本編補足 |
篩にかける
C1 起用
C2 出世の方法
C3 騒動
C4 点数調整
C5 扱い方
C1 起用
ユランシア大陸。プロスデン王国。第二首都ユーラベルク、ルーンシュタイン城。玉座の間。玉座に座るプロスデン王国国王フードリヒと隣に立つチャバネゴキブリ人でプロスデン王国元帥の1人のゴチャンブル。屈強な衛兵が左右に並ぶ。滅亡したリヒテヒト公国がプロスデン王国との条約の下受け入れた戦争難民の代表のイリキとその取巻き達がフードリヒの前に跪いている。
フードリヒ『リヒテヒト王国でのそなたらの活動、聞き及んでいる。』
フードリヒは頬杖を突き、足を組んでイリキを見下ろす。
フードリヒ『暗愚な君主を誅する為の一役、大義であった。』
頭を下げるイリキ。
イリキ『は、ははぁ!』
床を見つめ体を震わせるイリキ。フードリヒは足を組み替え、眼を細めてゴチャンブルの方を向く。
フードリヒ『ここにいるゴチャンブルからの推薦で・・・。』
イリキの方を向くフードリヒ。
フードリヒ『そなたをスヴァンスポルク城の城主に任命してはどうかと。』
床を見つめながら笑みを浮かべるイリキ。
フードリヒ『…引き受けてくれるな。』
顔を上げ、フードリヒの方を向くイリキ。
イリキ『は、はい。勿論で…。』
フードリヒ『では頼む。』
頭を深々と下げるイリキ。
イリキ『はは。有り難き幸せ!』
フードリヒは玉座から立ち上がり、数名の衛兵たちと共に去っていく。フードリヒの背を見つめた後、イリキ達の方を向くゴチャンブル。顔を上げゴチャンブルの方を見つめるイリキ。
ルーンシュタイン城を出てプロスデン王国カラーに染められたランティッド・コルドナ級人型機構に乗り込むイリキたち。イリキはコックピットのハッチで立ち止まりルーンシュタイン城の方を向く。
イリキ『あんなきめえゴキブリ野郎でも実績をあげればあの地位まで上り詰めれるんだ。』
笑みを浮かべながらプロスデン王国カラーに染められたランティッド・コルドナ級人型機構に乗り込むイリキ。
C1 起用 END
C2 出世の為
プロスデン王国、スヴァンスポルク城。執務室。椅子に座るイリキとイリキの側近達。窓の方を向くイリキ。窓からは城門からは門衛のイリキの取り巻き達によって追い払われる商人や町人達が見える。イリキは鼻で笑い、イリキの側近達の方を向く。
イリキ『イナゴがまた来よった。』
イリキの側近A『また、減税の訴えですかい。』
イリキの側近Aの方を向くイリキ。
イリキ『だろうな。全く五月蠅い奴らだ。こう毎日毎日、それだけ暇なら働いて税を払えといえるがな。ははは。』
出納帳の書面を見るイリキの側近B。
イリキの側近B『へへ、たんまり貯まりましたね。』
笑みを浮かべて状態を前に出すイリキ。
イリキ『あいつらこれだけ貯めてやがったんだ。もっと隠しているにちがいない。』
イリキの顔を見つめるイリキの側近A。
イリキの側近A『・・・それでプロスデンに納めるのはどうします?これだけありゃ…。』
イリキ『前の城主が払っていた2倍を納める。』
瞬きしてイリキの顔を見つめるイリキの側近たち。
イリキの側近A『…2倍って、しかし…。』
太ももを叩くイリキ。
イリキ『まあそういうな。』
イリキは片方の太ももに肘を当てる。
イリキ『あのゴキブリ野郎を見ただろう。ここで出世するには実績が必要。税収は実績に直結する。つまり、俺達がプロスデンに税を納める額が多ければ多いほど、俺らは評価され、出世ができるという事だ。』
イリキの顔を見つめ、頷くイリキの側近達。
イリキの側近A『流石親分。親分の言った通り、リヒテヒトに流入した時もタオクの奴らを襲撃すりゃ荒稼ぎできましたからね。』
笑い出す一同。
C2 出世の為 END
C3 騒動
プロスデン王国、スヴァンスポルク城。城主寝室。ベットで眠るイリキ。扉を激しくたたく音。イリキは眉を顰めた後、眼を開け扉の方を向く。
イリキの取り巻きAの声『た、大変です!』
起き上がるイリキ。
イリキ『いったいなんだ。』
イリキの取り巻きAの声『それが城外に大軍が!』
跳ね起きるイリキ。
イリキ『なっ!』
イリキは扉を開ける。イリキの取り巻きAが部屋の中に入る。
イリキの取り巻きA『うわっと。』
イリキの方を向くイリキの取り巻きA。イリキはイリキの取り巻きAの方を掴みさする。
イリキ『大軍?大軍だと!どこの軍だ?ポメラニア、ザクセン・・・。』
首を横にふるイリキの取り巻きA。
イリキの取り巻きA『い、いえ…。市民達です。』
眉を顰めるイリキ。
イリキ『なんだと!』
兜をかぶると部屋から出ていくイリキ、後ろに続くイリキの取り巻きA。
イリキ『・・・数は?』
イリキの取り巻きA『は、はい…それが大多数の人型機構を。』
外にで城壁へ続く階段を歩くイリキ、後ろに続くイリキの取り巻きA。
市民Aの声『減税を求める!』
市民Bの声『前の城主はこんなにとらなかったぞ!』
市民Cの声『俺達の声に耳を傾けろ!』
イリキ『人型機構だと!あいつらどっからそんな金が!』
イリキの取り巻きA『いえ、そ、それが農作業用のやつをどうも戦闘用に改修したらしくて…。』
