英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇 |
〜星見の塔・屋上〜
「ヒャッハーッ!たぎって来たぜぇっ!!」
戦闘開始時マクバーンは自身の”焔”によって一瞬でダメージや霊力を回復させると共に自身を強化するクラフト―――オーバーヒートを発動し
「ヒャハハハッ!ちょいと熱いが我慢しろよ!?オラオラオラオラァッ!!」
続けてSクラフトを発動し、黒き火炎弾をリィン達に放った!
「ベルフェゴール、リザイラ!」
「了解♪」
「ふふふ、幾ら”人”を超えた身とはいえ、魔神と精霊女王の結界を破れますか?」
それを見たリィンに呼びかけられた二人は協力して強固な結界で自分達を覆い、マクバーンが放った火炎弾は結界にぶつかると黒き焔の渦と化した。
「さあて……コイツで仕上げだ!ジリオン―――――ハザード!!」
片手に集束した黒き焔の球体をマクバーンが放ち、黒き焔の球体は結界にぶつかると超越した黒き焔の大爆発を起こした!そして爆発による煙が晴れると、結界に僅かに罅が入った状態で傷一つ負っていないリィン達が現れた!
「何……っ!?」
自分の最大技が防がれた事にマクバーンは驚き
「うふふ、私達の結界に罅を入れた事は褒めてあげるけど、”その程度”で”七大罪”の一柱である私と精霊女王のリザイラの魔力に届くと思っていたのかしら?」
「い、今のが”その程度”って……こっちもこっちで、相変わらず化物じみているな………」
「うふふ、ですがそのお陰で本気になった”劫炎”の最大攻撃を防ぐ事ができるのですから、私達にとっては朗報ですわ♪行きますわよ――――シャドウステッチ!!」
「ハッ、ぬりぃぞ!」
「!」
余裕の笑みを浮かべてリザイラと共に結界を解除したベルフェゴールの言葉にマキアスが冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中シャロンは微笑んだ後マクバーンに反撃をしたが、マクバーンはダメージを受けたにも関わらず怯まず反撃にシャロンに黒い火炎弾を放ち、放たれた火炎弾をシャロンは紙一重で回避し
「走れ――――玄武の地走り!!」
「チッ……!」
シャロンに反撃をした影響でサフィナが放った斬撃波に咄嗟に反応できなかったマクバーンはダメージを受けて舌打ちをした。
「コォォォォ………神気――――合一!!」
「うふふ、レンも”本気”を出してあげる――――わっ!!」
「風よ、我に力を――――ハアッ!!」
一方リィンは”鬼の力”を解放した姿になり、レンは魔人と化し、アリオスは気功技―――軽功で自身を強化した。
「魔術師達に祝福を―――――魔法領域の符術!!」
「ルリエンよ、我等に守護の盾を―――防護の聖域!!」
「月の守りを――――クレシェントシェル!!」
「ふふふ、それでは始めましょうか――――精霊陣”守護”!水の精霊達よ――――双子水精弾!!」
更にアルフィンとエルファティシア、エマはそれぞれ魔術やクラフトで自分や仲間達の様々な能力を上昇させ、リザイラは全属性を半減する特殊結界を付与すると共に体力や傷、霊力を自動的回復する効果を付与するブレイブオーダーを発動した後マクバーン目がけて水精の力を宿した魔力球を連続で射出した。
「ハッ、蒸発しちまえ!!」
襲い掛かる水球に対してマクバーンはクラフト――――ヘルハウンドを放って相殺し
「アークス駆動――――クリスタルフラッド!!」
「降り注げ、氷の刃よ―――氷垢螺の氷雨!!」
「貫け、氷の剣―――絶対氷剣!!」
「クク、その程度の氷、すぐに溶かしてやらあっ!!」
更にセレーネとエリゼ、セシリアが放った前方、頭上、足元と逃げ場のない氷の魔法攻撃に対してマクバーンはまず自身から黒き焔を発火させて無効化した。
