PokemonSM Cosmos Epic 04:はじめの試練
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第4話 初めの試練

 

課外授業の中で、ヨウカはタツベイを、ハウはキャモメをそれぞれゲットした。

そのトレーナーズスクールの帰り道、ポケモン研究所に寄ったヨウカとハウは、イリマから島巡りへの挑戦を奨められたことをククイ博士に相談した。

 

「ほぉー、島めぐりに挑戦かぁ・・・!

島巡りはいいぜ、君達にとってもいい経験値になるだろうしな!」

「あたしも、その島巡りっていうのに挑んでいいんですか!?」

「もちろん!

ヨウカ、早速興味津々のようだな!」

「はい!」

 

島巡りに興味を持つヨウカに、ハウがその説明をする。

 

「島巡りはねー、アローラの子どもが11歳になるとその資格が得られるんだー!

そしてたくさんの試練に挑んでー、決められた数の試練に勝てたらー、それぞれの島にいるしまキングやしまクイーンと戦う大試練に挑めるんだよー!」

「へぇー・・・!」

 

その説明を聞いてヨウカはさらに興味がわいたらしい、目を輝かせた。

 

「ハウも、島巡りに挑戦するのか?」

「うん!」

「よし、じゃこれを2人に渡さなきゃな!」

 

そう言ってククイ博士が取り出し2人に与えたのは、なにかキーホルダーのようなもの。

革紐に通された装飾は金の縁で追われていて、黄色、ピンク、赤、紫の4色の模様が描かれていた。

 

「これってなんなん?」

「それはねー、島巡りの証だよー!

それをつけてるとねー、島巡りするポケモントレーナーだって認識してくれるんだー!」

「そうなんやー。

じゃバッグにつけとこ」

 

そう言ってヨウカはウェストバッグにそれをつける。

 

「そうだ、これから挑戦するならこれを持って行くといいぜ」

「これは?」

「ポケモン図鑑というアイテムさ!」

「ポケモン図鑑!」

 

ポケモン図鑑というのはヨウカも聞いたことがある。

ポケモンに関する様々なデータが搭載されたハイテクな道具であり、出会ったポケモンのデータを見せてくれたり、捕まえたり出会ったりしたポケモンを記録していってくれるのだ。

ヨウカがその赤い機械をまじまじと見つめていると、博士のパソコンのモニターから一匹のポケモンが姿を見せた。

 

「あれ、このポケモンは・・・」

「ロトムっていうんだ、色んな電化製品に入り込んじゃう中々変わり者なポケモンだぜ。

・・・その図鑑、しっかり持ってろよ!」

「え」

「でんこうせっかのごとく、くるぜ!」

 

博士のいうとおりに図鑑を構えていると、そのロトムはポケモン図鑑を発見し標準を定めると光速でポケモン図鑑につっこんできた。

 

「ひゃあ!」

「ヨウカ!」

 

そのロトムにびっくりしてヨウカは身体をよたつかせたが、ハウが駆けつけて彼女の身体を支える。

すると赤いポケモン図鑑は宙にとびあがり、徐々にその姿を変えていった。

 

「アローラッ!

ボクはロトム、ヨロトシクー!」

「うひょぁ、しゃべったーーーっ!」

「しゃべったよー!」

「トウゼンロト!」

 

ポケモンがしゃべるなんて聞いたことない、とヨウカとハウは驚きの声を上げるが、ロトムはマイペースに話を進める。

 

「これからヨロトシク、ヨウカ!

イッショにシマメグリ、ガンバルロトー!」

「う、うん!

よろしくね、ロトム!」

「わー、すっごい面白いことになったー!」

 

戸惑いながらも、ヨウカはそのロトムを受け入れ一緒にいくことを決めた。

 

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あのあと、帰宅してから母に新しい仲間であるタツベイと、ロトム図鑑を紹介したら母は家族が増えたと大喜びした。

そして島巡りに挑戦することを告げると、それもまたいい経験だと言って彼女の旅を許した。

時々でも、ちゃんと連絡を入れることを条件にしながら。

その日の夕食はハウの一家と一緒だった。

二人の島巡りへの挑戦、その始まりをみんなでお祝いし激励を送ったのだ。

 

「イリマさーん!」

「おや、ヨウカさん」

 

そして翌日、島巡りの第一歩としてヨウカはキャプテンであるイリマのもとを訪ねた。

彼のそばには、彼の友人であるセイルの姿もある。

 

「あ、えーっと確か・・・セイルさんでしたよね!」

「覚えていてくれたのか・・・ヨウカ」

「もちろんですよ!

ってか、あなたも覚えてくれてたんですね!」

「ああ」

 

セイルは、ヨウカのバッグについているものに気付き目を見開かせる。

 

「それは、島巡りの証か・・・」

「では・・・あなたも島巡りに、そして試練に挑むのですね!」

「はい!

