マイ「艦これ」「みほ3ん」EX回:第54話(改2.0)<姉妹と想い> |
「はい。本当の姉ではありませんが、しばらく側(そば)に居てやりたいのです」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第54話(改2.0)<姉妹と想い>
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ブルネイの地下埠頭。艦娘は、ここから出撃や帰還するらしい。まさに絵に描いたような秘密基地だが敵の目を欺くには理想的だ。
今回、大破した比叡と伊勢、龍田は無事に確保された。
しかし、もう一人の比叡と龍驤は内火艇で『収容』された。
『比叡』は、こちらの金剛姉妹が支えながら地下埠頭に上がってきた。伊勢と『龍田』は幸いほとんど無傷だった。
量産型艦娘たちは全員、恐怖で青白い顔をしていた。彼女たちは毛布を羽織られて椅子に座って震えている。
ブルネイは一人ひとりに「ご苦労」と声をかけていた。
艦娘には先人の魂が宿ると言われているが量産型については不完全故(ゆえ)だろうか? 普通の艦娘に見られるようなタフさがほとんど感じられない。
「やるせないな」
私は思わず呟いた。これが新しいレシピで少しでも改善されることを切に願うばかりだ。
それに彼女たちも仮に戦わずとも果たしていつまで生きられるのか? それすら分からないのだ。
(なんとも不憫だ)
「司令……ご相談が」
艤装を解いた日向が私に話しかけてくる。ちょっと思い詰めた表情だ。
「今日はもう自由時間ですが……差し支えなければ『姉』と過ごしたいのですが」
彼女の視線の先にいる伊勢。彼女はコーヒーカップを持ちながらガタガタと青白い顔で震えていた。
私は思わずブルネイを見た。彼は黙って頷く。
それを受けて私は日向に言った。
「事情は分かっているよな?」
「はい。本当の姉ではありませんが、しばらく側(そば)に居てやりたいのです」
「分かった」
私が許可を出すと日向は珍しく微笑んだ。
「感謝します」
そう言って敬礼した。
「ごめんなさい日向ぁ、面倒かけるね」
ベンチで震えながら伊勢は見上げて言った。
「問題ない、伊勢」
日向は微笑む。
この二人は本当の姉妹ではない。だがそのやり取りで安堵した空気が流れた。
すると急に背後から声がした。
「司令、アタシも良い?」
振り返ると龍田さんが、もう一人の『自分』の手を取っていた。ブルネイの量産型か。
(うむ,何となく別の龍田さんのほうが大人しい印象だな)
私は先ほどよりは落ちついてブルネイの顔色を伺った。
彼は改めて頷いて言った。
「OKだ。龍田も比叡も、みんな美保の姉妹たちと過ごすべきだろう。全員許可する」
「素敵っぽい」
思わず夕立が小躍りしていた。
直接、お前には関係ないのだが……そのストレートさは夕立らしい。
「お前の『2号』がこの場に存在していなくて本当に良かった」
思わず言ってやった。
「ぽい?」
私の想いが理解できず首をかしげる夕立。
「いいよ、深く考えるな」
私は打ち消すように手を振って肩をすくめた。
聞くと日向たちは『量産型姉妹』の面倒を見るという。
許可も出ているから後は任せよう……赤城さんと夕立その他、現場を見学していたメンバーは取り敢えず敬礼をして地下を出た。
私たちは廊下でブルネイの吹雪とすれ違った。
彼女は感動した表情を浮かべた。
「す、すごいです赤城さん……私も、あんな風に強くなりたいです!」
「そうね。頑張ってね」
正規空母は微笑んだ。
「はい!」
笑顔を返す駆逐艦。
だが、はしゃぐ吹雪を見た赤城さんは複雑な表情を浮かべていた。
(吹雪さんは駆逐艦。すぐ逝くってことはないわよね……)
そんなことを思っているのだろうか?
(……いや、そういうのは縁起でもない)
私は思わず自分の考えを否定した。
(絶対に、そうあって欲しくない!)
純粋にそう感じた。
そんな私に赤城さんが歩きながら話しかけて来た。
「つらいです司令……運命には抗(あらが)えないのでしょうか」
「そうだな。私も辛い」
なぜか赤城さんを前にして本音が出た。
もし、ここが公的な場でなければ彼女と二人で抱きあって泣き出していたかも知れない。それほど胸の詰まる一時だった。
以下魔除け
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説明 | ||
演習が終わって戻ってきた艦娘たちは量産型艦娘を心配している。自由時間も彼女たちと過ごしたいと希望するがブルネイは……。 | ||
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