ビーストテイマー・ナタ126
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侍女はアークの腕に胸を押し付けて上目遣いで尋ねました。

 

「アーク様は侍女長様にどうしてご興味があるのですか?」

 

「ミス・アラヴェスタに選ばれた美女だとお聞きしたので、興味がありますね。今もお美しいのでしょう」

 

「そんなの三十年も前の話だから、もう白髪混じりのオバさんになってますよー?」

 

「歳を重ねても歳相応の美しさのあるお方はおられますよ?僕には心眼がありますので、内面の美しさの方が気になりますね」

 

「心眼?何ですか、それー」

 

「肉体は器に過ぎません。僕は魂を見る事が出来るのです」

 

「アーク様は誰かとお付き合いはされてるんですか?」

 

「いえ、僕は女性とお付き合いをした事はないですね」

 

「えーっ、信じられない!誰かから告られたりしなかったんですか?」

 

「人間の世界に来てから、よく告白を受けましたが、全てお断りしております」

 

「あー、もしかして…あの噂通りなのかな?」

 

「あの噂と言いますと?」

 

「アーク様がダーク様とお付き合いしてるって言う…」

 

「なぜそんなデマが…。兄貴には綺麗な奥さんがいますよ?僕にも片想いしている女性がいますし…」

 

「ハハ、女性はそう言う噂話をするのが、お好きですからね…」

 

ゲイザーは苦笑いしています。侍女はアークの腕から離れると言いました。

 

「えっ!ダーク様って、既婚者だったんだ…。アーク様にも片想いしている女性がいたんですね…。なんだかショック…」

 

「アイドルのゴシップは命取りですからね。この事はくれぐれもご内密にお願いしますよ?」

 

「ダーク様の背中には翼がないから、変だと思ってたんです。本当に兄弟ならダーク様も天使のはずでしょ?」

 

「俺は堕天使だから、翼がないだけですよ?」

 

「天使なのにダークって名前も変です!」

 

「それは芸名ですので、適当に名付けました」

 

「本名はなんて言うんですか?」

 

「それはトップシークレットです…」

 

「ダーク様はなんで堕天したんですか?」

 

「フフ、知りたいですか?」

 

ゲイザーは侍女に壁ドンしました。侍女はビックリして目をパチクリしています。ゲイザーは極悪人のような笑みを浮かべました。

 

「ここに来た事、後悔させてあげましょう…」

 

…つづく

説明
昔、書いていたオリジナル小説の第126話です。
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