イリマさん言うてましたよね、キャプテンが試練を与えるとか!」

「はい、言いましたよ。

そしてあなたが島巡りを手に入れた今、僕はあなたに試練を与えます!

準備はいいですね!」

「はい、あたしもポケモンも、このロトムもやる気満々です!」

 

ロトム図鑑をみせるとイリマは興味津々にしていたが、キャプテンとしての本業を思い出し彼女をある場所へと案内する。

彼につれてこられた先にあったのは、洞窟だった。

 

「さて、ここが僕の試練の間です」

「ここが・・・」

「あなたがこれから挑む、イリマの試練は・・・この洞窟に住まうヤングースとデカグースと戦いそして、奥にあるZクリスタルを手にすることです!」

「Zクリスタル?」

 

なにそれ、とヨウカは首を傾げつつ試練の内容を確認する。

 

「と、取り敢えず奥にあるそのなんとかクリスタルっていうのを手に入れればええんですよね!?

あたし、頑張ります!」

「はい、頑張ってきてください」

 

いってきまーすと言って、ヨウカは意気揚々と茂みの洞窟へはいっていった。

その姿を見送ったセイルは、ぽつりとつぶやく。

 

「・・・島巡り、か・・・」

「セイル?」

「・・・不快な輩が妨害してくるかもしれないから、見回りにいってくる」

「僕もお手伝いしますよ、島巡りをするトレーナーを守るのも、キャプテンとしての仕事ですし」

「ああ・・・」

 

そう言ってイリマとセイルは行動を起こした。

 

「では僕はこちらを見回ってきます」

「ああ、俺はこっちをみてくる」

 

そうイリマと言葉を交わした直後にセイルはある一点をにらみつけつつ、ボールから一匹のポケモンを出す。

 

「そこにいるのだろう、スカル団!」

「ありゃ、ばれちまったッスカ?」

「バレバレだ、くそ野郎どもが」

 

そこにいたのは、コラッタをつれたスカル団だった。

 

「せっかく、島巡りのトレーナーを妨害して、できないようにしようと思ってたんスカ」

「させるかクズめが」

 

彼が出したくさとゴーストを併せ持つポケモン、ジュナイパーだ。

モクローの最終進化系であるそのポケモンは、主人と同じようにスカル団とそのポケモンを強くにらみつける。

ジュナイパーが相手を捉えたのを確認したセイルは、そのままジュナイパーに技を指示した。

 

「ジュナイパー、はっぱカッターだ」

 

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茂みの洞窟は、薄暗くはあったものの決して視界に不便があるわけではなく、天井の岩の隙間から太陽の光が射し込んでいる。

この試練を達成するための第一歩としてヨウカはヤングースを探していると、彼女の前にそのヤングースが2匹そろって姿を見せた。

 

「ニャーくん、ほのおのキバ!

タツくんはずつきだよ!」

 

ニャビーのニャーくんはほのおのキバ、タツベイのタツくんはずつきでヤングースを一匹ずつ倒していく。

ちなみにタツくんというのはタツベイのニックネームであり、タツベイの男の子だからこういう名前になったという、ニャーくんと同じ由来だった。

 

「こんどはデカグースがでてきたロト!」

「デカグース・・・!」

 

さらにヤングースの進化系であるデカグースが姿を現したが、タツくんもニャーくんも戦う姿勢をゆるめない。

 

「タツくんひのこ!」

 

ここはタツくんに任せてひのこを指示し、デカグースを攻撃する。

デカグースはその一撃に耐えるとタツくんに飛びかかりかみついてきたが、タツくんはそれに対し同じ技で対抗する。

 

「かみつきあってるロト・・・」

「押せ押せタツくーん!」

「たんべぇーーい!」

 

ヨウカの声に答えるようにタツくんはデカグースをさらに強い力でかみつき、そのまま空中にデカグースを放り投げた。

 

「そこに決めちゃえ、ずつき攻撃!」

 

タツくんは宙に放り出されたデカグースに強烈なずつきを決めて戦闘不能にし、ここで起きた戦いに終止符を打った。

 

「やったぁ!」

「さ、サキへススムロト!」

「うん!」

 

道が開けたことでヨウカ達は洞窟の奥へ進む。

洞窟の奥には開けた空間があり、中央には何か祭壇のようなものが設置されていた。

そしてその祭壇には、白い水晶がおかれていた。

 

「あれが、イリマさんがとってこいっていってたやつかなぁ?」

 

そう呟きつつその祭壇に近寄るヨウカ。

だが。

 

「きゃあ!?」

「ヨウカ!?」

 

そのときヨウカの前に謎の巨体が現れ、砂埃が舞い上がる。

その砂埃が消えた頃、彼女の目の前に現れたのさっきから遭遇していたのより遙かに大きいサイズの、デカグースだった。

 

「でっか!!」

「コレは、ヌシポケモンだロトー!」

「主ポケモンー!?