「うふふ、これはどうかしら?」
「ハッ、そんなもん、この俺に効くかぁ!!」
「フフ、それじゃあこれはどうかしら?」
「何―――――」
「超―――ねこアッパー!!」
「ガッ!?」
レンが発動した魔眼を気合で吹き飛ばして無効化したマクバーンだったが、背後に転移魔術で現れたベルフェゴールが放ったアッパー攻撃をまともに受けた事によって上空へと舞い上がらせられた。
「「洸波斬!!」」
「出でよ、空の神槍――――イナンナ!!」
「ルリエンよ、邪悪なる者に裁きの鉄槌を――――神槍!!」
「光よ、炸裂せよ――――爆裂光弾!!」
「七色の光の矢よ――――プリズミックミサイル!!」
「うぜぇ!!」
逃げ場のない上空へと舞い上がったマクバーン目がけてリィンとアリオスは神速の斬撃波を、レンとエルファティシアは光の槍を、セシリアは炸裂する光の球体を、セレーネは七色の光の矢を同時に放ったが空中で受け身を取ったマクバーンはクラフト―――ギルティフレイムを放ち、ギルティフレイムは空中で黒き焔の渦と化して襲い掛かるマクバーンにとって弱点となる斬撃波と魔法攻撃を一度に焼き飛ばした。
「フッ、ならばこれはどうかな!?―――それっ!!」
「アークス駆動――――エクスクルセイド!!」
「白銀(しろがね)の光輪、ここへ――――エンジェルリング!!」
「雷光エネルギー集束完了―――レイジレーザー!!」
「何……!?ガッ!?」
そしてマクバーンが着地した瞬間アルフィンが光の輪を生み出してマクバーンを拘束すると共にダメージを与える魔導杖に搭載されている特殊魔法(クラフト)を発動してマクバーンの動きを止めた瞬間、オリビエとアリサが発動した空属性アーツ――――エクスクルセイドとマキアスがショットガンから放った雷光のエネルギーがマクバーンにダメージを与えると共に怯ませ
「四の型――――紅葉斬り!!」
「二の型―――疾風!!」
「ふふ、耐えられますか?――――ブラッディクロス!!」
「チィッ!?」
そこにリィンとアリオス、シャロンが縦横無尽に駆けながらマクバーンに追撃をした。
「――――視えた!心眼斬!!」
「すごい――――ねこパンチ!!」
「ガハッ!?」
リィン達の攻撃が終わった後サフィナはマクバーンの背後から心眼によって霊体すらも斬り裂く一撃で、ベルフェゴールは装甲をも容易に破壊できるパンチでマクバーンを攻撃してマクバーンを怯ませ
「崩しました!」
「追撃開始します!豪破岩槍撃!!」
「崩したわよ!」
「ふふふ、では私も続きましょう―――――風の精霊達よ―――気体凝縮!!」
マクバーンが怯むとそれぞれとリンクを結んでいるセシリアとリザイラが詠唱時間が短い魔術で追撃をした。
「クク、面白くなってきたじゃねぇかあっ!!」
リィン達の攻撃を次々と受け続けているにも関わらずマクバーンは好戦的な笑みを浮かべて笑った後仕切り直す為に再びクラフト―――オーバーヒートを発動して回復したが
「時の結界よ、砕け散れ!!」
「「「エクスクルセイド!!」」」
「ガリオンフォート!!」
「ホーリーバースト!!」
「セブンス・キャリバー!!」
「デネカの津波!!」
「「贖罪の聖炎!!」」
「「ルン=アウエラ!!」」
「うおおおおおおおおおっ!?」
マキアスのクラフト―――バーストドライブによって駆動時間や詠唱時間を省略させたアリサ、アルフィン、オリビエ、エマ、セレーネ、レン、エリゼ、セシリア、エルファティシア、ベルフェゴール、リザイラが一斉に放ったアーツや魔術を受けて大ダメージを受けると共に怯んだ。
「明鏡止水……我が太刀は静……――――見えた!うおおおおおお……っ!!」
「死線の由来とくとご覧あれ―――――失礼――――ですが、もう逃げられませんわ!」
