続ビーストテイマー・ナタ前編 |
あれから時は流れ、十年後のマルヴェール。ナタは十六歳になっていました。毎日のように違う男友達と腕を組んで、家に帰って来ます。ゲイザーが怖い顔でナタを迎え入れました。
「また違う男か?この前の男は三日で別れてしまったな…」
「おじさんがコテンパンにのしちゃったから、私の事諦めたみたいだよ?」
フラウがそれを見て、こう呟きます。
「なんだか昔のフォン様にゲイザー様は似て来てますね…。私も男友達を家に連れて来たら、フォン様が勝負を挑んで…。その後、その子は私の事を避けるようになりました…」
「私に勝てないようではナターシャを守る事は出来ないからな…。もちろん手加減などする気はないよ?」
「ゲイザー様に勝てるような子は滅多にいませんよ?」
ナタの男友達はゲイザーに勝負を挑まれて、マルヴェール闘技場に連れて行かれました。
「ナターシャちゃん、ゲイザー様を止めなくて良いの?またあの子も負けちゃうわよ…」
「別に私も言い寄られて困ってたから、おじさんに勝てたら付き合うって言ってるだけだし」
「でもナターシャちゃん、腕を組んで仲良さそうにしてたじゃない?」
「その方がおじさんも本気出すでしょ?」
「ナターシャちゃん…。もしかして小悪魔なのかしら…?」
「おじさんより強い男じゃなきゃ私も付き合う気ないしー」
「ナターシャちゃんは気になってる男の子とかいないの?」
「うーん、身内の男がハイクオリティだと、他の男がクオリティ低く見えちゃうのよねー。おじさんもアークもヤバいくらいのイケメンじゃん?あれを超える男となると、ちょっとその辺の男じゃ無理かなー?」
「そうね…。メサイアの人気は十年経っても衰えてないし…。ゲイザー様はもう三十八になるけど、アークは歳を取らないように見えるわ」
「私も十年前は子供だったから、必死でおじさんの気を引こうと頑張ったけど、フラウおば様に盗られちゃったし…」
「あら、ナターシャちゃんの初恋の相手ってもしかしてゲイザー様だったの?」
「だって勇者の波動を持つ者なんて世界で五人くらいしかいないんだよ?世界に男は三十五億いるけど、その中の五人って確率どんだけ低いかわかる?」
「確かにゲイザー様より素敵な人なんて、この世に二人といない気がするわ…」
「私みたいな天才美少女に釣り合う男なんてそうそういないし、アークとなら別に付き合っても良いんだけど」
「ナターシャ様!そ、それは本当ですか…?」
そばで聞いていたアークが思わず聞き返しました。
「でもおじさんに勝たないと許してもらえないかも?」
「ゲイザー様に勝負を挑んで参ります!」
…つづく
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ビーストテイマー・ナタの番外編です。 | ||
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