もしかして、ここにいるヤングースとかのボスってこと!?」

 

ほかのデカグースの倍くらいはあるんじゃないかと思うほどの体格を持つそのデカグースにびびりつつも、ヨウカは逃げるわけにはいかないと思いポケモンたちと顔を見合わせ頷く。

 

「ま、まずはタツくん、いって!」

 

ヨウカがだしたタツくんはまず、ずつきを食らわせる。

その一撃をデカグースは受けたが、反撃で出てきたリベンジを受けて、自分が与えた倍のダメージを受けてしまう。

 

「・・・ひのこ!」

「べいっ!」

 

今度は遠距離攻撃だ、とヨウカはタツくんにひのこを指示したがすなかけでかき消されてしまった。

 

「りゅうのいかり!」

 

続けて放たれたりゅうのいかりも、ヒットには成功した。

だがそれにもデカグースは耐え、タツくんに向かってかみくだく攻撃を食らわせて一気に大ダメージを与える。

 

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「うぅ、やっばいかも!

タツくんお疲れさま、戻って!」

 

タツくんが倒れる前に、ヨウカはボールを差し出してタツくんをモンスターボールに戻す。

 

「ニャーくん、行って!」

「にゃあ!」

 

今度はニャーくんをそこにだし、デカグースと戦わせる。

ニャーくんは場にでてすぐにデカグースに向かってひのこを放ちダメージを負わせ、そのままひっかく攻撃でダメージを与える。

直後デカグースはリベンジを使ってニャーくんにダメージを与えさらにいかりのまえばの後でかみつき、そのまま投げ飛ばしてしまう。

 

「ニャーくん!」

 

ニャーくんがとばされたときにヨウカは滑り込み、ニャーくんを抱き留めて思い切り転ぶ。

それによりヨウカは膝や肘に擦り傷を作り砂埃まみれになったが、ニャーくんをはなすことはしなかった。

彼女の行動にびっくりしたロトムは慌ててヨウカに近付く。

 

「だいじょうぶロト、ヨウカー!」

「こんくらい、へっちゃらだい!」

 

ヨウカは大丈夫だという気持ちをこめてにかっと笑ってみせる。

それをみたロトムはまだ不安を顔に出しており、ニャーくんは責任を感じてしょんぼりしたが、彼女の傷をみてからデカグースをにらむ。

 

「ニャーくん、まだいける!?」

「にゃぁぁあ!」

 

ニャーくんはデカグースの前にたち、デカグースに向かってほえる。

その口からは火が漏れ始めており、デカグースにたいし怒っているようだ。

 

「ニャーくん・・・!」

「にゃ!」

「よーし・・・決めちゃえニャーくん、ほのおのキバ攻撃!」

 

ニャーくんの表情でやる気を感じ受け取ったヨウカは技を一つ命じて攻撃に出す。

デカグースはそれにたいしひっかく攻撃で対抗しようとしたが、ニャーくんはそれを素早い動きで回避し、ほのおのキバを決める。

それによりデカグースの身体は炎に包まれ大ダメージを受け、そのまま倒れた。

 

「か・・・勝てたん?

あたしら、主ポケモンに勝てたん!?」

「そうだロト!

相手の体力はもう0だロト!」

「や・・・ったぁーーー!」

 

ポケモンバトルに勝利できたことに喜びつつ、ヨウカは祭壇におかれていた白い水晶に手を伸ばしそれを掴む。

その白い水晶はヨウカの手の中で輝き、その水晶の中にはなにかのマークが描かれていた。

 

「まちがいないロト・・・これが、Zクリスタルだロト!」

「いやったぁ!

試練達成だね!」

 

ヨウカはそのZクリスタルを握りしめながら飛び跳ねて、試練達成を感じる。

そしてニャーくんを見つめ、さっきのバトルの話をする。

 

「にしてもニャーくん、あのほのおのキバすごかったよねーっ!」

「ニャビーは、トレーナーのピンチにチカラをサイダイまでハッキするポケモンだロト。

だからこのこも、ヨウカのためにチカラをサイダイまでだしたんだロト」

「・・・そうなんだ・・・」

 

あの一撃がニャーくんの本気だったこと、そしてそれを自分のために出してくれたこと。

その二つの気持ちがうれしくて、ヨウカはふっと優しい眼差しと笑顔を浮かべてニャーくんを抱きしめる。

 

「ありがと、ニャーくん」

「にゃあ」

 

ニャーくんも、ヨウカの腕の中で気持ちよさそうに目を細める。

 

説明
このポケモン小説、需要あるのかどうかは知らない。
とりあえずまずは、イリマの試練に挑戦です。
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