英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇 |
〜星見の塔・屋上〜
「まずは小手調べだ……ハアッ!」
「―――――」
ヴァリマールは先制攻撃代わりに敵のヘッド目がけて攻撃したが敵は両腕でガードした。
「ユウナ、両腕を一斉に攻撃するわよ!貴女は右腕を攻撃しなさい!パテル=マテル、貴方は左腕よ!」
「はい、レン教官!やあっ!」
「―――――!」
「!?」
リィンに続くようにドラッケンとパテル=マテルがそれぞれ敵の両腕を攻撃すると敵は怯み
「崩れたわ!パテル=マテル、追撃よ!」
「崩れた!頂き!」
「―――――!」
敵が怯むとパテル=マテルとドラッケンは追撃を敵に叩き込んだ。
「――――――」
「キャアッ!?」
敵は反撃に両腕からレーザーブレードへと変えてドラッケンを攻撃し
「――――!」
「クッ……!」
「パテル=マテル、身を固めなさい!」
「―――――!」
ドラッケンへの反撃を終えると巨大な機体とは思えないスピードでヴァリマールやパテル=マテルにも反撃をし、二体はそれぞれ武装や両腕でガードした。
「反撃だ―――ゲイルレイド!!」
「私達も続きましょう、リィン!――――ロードフレア!!」
「反撃開始です―――ゴルトアロー!!」
敵がそれぞれへの機体に対する反撃を終えるとユウナとリンクを結んでいるクルト、リィンとリンクを結んでいるアリサ、そしてレンとリンクを結んでいるサフィナはそれぞれリンクが結んでいる操縦者の機体の霊力(マナ)を利用しての特殊魔法(EXアーツ)を発動して敵に連続で魔法攻撃を叩き込んだ。
「―――――」
魔法攻撃が終わると敵は機体を変化させて空中に滞空した。
「空からの攻撃……アーツか、銃で迎撃しなさい!」
「わかった!―――ユウナ、頼めるか!?」
「任せてください、教官!逃がさない――――ファイアー!!」
敵の様子を見て次に何が来るか察したセリーヌの助言に頷いたリィンはユウナに声をかけ、声をかけられたユウナは頷いてドラッケンを操縦してガンブレイカーによる銃撃のクラフト―――ジェミニブラストを敵に叩き込んだ。
「!?」
銃撃を叩き込まれた敵は地上戦用へと変化して地面に着陸したが
「うふふ、これはどうかしら?」
「―――――」
「!?」
パテル=マテルが肩に装着している砲口から集束したレーザーを放ち、パテル=マテルが放ったレーザー―――バスターキャノンによって敵は更なるダメージを受けると共に怯んだ。
「―――下がれ!!」
「!?」
「隙あり!」
そこにヴァリマールがクラフト―――孤月一閃を叩き込んで敵の体勢を崩した後追撃を叩き込んだ。
「―――――」
「グッ……!?」
ヴァリマールの追撃が終わると敵は反撃に背中より追尾性のレーザーを放つクラフト―――セラフィムレイでヴァリマールに反撃を叩き込み
「教官!?この――――」
それを見たドラッケンは敵に攻撃を叩き込もうとしたが
「――――」
「キャアッ!?」
敵はドラッケンの攻撃を回避した後両腕をレーザーブレードへと変えて反撃し
「パテル=マテル、機関銃用意!」
「―――――」
「撃ちなさい(ファイアー)!!」
「――――」
更に異空間から大型の2丁の大型の銃を召喚して怒涛の連射攻撃を行ったパテル=マテルの遠距離攻撃に対して敵はすぐに反応して防御態勢へと移行して自分へのダメージを最小限に抑えた。
「援護しますわ―――――サフィールレイン!!」
味方の機体全てを回復する為にミューズはレンとのリンクへと切り替えてEXアーツ――――サフィールレインを発動してヴァリマール達のダメージを回復し
「!―――リィン教官、私の”力”も使って!エマさんはクルトと交代して機体の防御力を高める援護をお願い!」
「!!これは――――全機体、防御態勢に入れ!」
