ビーストテイマー・ナタ36 |
二人は思い出の夜のように、熱い抱擁と接吻を何度も繰り返しました。
「フラウ、今夜は寝かせませんよ?」
「ふふ、この日が来るのをどんなに待ちわびた事か…」
「私はなぜかあなたの魅力には抗えない…。あの日もそうでした…。どうしても我慢できなくなって…。神に仕えるシスターにあのような真似をしてはいけないと、いくら自分に言い聞かせても抑えきれませんでした…」
「私も同じです。シスターになってから、清廉潔白を貫いて来ましたが、そんなものはどうでもよくなるほど、あなたを求めていたのです」
「もしやフラウはチャーミングの魔法を使えるのか?もしそうなら恐ろしい人だ…」
「いいえ。私は魔法は使えません。例え使えたとしても、愛する人の記憶を操作してまで、自分のものにしたいとは考えないと思います。私が望むのは愛する人の幸せだから…」
「私はあの後、激しく後悔していました。なんと愚かな行為に及んでしまったのか?とあの時の自分を責め続けていました…」
「私は後悔などしていません。例え神に背いたとしても、人を愛する事を咎めるような神を信じるつもりはないからです」
その頃、ナタは別の部屋でアークと一緒に話していました。
「おじさん、お姉さんのお部屋にいるのかな?なんかエッチなこと考えてる気がする…」
「今日はお二人の初夜ですので、そっとしておいて差し上げましょう」
「おじさんがエッチなこと考えてる時ってナタにもわかるんだから!」
「そうですね…。使い魔からの言霊が飛んで来るのですか?」
「うん、だからナタもおじさんの為に魔法でお胸をおっきくしたんだよー?でもナタよりお姉さんのお胸の方が良いみたい…」
「ナターシャ様はフラウ様に嫉妬なさっておられるのでしょうか?」
「嫉妬ってなぁに?」
「人を愛するが故、他の者に奪われることを畏れる感情のことです」
「うーん。ナタ、おじさんとずっと一緒にいたいだけなのー。お姉さんと一緒にいる時はナタが邪魔者扱いされるから嫌なだけー」
「今は私がナターシャ様のおそばにおりますので、ゲイザー様の代わりと思って我慢してくださいね」
「うん、良いよー。アークとおじさんってなんか似てるから。アークの方がカッコ良いけど」
「私もそう思いました。ゲイザー様とは気が合いそうだなと、オズワルド様の部下として働いていた頃から感じておりました」
…つづく
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昔、書いていたオリジナル小説の第36話です。 | ||
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