ビーストテイマー・ナタ85 |
ルーシーの背中に乗って、ナタとアークは火山の近くまでやって来ました。
「ここにドラゴンがいるのですね?」
「うん、この地図だと、ここら辺だと思うー」
「ドラゴン殿!おられるなら返事をしてください」
火口の中から噴火でもしたのかと思うほど真っ赤なドラゴンが飛び出して来ました。
「わしを呼んだか?愚かな人間よ…」
「私は天使のアークと申します。以後お見知り置きを」
「高貴な存在である天使がなぜ下賎な種族である人間などに従っている?」
「色々と複雑な事情がありまして、今は私の意思でこのお方に仕えております」
「ん?この子供は…なんと恐ろしい魔力の高さだ」
「はい、私もこの強大な魔力に魅かれて、このお方にお仕えする事に決めたのです」
「しかしこれはおよそ人間の魔力とは思えん。ごく稀にこのように魔力の高い人間が生まれてくるようだが…」
「普通の人間の魔術師の十倍、いえ百倍はあるでしょうか?オズワルド様の比ではありませんでした」
「百倍どころではない。今はどうやら魔力も暴走を抑える術が施されておるようだ」
「お師匠様が暴走を止める為に、ナタの魔力を九割カットしてるって言ってたよー」
「九割だと?なんと無茶な…。末恐ろしい子供だ」
「ナタが大人になったら魔力封じの魔法解いてくれるんだってー。そしたらナタ、超強くなるんだよー?」
「この魔法は魔王の復活を抑えるのに使われた事もある。魔力封じを施した術者も相当な手練れだな」
「お師匠様はナタが知ってる魔術師の中で、一番強いのー」
「ほほう、一度手合わせしてみたいものだな」
「おじさんも強い人と手合わせしたがるけど、なんでー?」
「ふふ、強い者は強い者と戦いたがるものなのだよ?弱い者が弱い者を虐げる」
「じゃあアラヴェスタの王様はめちゃくちゃ弱いって事?」
「フハハハハ!アラヴェスタ国王など、このわしにかかれば一捻りよ?赤子の手を捻るも同然だ」
「じゃあ、ドラゴンのお爺さん、アラヴェスタの王様、倒すの手伝ってー」
「わしを使い魔にしたいと申すか?」
「うん!だってドラゴンは強そうなんだもん」
「なかなか面白そうな提案だな?人間に従うのは癪だが、この子供の行く末を見届けたい気もする…」
「私からもお願い致します。ナターシャ様には強い仲間が必要なのです」
「よし、わかった!人間の寿命など、わしにとっては一瞬の事だ。ナターシャとやらが死ぬまで使い魔になってやろうぞ?」
ナタが呪文を詠唱してカードに真っ赤なドラゴンを封印しました。
「やったー!ウルトラレアカードゲット」
…つづく
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昔、書いていたオリジナル小説の第85話です。 | ||
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