そこにSクラフトが発動したリィンとシャロンが縦横無尽に駆けながらマクバーンに大ダメージを与え続け
「受けて見よっ!滅びの太刀!!ハアアアアアアアア――――――ッ!!」
「受け継がれしルクセンベールの絶技、その身に刻め!!セイッ!ヤアッ!ハァァァァァ―――――ッ!!」
同じようにSクラフトを発動したアリオスは全身に膨大な闘気を纏って跳躍し、サフィナは双鎌を投擲した後アリオスのように全身に膨大な闘気を纏って跳躍すると、マクバーンに襲い掛かった双鎌はまるで意志を持っているかのように縦横無尽に回転しながら何度もマクバーンにダメージを与えた後サフィナの手に戻って行った。
「斬!灰ノ太刀――――滅葉!!」
「秘技――――死縛葬送!!」
「がああああああっ!?」
「絶――――黒皇!!」
「絶技――――双竜皇!!」
そしてリィンとシャロンのSクラフトが決まると、二人に続くように空へと跳躍したアリオスとサフィナがマクバーン目がけて地上へと突撃すると凄まじい風のエネルギーの大爆発と、地面から二つの巨大な竜が咆哮を上げて周りに連鎖爆発を起こしながら空へと舞い上がって行った!
「ぐああああああああああっ!?クク……ハハ………!」
リィン達が放ったSクラフトによって普通なら戦闘不能になってもおかしくないダメージを受けたマクバーンだったが、それでも倒れず好戦的な笑みを浮かべてリィン達を見つめた。
「灰の若造に聖竜と魔女の娘!殲滅天使に死線と風の剣聖!他の連中に放蕩皇子とその妹も悪くねえ!ノって来たぜ……!このまま踊り続けようとしようか!?」
「………やれやれ。趣旨が違ってきてないかい?」
好戦的な笑みを浮かべて更なる戦意を高めたマクバーンの様子にカンパネルラは呆れた表情で溜息を吐いた。
「……っ……何とか焔は押さえましたが……」
「これは……長くは保たないかもしれないわね……」
「……まさに魔人か。」
「これでも、まだ倒れませんか……!」
「あ、あんな化物と子爵閣下は一人でやり合ったのか……!?」
「リィン、このままじゃ……!」
「ああ……!切り札の一つを切らせてもらう!来い――――灰の騎神、」
ヴァリマールを呼ぶ事を決めたリィンはヴァリマールを呼ぼうとしたが
「おっと、させないよ!」
カンパネルラが指を鳴らして結界を展開した!
「結界……!?」
「しかもこの結界は……物理的なものに加えて、精神的なものを遮断する結界ですね。」
「結社による灰の騎神対策ですか………レン、そちらはどうですか?」
「駄目ね。あの結界を何とかしない限り、ヴァリマールもパテル=マテルも呼べないわ。」
カンパネルラの結界にエルファティシアは驚き、セシリアの説明を聞いてすぐに結界の役割を察したサフィナはレンに訊ね、訊ねられたレンは首を横に振って疲れた表情で答えた。
「くっ……それがあったか!」
「エマ――――いえ、アンタ達だったら、結界の解除くらいすぐにできるでしょう!?」
「あら、そこで私達に話を振るとはね。」
「ふふふ、別に私達が手を貸さなくても他の方達でも可能かと思いますが?」
「お、お二人とも……今はそんな呑気な事を言っている場合ではありませんわよ……」
リィンが唇を噛みしめている中セリーヌに結界を解くように迫られたベルフェゴールは目を丸くし、リザイラは静かな笑みを浮かべ、二人の答えに脱力したセレーネは疲れた表情で溜息を吐いた。
「クク、そんじゃあこのまま喰らい合うとしようぜ……!」
「アハハ、さすがに相手が悪かったかな。トールズの”Z組”とメンフィルの”特務部隊”――――噂以上だったけどここまでか。やっぱり”深淵”か彼らに来てもらわないと――――」
マクバーンがリィン達に戦いを迫っている中カンパネルラが溜息を吐いた後意味ありげな笑みを浮かべて周囲を見回したその時!