「わかりました!――――月よ、守りの力を――――クレシェントシェル!!」
自身の予知能力によって次に取る敵の行動がわかったゲルドはリィンとリンクを結んで敵の行動を予知するEXアーツ―――プレコグニションを発動させ、敵の次の行動が大技である事を知ったリィンはユウナとレンに指示をし、エマは防御能力を一時的に高めるEXアーツを発動してそれぞれ防御態勢に入っている機体全ての防御能力を高めた。
「――――――!!」
「く……っ!?」
「キャア……ッ!?」
「―――――」
そしてエマのEXアーツが発動し終えた後敵は背中から怒涛のエネルギー弾を機体全てに放つSクラフト―――滅天アウナロクを発動し、ヴァリマール達はそれぞれ防御態勢のままで敵の大技を耐えきった
「何とか無事凌ぎ切れたわね……まずは回復に専念しなさい!」
「わかっている!アリサ―――いや、リーゼアリア!力を貸してくれ!」
セリーヌの助言に頷いたリィンは全機体を回復させる為に一瞬アリサの力を借りようとしたが、すぐに機体のダメージと闘気の同時回復能力を持つアリサのEXアーツよりも機体の回復に専念しているリーゼアリアのEXアーツの方が回復量が多い事に気づき、リーゼアリアを呼んだ。
「お任せください、お兄様!――――女神よ、どうかご慈悲を……!」
リィンに呼ばれたリーゼアリアは全機体の総エネルギーの半分に当たるエネルギーを回復させるEXアーツ―――ホーリースコールを発動してヴァリマール達のダメージを完全に回復した。
「皆さん――――頑張ってください!!」
「援護します――――セイントルーン!!」
更にユウナとレン、それぞれとリンクを結んだアルフィンは機体全ての攻撃能力とスピードを上昇させるEXアーツ―――プリンセスエールを、レンとリンクを結んだエリゼは一時的に機体のダメージと闘気を自動回復させる効果を付与するEXアーツ―――セイントルーンを発動してヴァリマール達を援護した。
「ありがとうございます!さっきのお返しよ!ハァァァァァ……喰らえ!!」
「!?」
「頂き!」
そしてドラッケンは敵に対する反撃にクラフト―――クロスブレイクを敵に叩き込んで敵が怯むと追撃をし
「パテル=マテル、ロケットパンチよ♪」
「―――――!!」
ドラッケンの追撃の後にパテル=マテルは両腕によるロケットパンチを放つクラフト―――ダブルクラッシャーパンチを敵に叩き付けた!
「!?」
真正面から2つの巨大な腕を受けた衝撃によって敵は”気絶”状態に陥って無防備な所を見せた。
「唸れ……オォォォォ……!螺旋撃!!」
「!?」
「そこだっ!」
「!?…………」
敵が”気絶”状態に陥るとヴァリマールは炎を宿した太刀で螺旋を描くような斬撃を敵に叩き込んで怯ませ、追撃をして敵のダメージを重ねた。すると今までのダメージによって敵は”ブレイク”状態になり、再び無防備な状態を見せた。
「チャンス!頼みます、教官!」
「わかった♪」
「レンに任せて♪」
無防備な状態の敵を見て好機と判断したドラッケンはヴァリマールとパテル=マテルと共に連携攻撃を開始した。
「ヤァァァァァ……ッ!」
「―――下がれ!」
「パテル=マテル、ダブルバスターキャノン発射!!」
「―――――!!」
ドラッケンがクラフト―――ジェミニブラストを敵に叩き込むと、ドラッケンに続くようにヴァリマールはクラフト―――弧月一閃を、パテル=マテルはクラフト―――ダブルバスターキャノンを敵に叩き込み
「エクセル――――バースト!!」
止めにドラッケンはガンブレイカーを突きの構えにして敵に突撃した!
「――――――!!!???」
ドラッケン達が放った連携技による大ダメージを受けた事と今までの戦いで蓄積したダメージによってついに限界が来た敵は全身をショートさせながら戦闘の続行が完全に不可能になった!
