東方天変陽 第ニ話・龍神様の使者2 |
ここは、水源郷。
水源郷が出来た六日後の事。
ノイ「私は龍神様の使徒であり、”白人 ノイ”という者だ。ここ、水源郷の((主|ぬし))の静玉はいるか?」
白い服を着こんだ肌が異常なまでに白い、黒髪の少女がこう語った。
そのノイと名乗る少女が目で静玉を探す。
静玉「私よ。いかめしすぎる((挨拶|あいさつ))ね。」
静玉が名乗りを上げた。
ノ「これは失礼した。好戦的な連中ばかりの様だ。」
静玉が疑問を投げかける。
静「ところで、((詮索|せんさく))するようで悪いけれど、どこから来た人よ。」
この質問に対してノイは答える。
ノ「幻想郷の((天|そら))から来た者だ。
・・・これでいいか?」
静「・・・ええ。立ち話は何だから空をとびながら話してね?」
水源郷には住居となる家が無いのだ!
だから、風を切って飛ぶ事が一番の安心に((繋|つな))がるのだ。
その他大勢を置いて、静玉とノイの二名は大空を飛びながら停止する。
ノ「龍神様があなたをお呼びだ。
静玉、幻想郷の天まで来て欲しい。」
そのノイの言葉を聞くなり、静玉は息を飲む。
静「龍神様に私の言葉がきっと届いたのね。・・・それでいつ出発するのよ?」
ノ「明日でいいか?」
静「明日で大丈夫よ。」
ノイは承諾を得た後も話を続ける。
ノ「後、((無駄|むだ))話をするが、聞き流して欲しい。
龍神様・・・九〇龍神様すなわち、ましも様は龍体と人間体を使い分けておられる。
だから、お会いするのは人間の姿だ。
ましも様は((?|ほう))という道具を使っておられる。
これは幻想郷と外の世界をつなげる力を持った道具だ。
変陽と空寝もこの?で幻想入りしているようだ。」
静「変陽と空寝を知っている!?」
”変陽””空寝”というキーワードに静玉は反応する。
静「なぜ、変陽と空寝を知っているのよ?」
ノ「ましも様ほどの神格ではないが、私も又、神だからだ。」
ノイの発言に静玉が驚く。
静「あなたは神だったのね。」
ノ「続けてもいいか・・・。
良い様だ。
今回、あなたが呼ばれた理由は?によって大量の幻想入りがあった事も関係する。
まあ、それは良い。
それより、あなたの他にましも様は、変陽をも求めている様だ。」
”求める”という言葉に静玉は恐ろしさすらも感じる。
静「求めるって何よ。」
ノ「要請という事だ。
頼み事がお有りの様だ。」
”頼み事”という言葉に静玉は面食らう。本来ならば、こちらが頼み事をする側だからだ。
静「そんな頼み事なんて・・・。
それで変陽は今その辺りにいるようだけれど、どうするのよ。」
静玉は、妖怪を((掌握|しょうあく))し、((把握|はあく))する程度の能力を持っている。それで、察知したようだ。
ノ「出来れば説得して欲しいが、無理は禁物だ。彼女がいなくても別に良い。」
水源郷にて一人だけ女言葉を使う静玉になぜか気を使うノイの「無理は禁物」という言葉に可笑しさを感じて、ノイを静玉は注視するが、特に表情を変える事が無く、明確に気を使う意思があったかは分からなかった。
そして、ノイを意識するのはとりあえずやめて、その辺りにいる変陽を意識し始める静玉だった。
説明 | ||
幻想郷の東方。 そこにある草原郷が龍神様によって水没させられてしまった。 その水没した辺りを水源郷と賢者は定めた。 その水没して出来た海のような湖を界面湖と言う。 その界面湖と水源郷を巡る話。 |
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