刀剣短歌詰め合わせ4
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#過去なんかどうでもいいじゃないですか

 

「過去なんかどうでもいいじゃないですか」君はそう言う遠い目をして

 

 

過去なんかどうでもいいじゃないですか笑っていられる今があるなら

 

 

「過去なんかどうでもいいじゃないですか」全て飲み込みひと息に言う

 

 

「過去なんかどうでもいいじゃないですか」君に二度目の「初めまして」を

 

 

過去なんかどうでもいいじゃないですか(お願いだからそっとしていて)

 

 

 

 

#彼らはそれを幸福という

 

平和、自由、おなかいっぱい食べること彼らはそれを幸福という

 

【左文字兄弟】

 

 

最期まで見守り決して使われぬ彼らはそれを幸福という

 

【懐刀】

 

 

 

粉々に砕けた鉄の塊がお前ではない何かになった

 

 

すくってもすくっても零れ落ちていく命とかけて君ととくこころ

 

 

言の葉の散る散る満ちる幸いはあはひに揺らぐ我らは付喪

 

 

左様なら涙はけして流さぬよ刀が錆びては笑えぬものな

 

 

目を閉じて手探りで触れ合ってみるひとの体はこんなにやわい

 

 

誰そ彼より彼は誰までは彼の時にっかりの名の元に斬る影

 

【にっかり青江】

 

 

ふるさとを調べの中に携えて花の都の友と道行く

 

(祥子先生の『湖沼を揺らす子守唄』を読んで)

 

 

真白なるおろしたての足袋眩しい日飲み過ぎたものが叱られている

 

 

冬枯れの木立に赤く咲く花の首ごと落ちて我誘ひけり

 

 

都々逸

 

命燃やして儚く消える人に仕えて幾百年

 

 

〈了〉

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2016年1月12日 21:03
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