「やった……!」
「……導力機関、停止したみたいです。」
「凄いな、3人とも……!」
「ええ……本当に!」
「フフ、やるじゃない。」
「……見事だ。」
新旧Z組がそれぞれリィン達の勝利に喜んでいる中エルファティシアとアリオスは感心した様子で見守っていた。
「フフ……やったじゃない?」
「ああ……ユウナも含めてみんなのおかげだ。」
「少しは示せた、かな………」
「ま、こんなものね。」
ヴァリマールの中にいるセリーヌの言葉にリィンは頷き、それぞれの機体を操縦していたユウナは満足げな笑みを浮かべ、レンは口元に笑みを浮かべた。
「フフ、やられちゃったか。博士はいい顔をしないだろうけどこれにて実験は終了だね。」
「使い捨てだ、構わねぇだろ。それより――――そろそろ出て来いよ、”3人とも”?」
一方苦笑しているカンパネルラの言葉に答えたマクバーンは意味ありげな言葉を口にして周囲を見回した。
「え……!?」
「まさか―――」
マクバーンの言葉を聞いたアリサ達が驚いたその時
「フフ……さすがに気づかれてたわね。」
突如女性の声が聞こえ、声が聞こえた方向にその場にいる全員が視線を向けると柱の一つに女性の幻影が姿を現した!
「あ…………」
「結社身喰らう蛇”第二柱”――――”蒼の深淵”……!」
「まさかこのタイミングで姿を現すとは……」
「貴女がエマさんが探していた”魔女”………」
「あれは”幻影”ね。」
女性の幻影の登場にエマは呆け、セシリアとサフィナは真剣な表情を浮かべ、ゲルドは静かな表情で女性の幻影を見つめ、レンは女性が幻影である事にすぐに見抜いた。
「姉さん……!やっと見つけたわ……!」
「何やってんのよアンタは……!」
女性――――かつての結社の蛇の使徒の第二柱―――”蒼の深淵”ヴィータ・クロチルダを確認したエマはヴァリマールの中から出たセリーヌと共に前に出てクロチルダに声をかけた。
「久しぶりね、エマ、セリーヌ。リィン君たちに黒兎も。皇子殿下と皇女殿下、風の剣聖に混沌の森王、そしてリィン君の従妹と新Z組の子達は改めてお見知りおきを。元・帝都歌劇場の歌姫にして結社”身喰らう蛇”が第二柱――――”蒼の深淵”ヴィータ・クロチルダよ。」
「失踪中の歌姫……!?」
「あ、貴女があの蒼の歌姫(ディーヴァ)……」
「ふふ、こんな場所でお目にかかるなんて……」
クロチルダが自己紹介をするとクルトは驚き、リーゼアリアは呆け、ミューズは微笑んだ。
「フフ………カンパネルラにマクバーン。半年ぶりくらいかしら?」
「アンタが”結社”と揉めて行方をくらまして以来だな。まったく面倒くせぇ真似をしてくれたもんだぜ。」
「たしか使い魔(グリアノス)はやられちゃったんだろう?フフ、幻影を飛ばすにしても”近く”にはいそうだね……?」
クロチルダに声をかけられたマクバーンは溜息を吐き、カンパネルラは意味ありげな笑みを浮かべた。
「ふふ、否定はしないわ。さすがに今回ばかりはピンチかもしれないわね。」
「姉さん、どうして……”結社”から離れたのだったら、どうして戻ってくれなかったの!?おばあちゃんに杖まで返して……!」
「――――私の忠誠はあくまで”あの方”に捧げられている。その意味で、一族の魔女として里に戻ることは無いでしょう。」
「………そんな………」
「”あの方”……”英雄王”達に討ち取られたという結社の”盟主”とやらね……」
「うふふ、死んでもなお忠誠を誓うのはある意味感心するわ。」
「……そうですね。亡き主に未だ忠誠を捧げるという点では、同じ主に忠誠を捧げる”騎士”の一人として気持ちは理解できます。」
結社を離れてもなおクロチルダが故郷に戻ってこない理由を知ったエマが辛そうな表情をし、セリーヌが目を細めている中小悪魔な笑みを浮かべたレンの言葉にサフィナは静かな表情で頷いた。
「フフ、とは言っても最近ちょっと事情も変わってね。婆様と貴女たちと話したいこともでてきたのだけど……まあ、それはともかく――――”魔女”が姿を現したのなら”そちらも出るのが筋”じゃないかしら?”」
「フッ……道理だな。」
クロチルダが意味ありげな笑みを浮かべて視線を向けると、クロチルダがいる場所とは違う場所にいつの間にか仮面の男がいた!
