真・恋姫†無双〜黒の御使いと鬼子の少女〜 61
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「と、これが鈴々との出会いでした」

「なるほどねぇ」

 

 そう言って俺は茶をすすった。話の途中で立ち話もなんだからと茶屋に入って話を聞いていたのだ。

 

「……何時ぞや俺が聞いた質問、すでに鈴々は身をもって知っていたんだな」

 

 公孫賛のところにいた時、移動のさなかにした質問を思い出した。

 

「ええ。あの時、正直言えば私も肝が冷えました。天の国の方は私たちの過去すら見通すのかと」

「な訳ないだろ。にしても、知らなかったとはいえ悪いことしちまったな……」

「当人は気にしてないと思いますよ。それに、あの時のお詫びはもうしているではありませんか」

「そういやそうか」

 

 あの時の奢った額は今でも思い出したくない。

 

「んで、その後で桃香と出会ったのか」

「ええ。とは言っても二人で旅立ってそれなりに名が通り始めた頃、でしたが」

「そんなに後だったのか?」

「そうですね。大体玄輝殿とご主人様と出会う二月前ぐらいでしたか」

「思ったより短いな!?」

 

 てっきり一年くらいは一緒にいるんじゃないかと思ってた……

 

「そうかもしれません。ですが、時間など関係ないと思えるほど私たちにとっては濃い時間でした」

「そうか……」

 

 正直、うらやましいと思ってしまう。ないものねだりという奴だろう。

 

「で、どんな出会いだったんだ?」

「そうですね、あれは山間の村へ向かっているときの事でした」

 

………………………

 

……………

 

……

 

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「にゃぁ! 愛紗!」

「どうしたっ!」

「村に火が上がってるのだっ!」

「くっ! 間に合わなかったか!」

 

 私たちは山賊が暴れ回っていると聞いて村に警告と護衛のためにその村へ向かっていたのですが、時すでに遅く、山賊が襲っている最中でした。

 

「急ぐぞっ!」

「合点なのだ!」

 

 全力で村まで走ってたどり着いた私たちが見たのは想像していたのとは違った光景でした。

 

「これは……?」

「にゃあ? 死んでいる人がいないのだ……」

 

 そう、いくら見渡しても村人が見つからないのです。死体すらも。

 

「これは一体……?」

 

 何があったのか、どういった状況なのかを考えようとした矢先でした。

 

「こ、こっちに来ないで!」

「愛紗!」

「ああ!」

 

 大声の聞こえたほうへ行くと、百人はいるだろう山賊の前にたった一人で村人を背に剣を構えている桃香さまがいたのです。

 

「こぇ〜 俺、思わず小便ちびっちゃうぜぇ」

「おいおい! その粗末な槍は洗っとけよ! でないと後の奴が気持ちよくねぇだろ!」

「ちげぇねぇや」

 

 まさしく下衆の笑い。でも、それでも桃香さまは決して下がろうともせず、剣を握る手に力を込められていました。

 

「お、おねぇちゃん!」

「だ、大丈夫! 大丈夫だから!」

 

 後ろから心配している子供にそうは仰っていましたが、足は震えを抑えるのに必死なのは遠目に見ても明らかでした。

 

「はっ! その度胸は買ってやるよ。でも、お前はここで俺たちの慰み者になるんだよ!」

 

 そう言って山賊の頭らしき触れようとしたので、二人して切り伏せてやりましたとも。

 

「な、なんだてめぇ、ぎゃあ!」

「黒の長髪に、赤髪のちび……!」

「こ、こいつら、“山賊狩りの黒赤母娘”だぁ!」

「“誰が”母親だぁ!」「ちびなのだぁ!」

 

 …………玄輝殿? 笑いを抑えているように見えるのは気のせいですか? そうですか。え?“その通り名を言い出した山賊の感性を疑ってただけ”ですか。ええ、そうですね! そうですとも! 大体、私は殿方とそのようなっ……!

 

 ……こほん、では、続きを。山賊をすべて切り伏せたあと、私は村人と桃香さまに近寄ったのですが、その時思いもよらない言葉が飛んできたのです。

 

「……お二人は、そんなに強いのにどうしてもっとたくさんの人を救おうとなさらないんですか?」

「“…………”」

 

 二人して唖然としました。てっきり感謝されるものだと思っていたのですから。

 

「それだけ強いなら、私、もっとたくさんの人を救えると思いますっ!」

 

 その時、私の心に風が吹きました。多分、自分の限界を勝手に決めていた私の器が壊れたのだと思います。そして今まで救世主気取りでいた自分を強く恥じました。

 

「どうして世の中を変えようって思わないんですかっ! それだけ、それだけ力があるのに……っ!」

 

 桃香様は、敵を知り、己を知り、それでもなお戦う強い意志を持っていらっしゃいました。でも、知っているからこそご自身の無力を痛感されていたのでしょう。

 

 そんな涙を流す桃香様を見て私たちに“志”が生まれたのです。

 

“このお方と共にこの悪雲立ち込める世を正す”

 

 そんな志が。

 

………………………

 

……………

 

……

 

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はいどうもおはこんばんにちわ。作者の風猫です。

 

今度は桃香との出会い編でした。

 

「……白蓮と一緒に勉強していた時はかなり成績が良かったようだし、大人数を逃がすにはどうしたらいいかを考えるくらいはできるはず!」と考えて書いてみました。

 

話は変わりますが最近やっているPUBGモバイル。

 

全 然 ド ン 勝 で き ね ぇ !

 

……実は作者、生き残ることを優先しすぎて知らぬ間に実力以上のレートになってしまったようで、50位に入れるか入れないかが珍しいくらいにまで戦績が落ちてしまいましてorz

 

で、どうにか自分の実力相応っぽいレートにまで戻せたのですが、やはりドン勝できず……

 

いつになったらドン勝できるのやら……

 

まぁ、いつかはできるでしょう。いつかは。

 

では、こんなところでまた次回。

 

何かありましたらコメントにお願いいたします。

 

 

 

説明
白髪の鬼子と黒の御使いの、守るために戦い抜いたお話

オリジナルキャラクターが蜀√に関わる話です。

大筋の話は本編とほぼ同じですが、そういったのがお嫌いな方はブラウザのバックボタンをお願いします。































ちゃんとオリジナルの話もありますよ?(´・ω・)
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コメント
はこざき(仮)さん>>実は、この投稿をした次の日に無事(対人戦での)初ドン勝できました! 長かった…… 汚物は消毒プレイは流石にできないですね……(風猫)
愛紗が母親扱いは笑いましたw ここの外史の桃香は自分を知ってるのがまだいいですね、真の呉√なんて(苦笑) PUBGは地道に技術を上げるくらいしか方法はないかもですね、積極的に「汚物は消毒だー!」という訳にもいかないでしょうし…w(はこざき(仮))
タグ
オリジナルキャラクター 鬼子 蜀√ 真・恋姫†無双 

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