麿「ガッシュって言って、昨日から俺の家に住んでるんだ。って、何してるんだよ、ガッシュ!静かにしろって言っただろ!」

ガッシュ「ヌオオオオッ!(しまった、懐かしさのあまり、ついやってしまったのだ…)」

 慌てた清麿は外へ行った。

清麿「ちゃんと静かにしとけよ…。もし、教師に見つかったらどうするんだ?」

ガッシュ「済まぬのだ…。それより、清麿、正義の味方作戦で友達を作るのだ」

清麿「正義の味方作戦?」

ガッシュ「不良を倒してからまれている者を助けるのだ。そうすれば、周りも清麿の事を見直してくれるはずなのだ」

清麿「勝手に決めるな!それに、不良にからまれている奴がそんなに都合よくいるわけ…」

ガッシュ「金山がおるではないか」

清麿「な、何で金山の事まで知ってるんだよ!」

ガッシュ「今はそんな事はどうでもよかろう。さぁ、正義の味方作戦をやるのだ」

 放課後、清麿はガッシュと共に屋上へ向かった。

ガッシュ「清麿、ちゃんと私が不良に絡まれたら助けに来るのだぞ」

清麿「わかった…」

ガッシュ「本当に来るのだな?」

清麿「(こんな目で見つめられたら厄介払いできないじゃねえか…。仕方ない…)本当だ」

 じっと見つめるガッシュの力強いまっすぐな眼差しに嘘をついて逃げようとした清麿は観念して一緒に屋上へ向かい、待機した。

ガッシュ「どこにいるのだ?金山!いたら私が懲らしめてくれようぞ!」

 しかし、金山の姿はなかった。

ガッシュ「まだ来ておらんのかのう…?」

鈴芽「あら、ガッシュ君じゃない」

ガッシュ「鈴芽ではないか。金山はどこにおるのだ?」

???「お探しに金山は俺の事かな?」

 声と共に金山が来た。

ガッシュ「金山、お前のような不良は正義の味方、清麿がやっつけてくれるぞ」

金山「どうして俺の名前を知ってるのかは知らねえが、本当に来るかどうか、見せてもらおうじゃねえかよ」

 金山はガッシュに襲い掛かったが、ガッシュは金山のパンチやキックを全て余裕でかわした。

鈴芽「凄い…」

金山「すばしっこいガキめ、腹が立つぜ!」

清麿「(俺…、必要だったのか…?やっぱりあいつ、自分で言ってた通り魔物だったんだ…)」

 待機していた清麿は必要だったのか疑問に思っていた。

 

モチノキ町

 屋上の光景を何者かが望遠鏡で目撃していた。

少年A「うっひょ〜〜っ!カワイ子ちゃん、あの子のパンツは絶対白だ。よ〜し、決めた!俺の彼女にしてやるよ!」

少年B「泳太、また女の尻を追っかけてんのか?」

泳太「あの屋上までひとっ飛びなんて、ご機嫌じゃねえか」

 もう1人の少年は望遠鏡で屋上を見ていた。

泳太「どうした?ハイド」

ハイド「一匹、弱っちい獲物見つけてさ。じゃあ、行くぜ泳太」

泳太「ジキル!」

 スケボーに乗ってから、本を持って呪文を唱えると、飛び上がった。

泳太「お前の風は最高だぜ!」

 着地してからしばらく進んだが、看板に見とれて鉄骨にぶつかってしまった。

ハイド「泳太、その癖、治せよ」

 

モチノキ中学校

 屋上では、相変わらず金山の攻撃をガッシュはかわしていた

金山「あいつなんか、永遠に学校なんか来なくていいんだよ!来てほしいと思ってる奴なんか誰もいねえんだよ!」

ガッシュ「黙れ!お前に清麿の何がわかる!清麿は好きで天才になった訳ではないのだ!清麿の父上が言ってたぞ!小学校までは普通に友達と遊んでたって!中学になって、だんだん友達が清麿の頭の良さを妬み始めたって!清麿が変わったんじゃない!清麿を見る友達の目が変わったのだ!清麿が実際何をした!?今日、学校に来た清麿が何をした!?お前のように誰かを傷つけたのか!?お前みたいに弱い者から金を奪ったか!?学校に来なくていいのは金山、お前の方だでくの坊!これ以上私の友達を侮辱してみろ!このガッシュ・ベル様がただではおかぬぞ!」

 ガッシュの言葉に清麿は涙を流していた。ところが、ガッシュはハイドの魔力を感じた。

ガッシュ「(これは…、魔物の魔力なのだ…)」

 ハイドの魔力に気を取られていたせいでガッシュは金山のパンチを受けてしまった。

鈴芽「ガッシュ君!」

清麿「ガッシュ、何をボーッとしてるんだよ!」

 清麿の登場に金山は驚いた。

金山「本当に…、来やがった…」

ガッシュ「本当に来ただろう。嘘つきはお前の方だ、金山!」

清麿「そうだぜ!俺様が来たからには一撃で」

 現実はそう上手くはいかず、清麿は金山にボコられる一方だった。

清麿「勝てない〜〜、勝てない〜〜!こんな作戦、無理だったんだ!」

ガッシュ「何を言う、清麿が来た時点でこの作戦は成功だぞ」

鈴芽「私も高嶺君が助けに来てくれるって信じてたもん。ありがとう」

清麿「だが、これから金山をどうするんだ?」

ガッシュ「勝てないのならば、私の本を持って呪文を唱えればよいではないか。でも、呪文の力は心であるから、ちゃんと心を込めて唱えなければならぬぞ」

 呪文という言葉を聞いて清麿はある事がひらめいた。昨日、自分が死にかけるほどの電撃が発動したのは苛立った状態で『ふざけるな』と言った際に偶然、第一の術ザケルが発動したのだと。

