こんとん物語 20 |
朝、こんとんはクリスと電話をしていた。
「イザベルにもう一度、取材ですか?」
「いえ、捜査協力をしてもらいます。」
珍しくも無く、クリスからの電話だった。
「では・・・、また一週間後に。」
「次もまたお願いします。」
挨拶をしてから電話を切る。
こんとんは、日々、現場検証に向け、ミステリーの本を読んでいたが、どうにも情景が想像出来なかった。
だから、自分でカーチス夫妻の屋敷に行ってみる事にした。
カーチス夫妻の屋敷までは電車である。
最寄り駅で降りたこんとんはカーチス夫妻の屋敷まで、丘も橋もない道を行く。
「屋敷としては大きい方なのかな?」
こんとんはカーチス夫妻の屋敷の外周を一通り歩き、一人言を((呟|つぶや))く。
外周は柵で囲まれ、物々しい雰囲気を((醸|かも))し出していた。
内部は、木が多く生え、プライベートを守っていた。
屋敷は、レンガ造りの赤い建物となっている。
庭が有り、いけすが有る。
全体は、縦横数百メートル四方でざっと見ておかしな点は見受けられなかった。
”雰囲気は大体このくらいの屋敷ね。”
帰りの電車では、こんとんはうたた寝をしていた。
屋敷と聞いて、行きは緊張していたが、存外大した大きさでも無く、帰りは緊張が解けてしまったようだ。
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