近未来文明が残る惑星 第2話
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【注意】

この作品はフィクションです。実際の歴史背景や歴史通りでは無い、ファンタジー要素が多い作品になっています。戦国武将も自分好みで選んでいます。ご了承お願いします。 では大丈夫な方は本編へどうぞ。

 

 

【前回のあらすじ】

主人公リックは、軍の命令で謎が多い惑星テラフェの現地調査に行くことになった。道中、宇宙生物に襲われ命からがら目的地と思われる星の海に着水したが…

 

 

 

リックは気が付くと人工的に作られた建物の部屋にいた。床は草色の独特の香りがし、木材で建てられた木枠の柱、紙のような材質で出来た横開きの扉を目にした。

 

リック「…俺は、生きてるのか?…ここは?」

 

どうやら誰かに助けられた様だ。まだ所々痛む体を無理やり起こすとベットではなく、床にマットレスの様な物を敷いて寝ていたのが分かった。

 

リック「この空間、どこかで見覚えがある様な…?」

 

そう呟いていると、足音が聞こえ横開きの扉が開いた。

 

???「あの、体は大丈夫ですか?」

 

部屋に入ってきたのは、焦げ茶色の長い髪、ピンク色の丈が長い変わった服を着ていた異国の少女だった、そして両手には白い物体が乗った皿を持っている。

 

???「良かった、目が覚めて。おにぎり握ったんですけど、食べれますか?」

 

少女は何やら自分に向かって話しかけているが、リックはここが惑星テラフェなのだと思い出した。目の前にいる少女は人類そっくりだが恐らく人類に激似した宇宙生物、もしかしたらあの銀色の生物の様に襲ってくるのかもしれないと考えると、警戒し少女を見つめた。

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???「あの、体は大丈夫ですか?」

 

部屋に入ってきたのは、焦げ茶色の長い髪、ピンク色の丈が長い変わった服を着ていた異国の少女だった、そして両手には白い物体が乗った皿を持っている。

 

???「良かった、目が覚めて。おにぎり握ったんですけど、食べれますか?」

 

少女は何やら自分に向かって話しかけているが、リックはここが惑星テラフェなのだと思い出した。目の前にいる少女は人類そっくりだが恐らく人類に激似した宇宙生物、もしかしたらあの銀色の生物の様に襲ってくるのかもしれないと考えると、警戒し少女を見つめた。

 

???「私、(るり)って言います。あなたは?」

リック「…ここは惑星テラフェか!?お前は人類を食うのか!?」

瑠璃「…え?てら…?じん、るい?何言ってるんですか?」

リック「ちっ近寄るな!」

 

自分を完全に怪しい人物だと思って、警戒する異国の少年を見た瑠璃。

 

瑠璃「…大丈夫ですよ。ここは私の家で他に誰もいませんし、私はあなたを怖がらせるような事は絶対しません。ですから安心して。」

 

怯えたように震え警戒する彼に優しく声をかける。

 

瑠璃「貴方、異国の方だよね?ここら辺じゃ見かけない髪色だし服装だもん」

リック「…俺は、リック・アーガスト。軍の命令でこの惑星を調査しに来た」

 

やっと体の震えが治まり、言葉が通じ会話ができると分かると少しだけ警戒心を解くリック

瑠璃「り、く? ああ、陸(りく)ね!変わった名前ね」

リック「違う!りくじゃない!リックだ!発音が違う!」

瑠璃「りっ…く?りく?」

リック「ちーがーうー!」

 

どうやら英名の様な発音は苦手みたいだ。

瑠璃と自分の名前のやり取りでだいぶ落ち着いたリックは、瑠璃が作った鮭のおむすびを食べた。やはりこの家といい、瑠璃の服装や食事などまるでだいぶ昔の文明に思えた。

 

リック(それに、今の会話からしてちゃんと会話できている…)

 

ますます深まる謎にリックはどうやら心当たりがあるようだった。

 

 

瑠璃「うん!やっぱり似合う!有難う、風助さん。」

風助「瑠璃ちゃんの頼みならいいって事よ!兄ちゃん似合ってるじゃねーか。その服大切にしろよ」

 

瑠璃はリックを村に案内しようとリックに合う大きさの男性用の着物を探すが見当たらないので、近所で世話になっている風助に頼み男性用の着物を譲ってもらった。

風助は黒髪の手入れをしていないボサボサ頭、所々土に汚れた黄茶色の服を着ている気前の良さそうな青年だった。

そしてリックは柳の葉を思い出させるような濃い草色の着物の様な丈が長い服を着させられた。

 

 

リック「変わった服だな…これが普段着なのか?」

瑠璃「うん、こんな感じの服を着るよ。着物によって鮮やかな色とか豪華な刺繍が入った着物があるからたくさん種類あるよ。でも、私たちはただの貧乏な農民だから、こんな地味でボロボロな服しか着れないけど。」

 

苦笑いするように自分たちが農民であることを言う瑠璃。

 

風助「大丈夫だ、また沢山いい野菜を収穫出来たら、もしかしたら殿様に褒美として豪華な着物貰えるかもしれないじゃねーか!」

瑠璃「うん、そうだね!りく、私たちの村と城下町に案内するね!」

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瑠璃を励ます風助とリックの手を引き村を案内する瑠璃

 

リック「その、城下町って、どういう所なんだ?」

瑠璃「この国で一番賑やかで人が多くてお殿様がいる所だよ!」

風助「お殿様は城にいるだろ。」

瑠璃「ああ、そうだった!」

 

