にか薬短歌詰め合わせ4
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なみなみとかたみに注ぐ盃に映るけしきは春の夜の夢

 

 

月映えの吾が背子の身に積もりては跡も残さず消えゆく六花

 

 

君の首に手を触れることを許される僕はこの手を差し出している

 

 

雪もよに火鉢をはさみ語り合う話はやっぱり戦の話

 

 

投げつけた雪玉あっさり避けられてそれでこそだとニヤリと笑う

 

 

頭から爪の先まで刀なる鏡写しの我らが矜持

 

 

朔の夜の見回り手当はつくのかとぼやきながらも付き添う君と

 

 

君をまるで標本箱の蝶のごと縫い留めし者の血を浴びに行く

 

 

もういない君の愛した僕のままいることだけが君とのよすが

 

 

人真似を始めひととせ白鞘の頃のももとせ 君とのおうせ

 

 

あの炎からの誘惑 飛び込めば君とひとつの鋼になれる

 

 

いつだって見送る側に立つという誓いは君には教えてあげない

 

 

君のその小さな体の全身で伝える全てを愛しく思う

 

 

擦り上げも銘を失くしたことすらも誇りに思うお前が好きだ

 

 

あんまり春らしくはねえなとつぶやいて春巻きかじる愛しい刀

 

 

地下深く根を張りいつか根の国に届けばいいと綿毛を飛ばす

 

 

あのときに永遠に喪ったはずの君の影が僕を苛む

 

 

夜半過ぎ遠征帰還二振りの厨でつつく鮭茶漬けかな

 

 

背に傷を付けられるのは唯ひとり互いにそっと残す爪痕

 

 

俺の居ぬ間に折れるなと伸びもせぬ髪に願掛けもしくは呪い

 

 

あの日より再び会える時までと決して口にしなかった名前

 

 

君なくてこの名は広く伝えども飛梅になることはあるまじ

 

 

枕元ただに自分の気休めにせめて悪夢を見ないでと小鈴

 

 

流星はあまたの望み託されて燃え尽きる前眩しく光る

 

 

酔ったふりして呟いた「ごめんね」は音の形を取らずに消えた

 

 

 

俳句

 

好物は隣に移す鮭の皮

説明
にか薬って何でできてるの?
にか薬って何でできてるの?
美しさ、気高さ、信頼、
それから血生臭いものぜーんぶ
そういうものでにか薬はできてるよ

What is Nikayaku made of?
What is Nikayaku made of?
Beauty, gallantry and belief
And all that's reek of blood,
That's what Nikayaku is made of.

2016年3月11日 22:42
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刀剣乱腐 にか薬 短歌 

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