「”Z組”ならまだいるわ!」
女子の声が聞こえてきた後怒涛の銃撃がカンパネルラとマクバーンを襲い、カンパネルラは銃撃を結界で防御した。するとリィン達の背後から現れたクルトとユウナが連携攻撃をカンパネルラを放ち
「わわっ……!?」
二人の連携攻撃にカンパネルラは思わず後ろに下がり、ユウナとクルトが一端後ろに跳躍して体勢を立て直すとミューズが駆け寄ってきて二人の背後で魔導騎銃をいつでも撃てるように構えた。
「ユウナ、クルト!ミュゼまで……!」
「あん……!?」
ユウナ達の登場にリィンが驚いている中マクバーンは水を差された事に眉を顰めたがクラウ=ソラスと一体化して突撃してくるアルティナに気づくとアルティナの突撃を回避した。
「ハッ、黒兎か……!」
「喰らえや――――!」
不敵な笑みを浮かべたマクバーンが上空にいるアルティナを見上げたその時男子の声が聞こえ、飛来してきた鎖鎌がマクバーンの顔に命中した!
「ガッ………!」
マクバーンに命中した鎖鎌はアッシュの元へと戻って行き、鎌状に変形させた刃を回収したアッシュはアルティナと並んだ。
「アルティナ、アッシュ……!」
「降り注げ聖光――――アストラルレイン!!」
アルティナとアッシュの登場にリィンが明るい表情をしたその時、リィン達にとって予想外の声が聞こえると、カンパネルラとマクバーンの頭上から光のエネルギーが降り注いだ!
「あいたっ!?」
「ぐ……っ!?」
「え…………」
「なっ!?今の声はまさか―――――」
頭上から降り注いだエネルギーによって二人がダメージを受けている中聞き覚えのある声にエリゼは呆け、リィンは信じられない表情で声を上げた。
「輝く御名の下、地を這う穢れし魂に、裁きの光を雨と降らせん。安息に眠れ、罪深き者―――――ジャッジメント!!」
「うわあああああっ!?」
「がああああああっ!?」
するとその時他の女子の声が聞こえた後カンパネルラとマクバーンの頭上より裁きの光の雨が降り注ぎ、威力が高い事に加えて術者の魔力も高い事で更に威力が増した裁きの光の雨に命中した二人は思わず悲鳴を上げた。そして術者であるゲルドと光のエネルギーの雨を放った本人であるリーゼアリアがそれぞれの得物である魔杖と魔導弓を構えて並んでいた。
「ゲルドさん……そ、それにどうしてリーゼアリアさんまで………」
「うふふ、まさか昨日レンが言った事を本当に実現するなんて、さすがのレンも驚いたわ♪」
「レン……貴女、彼女に一体何を吹き込んだのですか……」
ゲルドと共にいるリーゼアリアを見たセレーネが困惑している中、小悪魔な笑みを浮かべたレンの言葉を聞いてリーゼアリアまで助太刀に来た事にレンが関わっている事をすぐに察したサフィナは呆れた表情で溜息を吐いた。
「お待たせしました、教官!」
「新Z組――――協力者と共に参上しました!」
「ふふ、来ちゃいました♪」
「何とか隙は突けましたが……」
「ヤベーヤベー……ひょっとして殺っちまったか?」
「約束通り”みんな”で来たわ、リィン教官、セレーネ教官。」
