ビーストテイマー・ナタ125 |
ゲイザーは侍女の一人を捕まえて尋ねました。
「お忙しいところ、すみません…。ちょっとお聞きしたいのですが、ミネルヴァさんと言う侍女はこの城で働いておられますか?」
「ああ、侍女長様のことですねー。ダーク様は侍女長様に何か、ご用ですか?」
「ええ、ちょっと知り合いに伝言を頼まれまして…。どこへ行けばミネルヴァさんにお会い出来ますか?」
「侍女長様なら控え室で帳簿を付けてると思いますけど…」
「よろしければ、控え室に案内してもらえませんか?」
「別に構いませんが、私のお願いも聞いてもらえますか?」
「えっ、お願いですか?俺に出来る事なら良いのですが…」
「アーク様とお話してみたいんです!宮廷楽士の控え室に、私をこっそり入れて欲しくて…」
「それくらいなら、お安いご用ですよ?」
侍女に案内されてミネルヴァのいる控え室に来ました。
「あなたがミネルヴァさんでしょうか?」
「ここは男子禁制です。出て行ってください」
「そうとは知らず、失礼しました…。お話があるので、場所を変えてお願い出来ませんか?」
「侍女は殿方と二人っきりで話してはいけないと言う規則があるのですよ」
「まさかそんな規則があったとは…」
「そんなの誰も守ってないじゃないですかー」
若い侍女が言いました。
「口ごたえするつもりですか?あなたはちょっと問題行動が多過ぎます!気を付けないと国王様の怒りを買って拷問を受けて首をはねられますよ…」
「ミネルヴァさんは規則に厳しいお方なのですね」
「早くここから出てお行きなさい。国王様に見つかったら、ダーク様も拷問を受けて首をはねられるかもしれませんよ?」
ゲイザーは仕方なく、宮廷楽士の控え室に戻りました。約束通り若い侍女を入れてあげます。
「アーク様、初めまして!」
「兄貴、こちらの女性は一体どちら様です?」
「アークのファンらしい。ちょっと話してやってくれ」
「ミネルヴァさんはもう、ここでは働いていらっしゃらなかったのですか?」
「いや、まだここで働いておられたが、規則に厳しい人のようだ。俺の身を案じて言ってくださった事だから、悪い人ではないと思ったが…」
…つづく
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昔、書いていたオリジナル小説の第125話です。 | ||
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