ビーストテイマー・ナタ103
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ゲイザーとアークは魔法屋にやって来ました。アークは念の為にゲイザーを芸名で呼びます。

 

「ダーク、これがピーターです」

 

「これか…。しかしピーターだけ他のウェアラットより高いのはなぜだ?」

 

ゲイザーの背後に店主が近付いて来ました。揉み手をしながらゲイザーに話しかけて来ます。

 

「お客様、お目が高い!そのウェアラットは特別なんですよ?」

 

「店主よ、このウェアラットが高いのはなぜなのか答えてくれ」

 

「カードのステータスをご覧になればわかります。少々、お待ちください」

 

店主はガラスケースの鍵を開けるとピーターと他のウェアラットを机に並べました。カードに指を乗せるとカードの表面に数値が表示されます。

 

「ピーターはスピードのステータスが高いな」

 

「このスピードは異常です。これよりスピードが高いウェアラットは見たことがありません」

 

「なるほど、それで五百万も高いのだな」

 

「しかし割高ですので売れ残っていたのです」

 

「これをもらおう。現金で一括払いだ。身分証はないが構わないか?」

 

「一括払いでしたら、身分証は必要ありませんよ」

 

ピーターを買い戻すと店を出ました。

 

「ピーターが高くて逆に助かったよ。おかげで売れ残ってくれていた」

 

「次は楽器屋に行きませんか?ダーク用のリュートを買おうと思ってます」

 

「そうだな、騎士団の目を欺く為に多少は練習して置いた方が良いだろう」

 

楽器屋に来ると赤いリュートに近付いてアークは手に取ります。

 

「これがオススメですよ?」

 

「俺も店に入ってすぐそれが目に入っていた」

 

店員が近付いて来ます。

 

「それ人気がないから一万で良いよ?在庫処分したいんだ」

 

「人気がないのですか?安く買えるのは有り難いです」

 

「こっちの青いのは人気があるんだけどねー」

 

「僕のリュートはこれです。ナターシャ様が選ばれました」

 

「赤は裏にドクロの絵があるのだな」

 

赤いリュートの裏には死神のような鎌を持ってローブを着た、気味の悪い髑髏のイラストがプリントしてありました。

 

「それが不吉だからかな?人気が出ない理由はわからないが…」

 

「僕のリュートの裏は月と星の絵ですよ?表は翼の絵がありますね」

 

「そっちは天使をイメージしてあるんだ。お客さん、その背中の翼は衣装の飾りかい?」

 

「ええ、こう言うデザインの服です」

 

「俺はこっちの方が気に入った」

 

「確かにお客さんの衣装にはこっちの方が合ってるね」

 

赤いリュートを購入して家に帰りました。

 

…つづく

説明
昔、書いていたオリジナル小説の第103話です。
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