清麿「だ、だが…、あの電撃は俺が死にかけた程の威力なんだぞ。あれを人間に向けてやるのは…」

鈴芽「あ、何か来た」

清麿「え?」

ガッシュ「清麿、気を付けろ!魔物とそのパートナーが来る!」

清麿「な、何の事だ?」

 鈴芽の言う通り、上空からハイドとスケボーに乗った泳太が降りてきた。そして、金山に飛び乗った後、着地してから泳太は鈴芽のスカートをめくった。

泳太「イェイ、やっぱり白だ!」

 パンツの色を言い当てられて鈴芽は恥ずかしがった。

金山「ぐえっ、何だ、貴様!どうやってこんな屋上へ!」

泳太「風に乗って来たんだよ。って言っても、バカには通じないだろうがな」

金山「黙れ!」

泳太「ジキル!」

 殴りかかろうとした金山は風に吹き飛ばされた。

清麿「何なんだよ、今のは?」

ガッシュ「あれは、手から起こした風のように見えるが、実際は魔物の術による風だ」

清麿「何だって!?」

 金山を吹き飛ばした泳太は鈴芽に近づいて腕を掴んだ。

泳太「ヘイユー!俺の彼女決定!」

鈴芽「嫌、離して!」

泳太「俺は強いんだぞ。欲しい物は必ず手に入れる」

鈴芽「嫌、もうすぐ合唱部が始まっちゃう!」

清麿「やめろ!水野を離せ!」

ガッシュ「さもないと、私達が懲らしめるぞ!」

泳太「邪魔だ、ジキル!」

 風が清麿とガッシュに襲い掛かったが、ガッシュは清麿の前に立った後、マントを巨大化させて防いだ。

清麿「マントが巨大化した?」

泳太「何?風が防がれた?」

ガッシュ「その風を起こしているのは魔物であろう。隠れてないで出てくるのだ」

 言葉に応じてハイドが姿を現した。

ハイド「よくからくりがわかったな」

ガッシュ「(まさか、こんなにも早く魔物と遭遇するとは…)」

ハイド「泳太、こんな奴等、さっさと片付けようぜ」

泳太「よーし、俺達の力、見せてやろうぜ。ジキ」

清麿「(いちかばちかだ!)第一の術、ザケル!」

 泳太が呪文を唱える前に清麿は呪文を唱えてザケルを発動させた。これにはハイドも慌てて泳太を担いでかわし、その場から逃走した。昨日よりも更に強力な電撃は屋上一帯を跡形もなく消し飛ばした。

泳太「とんでもねえ威力だ…」

ハイド「今日のところは退散だ(俺達が戦ったのは本当にあのガッシュなのか?初級の呪文なのに、あの威力は明らかにギガノ級だ)」

 凄まじい威力に清麿は驚いていた。

清麿「とんでもない威力だ…」

ガッシュ「(やはり、私の王族の力は目覚めておる…)」

 

モチノキ町

 遠くから目つきの悪い魔物、ブラゴと品性のある女性、シェリーが見つめていた。

ブラゴ「あの爆発は…、魔物の力だ。それも、かなり強力な力を感じる…(この力の感じ…、雷帝に似てるな…)」

シェリー「とうとうこの街でも、魔物同士の戦いが始まったのね…」

 

高嶺家

 夜になった。

華「清麿、ガッシュちゃんをお風呂に入れてあげなさい。コルルちゃんは私が入れてあげるから」

清麿「何で俺が」

華「清麿!」

 華に言われて渋々ガッシュを風呂に入れた。

ガッシュ「おお!やっぱり清麿の家のお風呂は気持ちいいのう…」

清麿「やっぱり?何で俺の家に一度も住んだ事がないのにやっぱりって言うんだよ!」

ガッシュ「ウヌ?ついつい口走ってしまっただけなのだ」

 ガッシュを洗っていると、頭に小さな角がある事に気付いた。

清麿「つ、角!?」

 

 

また魔界の王を決める戦いが始まるという1話でした。

今小説はガッシュの逆行ものの二次小説とスーパーロボット大戦をやってて思いついた2周目みたいな話で、スパロボの引き継ぎ要素でガッシュは前の戦いの記憶と王族の力の覚醒、ある程度呪文が解禁された状態で始まります。

話はアニメ寄りにする他、早々に魔界に帰ってしまった魔物が仲間入りして長く生き残ったり、仲間入りが遅かった魔物が早々に仲間入りしたりする原作にはないような展開も起こります。アニメ寄りなため、ファウード編で終わりますが、ゼオンとの和解はきっちりやります。

説明
魔界の王を決める戦いは雷の力を持つ少年、ガッシュ・ベルが勝者となった。
そして現在、新たなる王として職務を全うする日々を送っている…はずだった。
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