瑠璃の大雑把な解説にツッコミを入れる風助。

城下町…?それにお殿様…?もしかしてここは、でもそんなはずはないと2人の会話からこの場所の情報を推測するリック。しかし考えたそれはあり得ない事だった。

 

 

林を抜け橋を渡るとそこに見えたのは、城下町と呼ばれる活気溢れる大きな異国の町だった。

瑠璃や風助の様な丈が長い服を着た人々、白いレンガの様な素材で建てられた黒い屋根の家々、そして他の家とは比べ物にならないほどの巨大で豪華な建物があった。

 

リック「凄い…これが城下町か」

瑠璃「うん、目の前にある大きな建物がお城だよ!」

 

リック(…ん?今、「建物」と言ったか?それにこの風景…)

 

リックは一瞬、瑠璃の何気ない一言に違和感を覚えた。ここが惑星テラフェだとは断言できない。それは、すでに滅んでいる地球にかつてあった島国の一時期の文明がどういうわけか地球ではないこの星に存在しているという事だ。

地球に何らかの理由でタイムスリップしてしまったという特殊な事例がない限りありえない光景なのだ。そして先ほど言った瑠璃の「建物」という言葉は20世紀頃誕生した言葉で、この時代の人々が知るはずもない言葉であった。なのに瑠璃は何気なくその言葉を喋ったのに違和感を感じた。

 

瑠璃「ねえ、りく!りくってば!」

 

瑠璃の呼び声で我に返る。瑠璃が少し心配そうにリックの顔を覗き込む。

 

リック「うわっ、なんだよ!」

瑠璃「なんだとは何よー。せっかく心配してあげたのに」

 

ぷくーっと頬を膨らませて不機嫌になる瑠璃とお互いの顔の距離が近いのを思い出して少し顔を赤くするリック。そんな2人を見て風助は微笑ましくなった。

 

 

城下町の中央に佇むお城を間近に見て、改めてこの地域を収める権力者の凄さを感じた。

役人「待て。お前たち城に仕える者ではないな。農民が何の用だ!?」

 

城付近にいた役人らしき男性に止められた。彼は風助や町の人々と違って上下違う服を着ていた。

 

瑠璃「ごめんなさい。あの、異国の人にこの町を案内したくてここに来たんですけど…」

風助「そういうわけで氏政様に会わせてやってくれよ」

役人「ふざけるな!異国の者だろうとそう簡単に氏政様に会えるわけがないだろう!帰れ!」

 

瑠璃と風助が自分の代わりに「氏政」という権力者に会わせてほしいと説得するが、役人に尽く拒否されてしまう。この騒ぎを聞き、ぞろぞろと城の番人の役目を持った役人が集まって、自分たちに威嚇する。このままでは3人とも不審者だと判断され、権力者には会えない。

 

リックはどうすべきかと冷や汗をかいて考えていると、一人の人物が自分たちの前にやってきた。

 

???「何の騒ぎだ。なんだお前たちは」

役人「あっこれは鷹羽様!実はこの農民たちが突然城にやって来て氏政様に会いたいと無礼を言ってきたんです」

鷹羽「ふん…そうか…」

 

リック達の前に現れた男は鷹羽(たかば)と呼ばれるこの城に仕える人だった。

紺色の後ろにまとめた髪型に、青藍の様な深い青と雪の様な白のデザインをした服装を着ていた。そして腰には2本の刀を所持していた。

 

リック「…その格好、もしかしてやっぱり武士なのか?」

鷹羽「…ああ、そうだが。お前の方こそ、ここらじゃ見かけない金色の髪も珍しいけどな」

 

恐る恐るリックは鷹羽に質問する。そして鷹羽もジロリとリックの顔を見ると、珍しそうにリックの髪を見つめる。

 

瑠璃「あ、あの!鷹羽様!りくを氏政様に会わせてあげて下さい!」

 

そうだ、権力者に会って自分が他の宇宙から惑星探索の為にやってきたと説得すれば、この世界の現状が分かるかもしれない。恐らく素直に信じてもらえないかもしれないけど、今はこれしか方法はない。

 

リックは本来の目的、氏政に会わなくてはいけない理由を思い出した。

 

鷹羽「お前、りくと言ったか。異国の者なのか?」

リック「ああ、ここから遙か遠くの場所からな」

 

鷹羽はそうかと呟き少し考え込む。

 

鷹羽「分かった、俺から氏政様に話そう。もし謁見が許されたなら俺から連絡する」

リック「本当ですか!有難う!」

風助「有難うじゃなくて、有難うございますだろ!」

 

普通なら兵士にも怪しまれ、武士にも怪しまれて完全に権力者と面会する機会が消える所だが、なんと謁見できるかもしれないのだ。

 

そのあと、鷹羽と別れ村に帰った3人は、畑に集まる人だかりを目撃する。

 

瑠璃「どうしたの?」

村人「ああ、瑠璃ちゃんか…いや、最近畑が荒らされてることが多くてね、こっちも色々対策してるんだけど、ダメみたいだ。」

 

どうやら最近、村の作物畑を荒らす動物か人がいるらしい。

 

村人「それに、もうすぐ夏だというのに最近寒いし、こりゃ雪でも降るんじゃないのか?」

 

畑荒らしの他にも、季節に合わない異常な寒さや天気だったりと問題が起きているようだった。

 

 

 

                                          次回に続く

 

 

説明
閲覧有難うございます。
創作小説「近未来文明が残る惑星」の2話です。
宜しければ感想やアドバイス等あればお願いします。

2021/8/8 誤字脱字等の為本文を少し編集しました。
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