ビーストテイマー・ナタ77
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ゲイザーからお遣いを頼まれて、アークはナタと一緒にアラヴェスタの街へ、買い物に来ていました。街を歩いていると、若い女性たちから注目を集めます。

 

「見て見て!すごいイケメン…」

 

「でも背中に翼が付いてない?」

 

「そう言うデザインの鎧じゃないの?はぁ…、まるで白馬に乗った王子様だわ」

 

「でも子供が一緒にいるわ。子持ちって事?」

 

「えーっ!既婚者なんだー。ガッカリ…」

 

質屋に行くとゲイザーから預かった、銀の指輪を鑑定してもらいます。

 

「宝石はサファイアだな…。リングは一応プラチナのようだが、まあ十万が良いとこかね?」

 

「ゲイザー様も十万なら良いと言っておられました。それでお願いします」

 

「十日位内に一万、持って来なかったらコレ流すよ?」

 

「はい、それで良いです。現金が今すぐ必要なので…」

 

次にアークは魔法屋に行きました。ナタがビーストカードの置いてある棚に駆け寄ります。キラキラした虹色のカードが厳重に鍵をかけられたガラスケースの中に売られていました。

 

「アーク、これこれー!白いやつで良いよー」

 

「これですか…。一枚二万もするのですね。五枚セットの方、買って置きますか?セットだと八万のようですから、一枚分お得ですよ」

 

「うん、五枚買っておくー」

 

「何度も買いに来る手間も省けます」

 

「ウルトラレアカードも売ってるねー!」

 

「一千万もするのですか…」

 

「ふーん、じゃあアークも一千万なのかな?」

 

「私の値段はわかりませんね…。試しにあちらで鑑定してもらいますか?」

 

「うん!他のカードも鑑定してもらおっと…」

 

アークをカードに封印して、ナタはカウンターの鑑定師のところへ行きました。

 

「おじちゃん。これ、いくらで売れるのか鑑定してください!」

 

「ん?子供じゃないか…。どれどれ?珍しい、天使のカードじゃないか!」

 

「うん、ウルトラレアカードなのー」

 

「一体どっから持って来たんだ…。これなら五千万か、いや八千万は行くな…」

 

「じゃあ、他のウルトラレアカードはいくらなのー?」

 

「グリフォンは三千万でケルベロスは一千万くらいだな。ウェアラットは五百万ってとこか」

 

「ふーん、ありがとう!」

 

「売るんじゃないのかい?まあ子供が持って良い金額じゃないが…」

 

「この白いカード五枚セット買います!」

 

「金はあるのかい…。お嬢ちゃん?」

 

「うん、あるよー。はい、十万!お釣りちょうだい?」

 

「やれやれ、こんな子供に高価なビーストカードを与えるなんて…。どこぞの金持ちの道楽かな?世も末だ…」

 

…つづく

説明
昔、書いていたオリジナル小説の第77話です。
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