「え――――」
「……なん……」
「あの方は……」
仮面の男の登場にアリサは呆け、マキアスは絶句し、シャロンは目を丸くした。
「い、いつの間に……!」
「……あの球体は………」
「……何者だ。」
「ハア……まさかどこかのバカ王みたいに趣味の悪い仮面をつけるような人が他にもいるとはね。」
クルトは驚きの表情を浮かべ、アルティナは仮面の男の側に浮いている謎の球体を見つめ、アリオスは警戒の表情で男を睨み、エルファティシアは呆れた表情で溜息を吐き
(予め父上から話は聞いていましたが………こうして直に見ると本当に驚きますね。)
(ええ……そして隣にいる球体を通して諸悪の根源の一つである”黒”が私達を見ているのでしょうね……)
サフィナとセシリアは小声で会話をしながら男と球体を見つめた。
「か、仮面………?なんなのよコイツ……”デアフリンガー”!そちらに映像は行ってますか?」
一方ユウナは困惑した後通信をした。
〜デアフリンガー号・1号車〜
「な、なんだコイツは……!?」
「”結社”……?いや、話の流れからすると……」
一方その頃映像に映っている仮面の男を見たミハイル少佐は困惑し、ランディは真剣な表情で考え込んでいた。
「…………………」
「ト、トワ教官?どうしたんですか?」
辛そうな表情で黙り込んでいるトワに気づいたティータは困惑の表情でトワに声をかけた。
〜星見の塔・屋上〜
「―――お初にお目にかかる。”蒼”のジークフリードという者だ。”地精”の長代理として参上した。」
仮面の男―――蒼のジークフリードが名乗るとその場にいる多くの者達は驚いた。
「ち、地精……!?」
「それって確か……」
「……魔女の始祖たちと共に”騎神”を造った………」
「しかも、長代理って……」
「………………」
「うふふ………アハハハハハッ……!―――とうとう現れたわね。この1年半、ううん……数百年の永きにわたり、歴史から消えていた勢力が……!」
ジークフリードの所属している勢力を知った旧Z組の面々が困惑している中シャロンは辛そうな表情で黙り込み、クロチルダは声をあげて笑った後意味ありげな笑みを浮かべた。
「……数百年………」
「な、何言ってやがる……」
「……途方もない話みたいですね。」
「「…………………」」
(”地精(グノーム)”……1200年前の真実を知る片方か……しかしあの”彼”は……)
(お兄様……?)
旧Z組の面々もそれぞれジークフリードに注目している中真剣な表情を浮かべたオリビエの様子を不思議に思ったアルフィンは不思議そうな表情で首を傾げた。
「……クク、面白ぇ。”惜しいヤツとは思ってたが”……まさかそう来やがったとは。」
「へえ、何やら因縁があるみたいだね?それにしても、いいね君!”結社”の相手に相応しいよ!」
一方口元に笑みを浮かべたマクバーンの言葉を興味ありげな様子で聞いていたカンパネルラは口元に笑みを浮かべてジークフリードに声をかけた。
「フッ、今回は顔見せに終わってしまいそうだが……―――”身喰らう蛇”。よければやりあってもいいが?」
カンパネルラの挑発に対して静かな笑みを浮かべて答えたジークフリードは2丁の銃を取り出して構えた。
「っ……!」
「その武装は……」
「2丁の導力銃、ですか……」
「………?」
ジークフリードの武装を見て血相を変えているアリサ達を不思議に思ったセレーネは首を傾げた。
「――――だったら、結社ではなく俺達とやり合ってもらおうか?」
するとその時男の声が聞こえ、聞き覚えのある男の声を聞いたその場にいる全員が驚いたその時ヴァイス、リセル、ルイーネ、エルミナ、パティルナ、アルが屋上と塔内を結ぶ出入り口から現れた!
お待たせしました!ついに光と闇の軌跡シリーズ恒例の原作改変という名のエウシュリー無双の話が次回から始まりますwwなお、今回はエウシュリー以外の陣営も無双しますが(ニヤリ)
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第64話 | ||
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やっぱり、いつもの通り上から目線で言った挙げ句に力の差を見せつける。ひねりの無い展開。(匿名希望) | ||
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