近未来文明が残る惑星 第3話 |
ー注意ー
この作品はフィクションです。実際の歴史や歴上の人物とは関係ありません。
また、戦国武将も自分好みで書いています。
前回のあらすじ
軍の命令で地球に似た星、惑星テラフェの現地調査に来たリックは村娘の瑠璃に助けられ、瑠璃が住む村の近くにある城下町へと案内される。そこへ武将の鷹羽に出会い、この地域を治める領主に会いたいと説得する。一方その頃、瑠璃の村では謎の畑荒らしと異常な天気が起こっていた。
その晩、暦では初夏だというのに雪がちらちらと降っていた。
朝になると一面銀世界なっていた。コロニーに居た頃では体験できなかった雪というものに感動し、子供の様に寝巻のまま外に出てはしゃぐリックとやれやれと思いながら楽しそうにはしゃぐリックにつられて瑠璃も薄着のまま外に飛び出し雪の投げ合いをする。
リック「ぶえっくしょん!うう…」
瑠璃「寝巻のまま雪遊びするからだよ。ふ、ふ、ふえっくしょん!」
リック「瑠璃だってくしゃみしてるじゃないか」
瑠璃「うーん、えへへ」
着替えを済ませ、朝食を食べた2人は昨日畑荒らしにあった村人の所に行った。
瑠璃「おはよう、まさか雪降るなんてね…」
リック「寒いけど雪って綺麗だし楽しいし、俺は好きだぞ」
村人「おはよう、本当に降るなんてな。それにまたやられちまった」
3人が見る先にはまた野菜畑を荒らされた後があった。どうやら今回はこの村人の様だった。
リック「一体誰が…思い当たる人はいないんですか?」
村人「うーん…昨晩、俺もちょくちょく畑を見回っていたけどいつやられたのかも分からない」
リック「なるほど…この野菜の食い方だと熊…いや猪かな?」
犯行は短時間かつ物音出さずに行われたらしい
まるで推理小説を読むようにノリノリで犯人を考えるリック。
村人「だが、野生動物の仕業じゃないようだ。これを見てみろ」
村人に案内されると食われ散らばった野菜のそばに雪がうっすら積もってはっきり確認できないが何かの足跡が残されていた。
瑠璃「これって、人の足跡!?まさか!」
村人「これは、気をつけて犯人を捕まえたほうがいいかもな」
村人達が集まって会議をした。いくつかの畑に罠を仕掛けるという単純な物だった。
リック「今夜の見回りは俺に任せてくれ!絶対に犯人を捕まえてみせる!」
完全に推理小説に登場する探偵になりきって犯人を捕まえる気満々のリック
瑠璃「りくが見回りをするなら私も一緒にする」
リック「えっいいのか?危険な事もあるかもしれないぞ?」
瑠璃「大丈夫、りくの力になりたいし放っておけないよ」
リック「そうかな…ありがとう、一緒に捕まえよう」
瑠璃も見回りに参加するようだ。
その日の晩、時計が存在していれば深夜12時頃をまわっていた。
ちらちらと粉雪が降り始めている。
瑠璃「やっぱり、雪降ってきたね。」
リック「ああ、瑠璃、危なくなったら逃げて人を呼ぶんだぞ」
瑠璃「うん、有難う。大丈夫だよ」
沢山着込んで、瑠璃は片手にロウソク、リックは片手にクワを持って雪が降る真っ暗な外に出る。
シャク シャクシャク シャク
リック「待って、今何か聞こえなかったか?」
リックは微かに聞こえた音を聞き小声で瑠璃に言う
瑠璃「……確かに、野菜を食べる音…?」
リック「やっぱり!行こう!」
リックと瑠璃は音がする方向へ静かにかつ足早で向かった。
大根畑で何かの気配と野菜をかじる音がする。犯人で間違いない様だ。
リック「よし、俺が捕まえる!瑠璃は網を投げてくれ」
瑠璃「うん!気をつけてね!」
合図とともに犯人目掛けて突撃するリック
リック「うおおお!!てやっ!」
??「うわっ」
リック「クソッもう逃げられないぞ!瑠璃ー!」
瑠璃「それっ」
足音に気づかれたのか背後からの一撃を避けられてしまった。犯人が立ち上がったのを機にとっさに両腕を捕え拘束するのに成功したリック、そしてリックの合図と共に網を相手に被せた瑠璃。網はどうやらリックと何かを捕えたようだ。
