にか薬短歌詰め合わせ2 |
<短歌>
繊月に冴える魂喉元に深く斬り込む仕合い仕合せ
伝承でできたこの身の九割と九分は戦に残りは君に
仄暗く光る血塗れの刃ごと抱きしめるように寄り添うふたり
その矛盾、矜持ごと愛仕合うふたりの色はシリウスの青
その髪を彩るすみれの花飾り口付けひとつ特別を足す
この僕が幽霊切りで良かったと彼岸近くの君の手にぎる
この俺が彼岸に寄る身で良かったとはざまをたゆたうお前を繋ぐ
#恋は刀をなまくらにする
確かめてみようじゃねえか俺達で「恋は刀をなまくらにする」
君のその研ぎ澄まされた横顔に恋をしたのさ鈍らすものか
恋が刀をなまくらにするとしても僕がそれをさせはしないさ
#彼らはそれを幸福という
戦場で背を玉の緒を預け合い彼らはそれを幸福という
手合わせで血まみれ痣傷怪我まみれ彼らはそれを幸福という
千代八千代いつかこの身の朽ちるとき君に誇れる僕であるため
細き指伸ばして手繰る青柳絡められるはお前か俺か
愛も哀も口にせずとも相対し間合いに入ればあいだちもなし
薬指にじむ血汐で紅差して逃さないのはどちらかと笑む
君が毒ならば皿まで食らうまで相生きる今血だまりの上
背に負うるお前の咎は俺の咎行き別るとも同じ死出道
いにしえの千引きの岩のありかさえ知らぬ己に行く当ても無し
身罷りし時は違えど死出の道落ちるは同じ修羅と松風
<都々逸>
熱く小さな体の中の鋼の意志さえ抱きしめる
俺の柘榴はお前の右目俺を捕らえて離さない
天上花に願ってみても彼方の君へは届くまい
〈了〉
説明 | ||
短歌20首、都々逸3首。 twitterタグ、 #恋は刀をなまくらにする #彼らはそれを幸福という をお借りしています。 2015年11月28日 22:21 |
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刀剣乱腐 にか薬 短歌 | ||
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