「お兄様、お姉様、ご無事ですか……!?」
「き、来てくれたんだ……」
「ふふっ、さすが”Z組”を継ぐ方達ですわね♪」
「リ、リーゼアリアまで一緒に来るなんて……あら?という事はあの娘、オルキスタワーを抜け出してきたんじゃ……」
「ハッハッハッ、どうやらレン君のお陰でリーゼアリア君も中々やんちゃな仔猫ちゃんへと変わったみたいだね♪」
ユウナ達がそれぞれリィン達に声をかけている中ユウナ達の登場にアリサは驚き、シャロンは微笑み、アルフィンが戸惑いの表情をしている中オリビエは呑気に笑っていた。
「あ、有り難いがさすがにこの場は……」
「危険です!下がっていてください!」
一方敵の危険性を身をもって知っていたマキアスは不安そうな表情をし、エマはユウナ達に警告をした。
「クク、いいねぇ……そこの金茶の小僧……見込みがありそうじゃねえか?」
一方立ち上がったマクバーンは好戦的な笑みを浮かべてアッシュを見つめた。
「………マジかよ。」
「”人外”と考えた方がいいみたいですね……」
「フフ、今ので打ち止めかな?心意気は買うけどそれだけじゃあねぇ?」
真正面から顔に攻撃を受けたにも関わらず平気で立ち上がったマクバーンを見たアッシュとミューズが驚いている中カンパネルラは口元に笑みを浮かべてユウナ達に指摘した。
「甘く見るんじゃないわよ……」
「新Z組と第U分校の力、アンタたちに見せてやる……」
「ビーコン設置完了。いつでも誘導できます。」
「デアフリンガー号への無線接続も完了しました!」
「オラ、とっとと呼べや!」
「見せてあげて、ユウナ。”私達の力”を……!」
「お願い――――ティータ!」
「了解です……!」
アルティナとミューズがそれぞれARCUSUを操作した後ユウナは通信でティータにある事を指示した。
〜旧警備隊・貨物迂回線〜
一方第U分校は列車と共に星見の塔近辺まで移動しており、ユウナとの通信を終えたティータが振り向くとそこには背中にブースターらしき装置を取り付けたドラッケン待機していた。
「ブーストキャリア点火!3(トライ)、2(ツヴァイ)、1(アインス)、0(ヌル)――――ドラッケンU号機、上昇(リフトオフ)……!」
ティータがカウントダウンを終えるとドラッケンは背中のブースターによって飛び上がり、星見の塔へと向かった!
「おおっ……!」
「す、凄い………」
「ラインフォルトとZCFが共同開発した新技術か……」
「(クク、中々面白いモンを見せてもらったぜ。ヴァイスハイト達の話通りなら、”オレ達の出番”もそろそろだな。)――――ヴァイスハイトか?オレだ、ヴァイスハイト・ツェリンダー唯一の好敵手たる”ギュランドロス・ヴァスガン”だ。)」
ランディ達教官陣が生徒達と共に星見の塔へと向かって行くドラッケンの様子を見守っている中口元に笑みを浮かべたランドロスは気配を消して列車の中へと入っていき、ヴァイスとの通信を開始した。
〜星見の塔・屋上〜
星見の塔の屋上に到着したドラッケンがそのまま落下すると落下の衝撃によってカンパネルラの結界は粉々に砕け散った!
