東方天変陽 第一話・龍神様の御活動(総括版) |
水源郷の摩多羅 隠岐奈の家。
面積は何平方キロメートルもあり、その巨大な家々を隠岐奈の家と言う。
その一つに変陽は来ていた。
何もかもが終わった後、変陽は最初からの話を幻想郷の賢者の一人、隠岐奈に聞きに来ていた。
その和室の真ん中で隠岐奈と変陽は対面する形で、正座で座っていた。
隠岐奈はオフの格好、つまり、真面目くさった格好ではなく単色の衣服をそれぞれ身につけていた。
それは上が白と下が赤という巫女装束じみた構成だった。
対して変陽はいつもどおり、黄金に近い黄の上着と赤のスカートを着ていた。
髪色にして隠岐奈が金色と変陽が赤色が向かい合う。
変陽「聞かせて頂戴。ついこの間の大事変の事を。」
隠岐奈「水源郷が出来た辺りからの事だね?」
そのやりとりだけで、幻想郷の賢者の一人、摩多羅 隠岐奈はもはや語り出す。
物語は、水源郷が出来る直前まで((遡|さかのぼ))る。
事の発端は幻想郷の((天|そら))で始まっていた。
龍神様の意思はその郷の上で渦巻いていた。
その郷は幻想郷内の東方に位置していた。
その郷の名前は草原郷。
それゆえ、ある東方の草原(幻想郷唯一の草原)すなわち草原郷では、しとしとと雨が降っていた。
それが、やがて激しくなって来ると、やがて水源郷のぬしとなる漆黒の髪をした静玉がそれに気付く。
雨の振らない草原郷に大雨が降っている事で、これを
(これはもしや龍神様がなされている事では・・・・?)
と考える。
そして、龍神様に祈りを捧げる。
静玉「龍神様、龍神様。どうか、お気を静めて下さい。」
その祈りも虚しく、その内、一帯が水たまりの様に成っていくと、静玉は空を飛び、祈りを捧げ続ける。
静「龍神様、龍神様。何かご不満でしょうか?
私でよろしければ期待に((添|そ))えますように。」
その祈りも無視するように、さらに雨は激しくなって、水たまりは底が見えないようになっていく。
もはや、海のようなものに転じていく。
静「龍神様、龍神様、龍神様。私の郷が無くなってしまいました。
私はどこに住めば良いのでしょう。
どうか、どうか、お気を静めて下さい。」
もはや、激しい雨に声がかき消されてしまう。
やがて、海のような湖が出来上がる。
これが界面湖だが、まだ命名されてはいない。
海のような湖が出来上がった事がある天狗から博麗 霊夢の元に知らせとして届けられる。
ここは博麗神社。幻想郷の管理を任される巫女が住むところ。
霊夢「文?何か書いてあるようね。」
博麗神社内で霊夢はある文を読む。
その文には、
・幻想郷の東方で異変ではない大きな事変が起きた。
・これから、その場所に来てほしい。
・早速、準備をして来るように。
という事が書かれていた。
明確な場所は、幻想郷の東方の草原地帯と書かれていた。
名前は書いておらず、霊夢は名前も書かない伝言主にぷんぷん怒りながら、手紙の言う通り早速、準備して行った。
霊夢はいつもの巫女装束で空を飛ぶ。
霊夢は豪雨の中も構わず、((天|そら))の下を飛ぶ。
嫌な予感がする。
自分では止める事が出来ない何かが起ころうとしている。
((辿|たど))りついたそこには、海があった。
少なくとも、霊夢にはそれが海に見えた。
近くには幻想郷の賢者の一人・摩多羅 隠岐奈がいて、霊夢を手招きしていた。
霊夢は隠岐奈の横へ行くと、話しかける。
霊「これは一体、どういう事が起きているの?」
混乱しながら、たずねる霊夢。
それに対して落ち着いた様子で答える隠岐奈。
隠岐奈「あれは界面湖。龍神様御自らが命名なさったらしいな。」
霊「龍神様・・・・!?」
霊夢は龍神様の名を出され、改めて”事変”の巨大さを思い知る。
客観的視点による”変”だから”異変”ではなく”事変”で良い。
隠「そう、”事変”。幻想郷の賢者の一人として命名するが、この湖と周辺を”水源郷”と名付ける。
よって、この”事変”を”水源郷事変”と命名する。」
霊「私はこの水源郷事変は異変に含まないから手出しはしない。
そう、約束するわ。」
そう言って、博麗神社の巫女は水源郷事変から一歩引く。
これから起こるであろう小戦争は巫女の手によって解決される選択を永遠に失った。
霊「でも、この水源郷は、「東方の水源郷」として、幻想郷中に広めておくわ。
これも約束する。」