城壁に上り、胸壁からスヴァンスポルク城を取り囲む市民軍を見つめるイリキ。
市民達の声『減税!減税!減税!』
イリキの胸壁を触る手が震える。
イリキ『ぐぬぬ。』
イリキの方を向くイリキの側近A。
イリキの側近A『・・・ど、どうします。親分。』
イリキ『・・・こんなところで…。』
イリキの側近Aの方を向くイリキ。
イリキ『…奴らの要求に応じろ。』
瞬きするイリキの側近A。
イリキの側近A『・・・へ、しかし…そうすれば税収が半分以下に…。』
市民軍を睨み付け、歯ぎしりするイリキ。
イリキ『ここで騒動を大きくされれば俺達の出世への点数に響く…。止む負えん。』
眉を顰め、イリキを見つめるイリキの側近A。イリキはイリキの側近Aに手で指示する。イリキの側近Aは頷いた後、城門の方を向く。
イリキの側近A『開門!』
城門の開く音。
C3 騒動 END
C4 点数調整
プロスデン王国、スヴァンスポルク城。執務室。椅子に座るイリキとイリキの側近達。出納帳を見るイリキとイリキの側近達。
イリキの側近B『どうします…このままではプロスデンに納める税額が…。』
イリキは立ち上がり、窓の方へ歩いて、暫し外を見る。イリキの背を見つめるイリキの側近達。
イリキの眼に映る荘園。
イリキ『うむ。天災により税が納められなくなったなら税収が減った理由として尤もだろうな。』
振り向くイリキ。イリキを見つめるイリキの側近達。
イリキの側近A『天災・・・は起こってませんが??』
イリキ『そうじゃない。例えば…山火事が起きて田畑が燃えるとする。』
瞬きをするイリキの側近達。
イリキ『山火事の原因は後でいくらでも作ることはできる。』
イリキの側近達『ああ。』
イリキ『天災の山火事となれば税収減少も止む無しという話になる。』
頷くイリキの側近達。
イリキ『人を集めろ。今夜、決行する。なるだけ深夜の移動に長けている奴がいい。』
頭を下げるイリキの側近達。
イリキの側近達『はい。』
プロスデン王国、スヴァンスポルク城。城壁から荘園の方を眺めるイリキ。火が上がり、燃え盛る荘園。
C4 点数調整 END
C5 扱い方
プロスデン王国、スヴァンスポルク城。城門の前に並ぶプロスデン王国のヴィンセン級人型機構。城壁からそれを見つめるイリキとその取巻き達。イリキは城門の方を向く。
イリキ『開門。』
扉が開き音。城壁へ続く階段を降り、城内に入ってくるヴィンセン級人型機構の横に跪くイリキ。
イリキ『おお、お待ちしておりました。』
各々のヴィンセン級人型機構のコックピットのハッチが開き、現れるプロスデン王国上級兵士達。先頭のヴィンセン級人型機構に乗るプロスデン王国上級兵士Aはスヴァンスポルク城を見回した後、片手を上げる。市民達が人型機構の後ろから駆け出てイリキ達を縛り上げる。スヴァンスポルク城の城門に引きずり出されるイリキ達。
イリキ『ど、どういう事だ!オイ!!てめえら!俺はこの地の主だぞ!!!』
イリキに唾を吐く市民D。ヴィンセン級人型機構のコックピットのハッチから降りて来るプロスデン王国上級兵士Aとプロスデン王国上級兵士B。
プロスデン王国上級兵士A『後任は決まった。貴様の評判は民から頗る悪い。プロスデンには貴様の様な不届き者は不要。市民も不要と言っている。』
プロスデン王国上級兵士Aを見つめるイリキ。
イリキ『や…待て待て待て。
プロスデン王国上級兵士Aに詰め寄るイリキ。
イリキ『俺は…なあ、俺はあんたらにあんだけ税を納めたじゃないか。その俺を…。』
焼けた荘園を見た後、市民達の方を向くプロスデン王国上級兵士A
プロスデン王国上級兵士A『陛下が望んだのは豊穣な土地と人々の豊かな生活による生産性の向上であり目先の金銭ではない。』
眼を見開くイリキ。イリキの膝を蹴るプロスデン王国軍上級兵士A。膝を地面につけ、顔を上げるイリキの眼には日の光に照らされ輝くプロスデン王国軍上級兵士Bの構えた剣の刃。
イリキ『待ってくれ!おおお、俺は!』
イリキの背中を蹴飛ばすプロスデン王国軍上級兵士A。地面に突っ伏した後、顔を上げるイリキ。彼を見下ろす市民達。
プロスデン王国軍上級兵士B『陛下もそれを貴様に期待していたが…、貴様は裏切った。』
イリキはプロスデン王国軍上級兵士Bの方を向く。
イリキ『も、もう一度チャンスをくれ。次は、次は上手く…。』
プロスデン王国軍上級兵士B『…お前の代わりはいくらでもいる。』
眼を見開くイリキ。彼の首めがけて振り下ろされる刃。イリキの首が転がり、その眼にはイリキを睨む人々の顔が映る。
C5 扱い方 END
END
説明 | ||
・必要事項のみ記載。 ・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。 ・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。 |
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