「なああっ………!」
「魔術の結界を強引に……!」
「ハハ………!大した子達だ……!」
「うふっ♪この調子だとうかうかしていたら、その内特務支援課(ロイド達)も追いつかれるかもしれないわね♪」
「………そうかもしれないな。」
結界が破壊される様子をマキアスとセリーヌが驚き、オリビエが感心している中からかいの表情を浮かべたエルファティシアの言葉にアリオスは静かな笑みを浮かべて答えた。
「教官……!」
「リィン……!」
「リィンさん……!」
「レン教官も………!」
「ああ……!来い――――”灰の騎神”ヴァリマール!!」
「ええ……!来て――――パテル=マテル!!」
そして結界がなくなった事で頼もしき相棒たちを呼べるようになったリィンとレンもそれぞれ相棒の名を叫んだ。
「応―――――!」
「――――――!」
それぞれの主の呼びかけに答えた機体達もそれぞれ飛び上がって、主の元に到着した。
「あたしも付き合うわ!」
リィンがヴァリマールの中へと吸い込まれようとしたその時セリーヌもリィンと一緒にヴァリマールの中へと吸い込まれた。
「おいおい……そんなのアリかよ?」
「あはは、ちょっとばかり見くびっていたみたいだね。でも―――これでやっと”起動条件”も整ったみたいだ。」
一方完全に戦う気をなくしたマクバーンが呆れている中カンパネルラは呑気に笑った後懐から取り出した装置のボタンを押した。すると紫の神機が立ち上がった!
「動きやがったか……!」
「昨日の時と違う……!?」
「フフ、昨日は霊子エネルギーの充填が十分じゃなかったからね。だが、条件はクリアできたしもう”武装”を使うことができる。」
動きだした紫の神機にアッシュとエマが驚いている中カンパネルラは不敵な笑みを浮かべて説明をした。
「中に入るのはこれが初めてね………尋常な相手じゃなさそうだけど何とかなりそう……!?」
「前回戦ったタイプより小さいが機動性は遥かに高そうだ。妙な力の流れも感じる……まずは様子を伺いつつ崩すぞ!」
「了解だ、リィン。」
「教官―――助太刀します!」
セリーヌの問いかけに答えた後に呼びかけたリィンの言葉にヴァリマールが頷いたその時、ユウナがリィンに映像付きの通信で加勢を申し出、ユウナが操縦するドラッケンはユウナの得物である機甲兵戦用に造られたガンブレイカーを構えた。
「止めても無駄らしいな?」
「ええ―――当たり前です!あたしならではのクロスベルの意地、何としても示してみせます!」
リィンの確認の言葉にユウナが頷いたその時、ユウナのARCUSUが輝き始めた!
「これって……!」
「やはり発動したか……」
「うむ……おぬしらの新たな力だ。」
「フィーたちに聞いた……」
「騎神を起点に新旧Z組と特務部隊を結ぶ、霊的な結びつき(リンク)……!」
「うふふ、一部Z組でも特務部隊でもない人達も結んでいるんようね?」
それぞれ輝き始めているARCUSUにリィン達が驚いている中レンはからかいの表情を浮かべて自分達と同じように輝き始めているARCUSUを持つアルフィンとリーゼアリアに視線を向けた。
「あら、わたくしもですか……?」
「え………ど、どうしてアルフィンさんとリーゼアリアさんまで………」
「………アルフィンは兄様の夫で、リーゼアリアは”貴女や私と同じ兄様にとって大切な妹の一人”だから、その関係で結んで(リンク)しているのだと思うわ。」
「エリゼお姉様……」
困惑しているアルフィンとセレーネの疑問に静かな表情で答えたエリゼの推測を聞いたリーゼアリアは驚きの表情でエリゼを見つめた。
「これが……”騎神”を使っての戦闘の際に発生する結びつき(リンク)……」
「感じる……教官とユウナたちを。」
「ええ……(やっぱりクラウ=ソラスに似てる……)」
「あら……?」
「チッ……またかよ。」
リィン達との繋がりをゲルドとクルト、アルティナが感じている中、クルト達のようにARCUSUを輝かしているミューズは首を傾げ、アッシュは舌打ちをして眉を顰めた。
「(……新旧”Z組”と”特務部隊”……やはり”縁”があるみたいだな。)――――来るぞ!いったん全員下がりたまえ!」
リィン達の様子を見てある事を察したオリビエは神機の動向に気づくとクルト達に警告した。
「行くぞ、レン教官、ユウナ――――!」
「ええ!」
「はい、教官!」
そしてヴァリマールはパテル=マテルとドラッケンと共に神機との戦闘を開始した―――――
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第63話 | ||
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