静玉「真面目な話をしているところで、悪いけど・・・・私の家が無くなっちゃったのよ。」
霊夢と隠岐奈の話に、唐突に、横槍が刺される。
霊「誰よ?」
静「私の名前は静玉。ここにあった草原郷に住んでいた者よ。」
霊夢の質問に実直に答える静玉。
隠「どうした? ああ、そいつか。」
静「隠岐奈!」
どうやら、隠岐奈と静玉は知り合いのようで、話が通じるようだ。
隠「自己紹介はしたようだな。」
静「当然よ!」
霊「あなた達もしかして仲良いの?」
隠岐奈、静玉、霊夢の順番で((喋|しゃべ))る。
そして、霊夢が直感する。
霊「隠岐奈?ちょっと耳を貸してほしいの。」
隠「何用かな?」
霊夢と隠岐奈が内緒話をする。
静「何よ。内緒話・・・・?」
その内、内緒話が終わり、二人が不敵な笑みを浮かべる。
静「何よ。その不気味な笑みは?」
隠「これから、お前は水源郷の((主|ぬし))となるのだよ?」
霊「私達は手伝わないけれど、あなたが水源郷を((纏|まと))め上げるの。良い?」
静玉、隠岐奈、霊夢の順に喋る。
静「良いわよ。」
という一声で、霊夢達は表情を和らげる。
霊「良かったわ。うまくいって。」
隠「悪いな、静玉一人に押し付けて。」
というわけで静玉が水源郷の((主|ぬし))という事に決まった。
アラサラウス(アイヌの怪物、東方天変陽では女性の姿をしている)の群れがあった。
それぞれ、水の上に飛んでいる。
妖精よりも体重が重く、妖精ほど軽快な飛び方はしない。
ここは、界面湖の中心部。
水源郷が出来た3日ほど後のことだ。
全員、女性の姿をしており、服を着てはいたが、性的特徴がありありと((伺|うかが))えた。
突然、怒号のような大きな声が響く。
空寝「私の名は空寝!!私の下につく者はいるか!?」
空寝と名乗った(青い髪色と茶色の上下の上着を着た)女性に反応して、アラサラウス達はそれぞれ手のひらを振って味方にはならないことを示す。
空「そうか!ではここにいるアラサラウスは皆殺しにしよう。」
銃剣を持って、その剣先をアラサラウス達に向ける空寝。
人間であれば即死もあり得る武器だ。
辺りを銃声が聞く者の耳を((蹂躙|じゅうりん))する。
撃たれたアラサラウスは痛みを((訴|うった))えて四散し、半分程のアラサラウスが残り、仲間になると約束する。
その時の口約束はよく聞かなくては聞こえない。
なぜなら、アラサラウスの声は皆小さいからだ。
アラサラウス達「ソラネ、ソラネ。私達はあなたの方に付きます。どうか撃たないで・・・・。」
変陽という女性は剣を持ち、水源郷の外を飛ぶ。
そして、妖精達を上手い話に乗せて、妖精達を仲間にする。
みんな、血の気が荒いようだが、沢山の妖精達を集めることが出来たようだ。
変陽と空寝、二人は合流する。
二人は友人関係のようだ。
アラサラウス達と妖精達に好きなように武器を分け与えた。
武器を取り合うように引っさらっていくアラサラウスと妖精。
それを見ながら、変陽と空寝は・・・・
変「私は約20体の妖精を集めたから、数の多い私が勝ったよね。」
空「いや、私は約10体だが、アラサラウスの方が戦力は高いはずだから、私の勝ちだ。」
それぞれ、変陽は剣の使い方を。これはロングソード型の剣であり、真っ直ぐの((刃|やいば))で戦いたい。そんな人外向けの一品だ。
空寝は銃剣の使い方を。これは通常の銃剣よりは長めの型の銃剣であり、発砲しなくても相手を蹂躙して戦いたい。そんな人外向けの一品だ。
―――合わせて両方を二人で教えている。
後に小戦争が起こる時、大将となる二人、変陽と空寝だ。
その変陽と空寝は水源郷が出来たその時から幻想入りした、初期メンバー組と言える。
変陽は単身で、空寝は一人の部下を連れて、幻想入りした。
二人は水源郷の((主|ぬし))、静玉に従っている。
変陽は静玉の為に、空寝は自分と部下の為に、このような戦争の準備をしているのだが、辺りに戦争をしたそうな所は存在しなかったため、ごっこ遊びと化している。
そんな現状があった。
説明 | ||
幻想郷の東方。 そこにある草原郷が龍神様によって水没させられてしまった。 その水没した辺りを水源郷と賢者は定めた。 その水没して出来た海のような湖を界面湖と言う。 その界面湖と水源郷を巡る話。 |
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