瑠璃「…そんな、本当に人だったなんて…」
??「う…うう…ごめんなさい、ごめんなさい!」
犯人はやはり野生動物ではなく人間だった。銀髪のボサボサの髪、おでこに青い巻物、それに合った濃い青の変わった模様が入った着物を着ていた。
リック「…おまえ…変わった服だな。この村の人なのか?」
瑠璃「ううん、初めて見た。貴方名前は?」
??「…カムイ…です…」
例の人物はカムイという名前だった。
リック「カムイ…これもこの土地の名前や服装なのか?」
瑠璃「りく、今はこの人になんで野菜泥棒したのか聞かないと」
リック「そうだった!お前なんでだ!?」
すぐに変わった文化や文明を見るとそっちに集中してしまうリックだった。
カムイ「…野菜を食べてしまってごめんなさい。凄くお腹空いてて、ダメだと思っててもどうしても我慢できなくて…ごめんなさい!昨日と今食べた分はちゃんと働いて返します!」
カムイは悪気はない様だ。涙を流しながら震えて謝罪するカムイを見てリックはある事を思った。
村人「おーい!なんか物音聞こえたけどどうした!?」
瑠璃「実は…」
瑠璃は見回りに集まってきた村人たちにカムイの事を説明する。
村人「とりあえず、2人のおかげで泥棒は捕まえたし、一件落着かな?ありがとう」
リック「ああ、お疲れさま!それでなんだけど、今夜はカムイを俺の部屋に泊まらせようと思う。勿論、瑠璃には危害を加えさせたりしない」
瑠璃「でも…りくは大丈夫なの?」
リック「ああ、俺に任せておけ!お前もそれでいいよな?」
カムイ「…温かい所で寝かせてくれるの?…本当に?ありがとう!」
話し合った結果、一旦カムイはリックと瑠璃の家で泊まらせることになった。
カムイを瑠璃の家に案内する。
瑠璃「…それにしてもさっき、よく咄嗟に捕まえられたね。りくって凄い!」
リック「ああ、あれは士官学校で習った実技だよ。」
瑠璃「…しかん…?」
瑠璃の家に到着する。瑠璃は空き部屋にカムイの布団とリックの布団を敷いた。
リックは万が一、カムイが逃げ出さない様に縄で手足を縛って寝かせた。
翌日の朝
小鳥の声と窓から差し込む光で目を覚めたリック。
瑠璃「おはよう、2人とも」
リック「おはよう…ふあああ…昨日夜遅くまで見回りしてたから、寝不足だな」
カムイ「…おは…よう…」
リック「おはよう、カムイ」
カムイが野菜泥棒したのは事実だが、本人も反省している様でリックと瑠璃は許すことにした。
瑠璃「う、うそ!なんで!?だってカムイは昨晩ずっと私の家にいたのに!」
またもや野菜泥棒が野菜畑を荒らしたのだった。犯行時刻も降り積もった雪に足跡がハッキリ残されていてまだ新しい。
カムイ「ボク、昨晩と昨日の2回しか野菜泥棒してないよ…」
村人「犯人は他にもいるって事かよ!?」
リック「やっぱり…他にもいたか。そいつが真犯人だな」
リックは昨晩カムイが言った昨日と昨晩の分っていう言葉に引っかかっていた。
畑荒らしは4日前から連続で来ている。カムイの言い分と合わないのだ
リック「足跡は、カムイの時と同じ人の足型だ。本人も恐らく…」
カムイ「あの!ボクにも手伝わせて下さい!僕も迷惑をかけたから、みんなの力になりたい」
リック「カムイ…分かった、お前も協力してくれ!」
その日の早朝、まだ日の出が出る前に3人は作戦を開始した。
次回につづく
説明 | ||
閲覧有難う御座います。更新が少し遅れてしまってすみません。第3話です。月1ペースで更新できたらと思います。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
417 | 417 | 0 |
タグ | ||
小説 オリジナル SFファンタジー | ||
meguro さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |