陽蓮が玉璽を拾ってから数ヵ月後

袁術軍玉座

美羽「では、その同盟を受けると劉表に伝えてくれ」

その言葉を聞き劉表の使者は去る

美羽「この戦で孫堅を滅ぼして玉璽も領地もいただきなのじゃ〜」

七乃「よ！大陸一の悪娘♪」

美羽「もっと褒めるのじゃ〜」

玉座にはなんともお馬鹿なトークが展開されていた

袁術と劉表の同盟が結ばれた後、陽蓮のところに一つの木簡が届く

呉・玉座

陽蓮「……以上が袁術と劉表が我らに要求してきたことだ」

この日玉座には呉の主たる武将がそろっていた

冥琳「玉璽を素直に渡さなかったらあの馬鹿達が攻めてくると…」

薫「私達も舐められたものですね」

雪蓮「ほんとよね、どうするの？」

祭「どうするも何も戦じゃろうな」

琥珀「久しぶりの戦か〜！！」

穏「久しぶりと言うほどでもないかと〜」

蓮華「今回はお留守番は嫌ですよ母様」

亜莎「それで、いかがいたしますか陽蓮様？」

陽蓮「一刀はどう思う？」

一刀「別にいいんじゃないかな、馬鹿とはいえそれなりの大きさの両軍を叩き潰すんだから名声もさらに高まりそうだし」

冥琳「そうだな、それに旨くいけばそのまま二人の領土も手に入るだろうしな」

明命「とってもお得ということですね！」

思春「まぁそういうことだな」

小蓮「それじゃあもう戦しかないかな？」

薫「ほんとに皆さんは戦が好きなんですね…」

祭「そういう薫も好きじゃろ、戦？」

薫「まぁそうですけどね」

雪蓮「それよりも早く準備に入らない？」

陽蓮「うむ、それじゃあ戦の準備と行こう…言わなくても自分が何をすればいいか位はわかるよな？」

その言葉に各々が頷く

陽蓮「それじゃあいつもどうりによろしくと言うことで解散、準備が完了しだい報告してくれ！」

その後、要求を断るという意の木簡を袁術に送り、袁術達が出陣したのを確認した後、陽蓮達も出陣した

袁術と劉表の連合と陽蓮達は向かい合うように陣を構える、その中から、劉表、陽蓮が前に出る

劉表「玉璽を献帝に返上せぬ不届き者め！我らが貴様らを成敗してくれよう！」

袁術「ついでに領地ももらうのじゃ！」

陽蓮「黙れ！そのような偽りごとをぬかして我らが呉の地を蝕む害虫め！今すぐこの場を立ち去れば許してやってもいいぞ？」

劉表「ぐぬぬ！せいぜい今のうちに吼えておくがいい！」

袁術「む〜馬鹿にされたのだ！もう許さないのじゃ！」

そう言って劉表と袁術は自陣に戻っていく、陽蓮もそれを確認した後自陣に戻る

連合

袁術「七乃！あやつを叩き潰すのじゃ！」

七乃「あらほらさっさ〜♪」

呉

陽蓮「あんなふざけた奴ら瞬殺するぞ！」

雪蓮「あたりまえでしょ♪」

琥珀「くぅ〜」

？？？「おらわくわくすっぞ♪」

琥珀「持ってかれたーーー！！！」

小蓮「ねぇ一刀、今の誰？」

一刀「ん？死にかければ死にかけるほど強くなる戦闘民族だよ」

冥琳「なんだそれは…」

穏「気にしたら負けですかね〜」

薫「きっとそうなんでしょうね」

その後の戦は一方的なもの、袁術の軍は武将の能力も劣っていれば兵士達の強さも陽蓮達に劣っていた、そんな状況で勝てるはずもなく、陽蓮達は連合の拠点などを次々と潰し、兵糧などを確保していた、袁術と劉表はどんどん敗戦を重ねいつの間にか袁術と劉表達は江夏の城に追い詰められていた

その夜、江夏の土地には激しい雨が降っていた

陽蓮「いまこそ好機！攻めるときだろう！」

冥琳「いくらなんでもこの激しい雨の中は危険すぎます！明日にはこの雨も止むはずです」

雪蓮「そうよ母さん、それに何か嫌な予感がするのよ…」

祭「陽蓮殿、わしも少々危険じゃと思うのだが…」

薫「それに兵士達も僅かにながら疲れています」

亜莎「ここは一旦兵を休めるべきかと」

穏「私もそう思います」

明命「報告、この先森の中を撤退する連合軍を発見いたしました、しかしこの雨の中では少々危険かと」

琥珀「さすがのあたいもそう思うけどな〜」

小蓮「そうだよ母様、今日一日くらい休んでもあいつらの滅亡が一日伸びるだけだって」

蓮華「母様、ここは休みましょう」

そう言う呉の面々は陽蓮を止めようとしたが

陽蓮「黙れ！この臆病者め！もういい、おれとおれの隊だけで行く、ついて来たい者だけついて来い！」

思春「陽蓮様！」

そう言う皆を無視して自分の隊の指示に入る陽蓮のそばに一刀が寄り添う

一刀「陽蓮がいくなら俺も行くよ」

そう笑顔で言う一刀

陽蓮「そうか、ありがとな一刀」

そう言って指示に戻る陽蓮、隊の準備はすぐに完了し陽蓮と一刀は進軍を開始した

冥琳「ふぅ、陽蓮様にはこの戦が終わったら説教だな…」

薫「仕方ありません、琥珀！元気な兵を連れて二人を追ってください！」

琥珀「了解！」

冥琳「私達も少し休んだ後二人を追うぞ！」

全員「「「応！！！」」」

雪蓮「ねぇ冥琳…できるだけ急いで…ほんとに嫌な予感がするの…」

基本現実主義の冥琳も雪蓮の勘の鋭さには信頼を置いている、その雪蓮がとても真剣にこう言ってくるのだから急いで損はない

冥琳「わかった、なるべく急ごう」

この時呉の面々は二人を全力で止めるべきだった…そうすればあんな苦しい思いはしないですんだのだから

陽蓮「もう一息で敵の部隊に追いつく！気合を入れろ！」

兵士「「「応！！」」」

兵士達は陽蓮の言葉に気合の篭った声で返す

その場所は左右には崖のような土壁があり前方には深い森が広がっている

陽蓮「一刀、もうすぐだな！」

一刀「そうだね、油断せずに行こう…」

そういう一刀の目は険しく

一刀（なんだ…さっきから胸騒ぎが止まらない…）

陽蓮「どうしたんだ一刀、そんな険しい顔して？」

一刀「いや、なんでもないよ」

そんなことを考えながら一刀は周辺への警戒を強める、そのとき

『ガラガラ！！！』

激しい雨により地盤が緩んでいたのか左右の土壁が土砂崩れを起こし、陽蓮達を飲み込もうとする

一刀（まずい！！！）

この時一刀の脳裏に自分のいた世界の歴史がよぎる、孫堅は劉表との戦で死んでいたということが

一刀（間に合え！！！）「■■■■■■■ーーーー！！！」

一刀は声にならない叫びを上げながら氣を最高速で「双狼牙」に限界まで籠め一回転し勢いをつけ、陽蓮、そして周りの兵士に氣で作り出した強力な風をぶつけ吹き飛ばす

一刀は回転を持続させ目の前にまで迫った土砂崩れにも氣の斬撃を放つ、土砂と斬撃がぶつかると同時に激しい爆発がおき、あたりに白銀の輝きが舞う

…それは「双狼牙」の刀身が砕け舞い落ちる光…