ビーストテイマー・ナタ18 |
アラヴェスタに帰還して、随分と日にちが流れました。
「今日もダメだった…。街で声をかけまくって女友達は増えたが、そもそも私には恋愛経験が乏しすぎて、女性の扱い方がわからない」
「もうすぐ一ヶ月経っちゃうよー。まだおじさんには恋人が出来ないの?」
「こんな難しい試練は生まれて初めてだよ…。今までどんな試練でも達成して来たのに、初めて達成出来ずに終わってしまうのか」
「ナタが大人の女の人になれる魔法を覚えたから、おじさんの恋人になってあげるよー」
「そんなズルをしてフォン様の目を欺くのは、騎士道精神に反しているからダメだ」
ナタは呪文を詠唱すると、大人の女性に変身しました。急に大人に成長したので、服が破けてしまいます。
「見て見てー!すごいでしょ?」
「早く前を隠しなさい!目のやり場に困る…」
ゲイザーはそっぽを向いて、毛布をナタに向かって投げました。
「これでチャーミングの魔法も使えるようになったの」
「まだそんなバカな魔法を勉強していたのか?もっと役に立つ魔法を覚えなさい!」
「えーっ!役に立つと思うんだけどなぁ」
「役に立つ立たない云々より、お前にはそんな魔法使って欲しくないのだよ?」
「だって昔、悪い魔女が王様にチャーミングの魔法をかけて、その国は本当に大変な事になってたんだよ?それくらいにすごい魔法なんだから!でもおじさんみたいに強い剣士が魔女を倒したんだってー」
「わかった、わかった!確かにすごい魔法である事は認めるが、そんな魔法は金輪際、使わなくてよろしい!」
「どうして?おじさんだってチャーミングの魔法をかけたら、なんでも言いなりになっちゃうんだよー。こんな強い魔法ないでしょ?」
「ところでその剣士はどうやって魔女を倒したんだ?」
「それは誰も知らないみたい…。でもその剣士は極悪人って街では言われてて、手配書で最高額の賞金がかけられてたんだってー」
「そりゃそんな魔女を倒すくらいだから、相当の手練れだろうな。最高額の賞金っていくらだったのだろう…」
「何億もしてたらしいけど、どんどん跳ね上がってたらしくて、でも魔女を倒したから賞金は取り下げられたって、歴史の本には書いてあったよ?」
「何億も…。そんな剣士がいたら一度お手合わせを願いたいものだな。上手くしたら一生遊んで暮らせる金が手に入るわけか」
「おじさん、その剣士を倒せるの?」
「いや、勝てる自信は全くないが興味はある」
ナタの服が破れてしまったので、ナタを宿屋に留守番させて、ゲイザーは女物の服を買いに行く事にしました。
…つづく
説明 | ||
昔、書いていたオリジナル小説の第18話です。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
109 | 108 | 0 |
タグ | ||
リュートさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |