PokemonSM CosmosEpic 15:ポケモンの卵を守れ!
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カキに予め聞いておいたのだが、最後に残っているのはくさタイプのキャプテン、マオの試練だという。

そして、その試練が行われるのはシェードジャングルという場所。

その話を聞いたヨウカは、マオの試練に挑むべくシェードジャングルを目指していた。

 

「うわぁぁぁぁぁ!!

そ、その卵を受け止めてくれぇぇぇぇ!!」

「ほえ?」

 

その時、男の声がしたのでそちらを向くと、ヨウカめがけてワゴンが急な傾斜の坂を猛スピードで下ってきた。

そのワゴンには卵が6個入っており、途中の石にワゴンがひっかかるとワゴンの中に入っていた卵が全部宙を待った。

 

「わわっ!

み、みんな手伝ってぇ!」

 

落ちてきた6個の卵を、ヨウカとポケモン達は無事にキャッチすることができた。

無事に卵を捕まえることが出来たことにヨウカは安堵し、駆け寄ってきた声の主の男もとい農夫にその卵を渡した。

 

「いやぁ、ありがとうなぁ・・・おかげで卵は全部無事だぁ」

「いえいえ、無事が一番ですよっ」

 

農夫に礼を言われてヨウカが照れ笑いをしていると、そこに彼女の知り合いが合流してきた。

 

「お、ヨウカじゃないか」

「ヨウカさん・・・!」

「あれれ、ククイ博士にリーリエちゃん!」

「あー、ヨウカもここにきたんだねー!」

「ハウくん!」

 

なんとそこにククイ博士、リーリエ、ハウが合流してきたのだ。

なんで3人がここにいるのだろうと思ったヨウカは迷いなく彼らに駆け寄り事情を聞く。

 

「なんでみんなここにいるんですかっ?」

「実はこれからオハナ牧場に行くことになっててな、ハウもヨウカもいることだし、2人にポケモンの卵をみせてやろうかという話を提案したんだ」

「オハナ牧場では、多くのトレーナーさんから預かったポケモンさんの卵がたくさんあるんですよ。

そこで、卵からポケモンさんが生まれるまでお世話しているんです」

「へぇ、そうなんやぁ」

「ねぇねぇ、ヨウカもいこうよー!」

「せやね、あたしもいきまーす!」

「決まりだな」

 

ヨウカの返事を聞いたククイ博士はそう言い、彼らは納付とともにオハナ牧場に向かったのだった。

 

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オハナ牧場では多くのドロバンコやケンタロス、ミルタンクなどが飼育されており、多くのポケモンブリーダー達が彼らのお世話をしていた。

オハナ牧場を経営しまとめているのはなんと、あのカキの家族だという。

 

「お久しぶりです、ククイ博士」

「こちらこそ。

今回も今島巡り中のこの二人・・・ヨウカとハウにポケモンの卵についての講習を行おうと思ってるところです。

助手のリーリエにもね」

「では、いつも通りに執り行いますね。

3人とも、私についてきてください」

 

そう言いポケモンブリーダーの女性について行きある小屋につくと、女性は扉を開けて3人が入った直後にすぐ扉を閉め、今度は部屋のドアを開ける。

 

「うわぁ・・・!」

「ちっこーい!」

「可愛いです・・・!」

 

その部屋の中ではピィやププリン、ピンプクにピチュー、ブビィにエレキッドなどの俗に言うベイビイポケモンが集まって一緒に遊んでいた。

その姿は幼さ故なのか無邪気で、みていて癒される。

 

「ここには生まれて一週間ぐらいの子が集まっているんです。

これから多くのポケモン達と関わっても大丈夫なように、この時期にたくさんのポケモンとふれあわせているんですよ」

「そうだったんですね・・・」

「おもしろいねー」

「大事なことだね、ふれあいって」

 

そう言い自分に飛びついてきたポケモン達を抱き上げて撫でるヨウカ。

ハウとリーリエもそのベイビイポケモン達とのふれ合いを楽しみつつ、女性の案内で次の部屋へ向かう。

 

「ここは・・・」

「卵がたくさんあるねー」

「もしかして、生まれる前の卵をここで保管しているのですか?」

「そうですよ」

 

女性は卵が入ったケース一つ一つに貼られたラベルを指さす。

 

「このラベルが貼ってあるケースに入った卵が、トレーナーの人からお預かりしたものです。

ここに保管してある卵は孵化装置を利用してあたためられ、孵化が近づいたらケースから取り出し見守るのです」

「どうやってもうすぐ生まれるとかわかるのー?」

「それは」

 

女性はハウ達にモニターをみせてから、そばにいたラッキーをみせる。

 

「まずはこのモニターで卵一つ一つの状態を確かめます。

時折私たちでここにきてチェックもしていますし、私達がいないときも、

このラッキーがずっとここにいるので、私達に教えにきてくれます。」

「そうなんだー」

「卵やポケモンを育てる・・・それは私達にとって命を預かるということなので、失敗はしないように心がけているんですよ。

こうして細かくチェックを繰り返して・・・ね」

「ほぇぇ、すごぉぉい!」

 

ポケモンの育て屋として、多くのトレーナーや卵を預かり育てるその仕事の話を聞いたヨウカは感激した。

そのとき、外からワゴンが動く音がしたので彼女達は一度その部屋を出る。

 

「あれ、その卵・・・」

「そう、さっき君が守ってくれた卵だよ・・・これからあそこにあるケースに一つずつ入れ替えていこうと思ってな」

「何か違うんですか?」

「これは野生のポケモンが生み残していった卵なんだよ。

なにか事情があってそこら辺に取り残されたこの卵を、わしらで保護しているんだ。

中には産まれる前・・・つまり今の卵の状態のままだとニューラに食べられてしまうからな」

「ニューラ?」

 

ヨウカは初めて聞く名前にたいし首を傾げ、ロトムは自分の図鑑データからニューラのデータを引っ張り出しその姿を見せる。

 

「こいつは他のポケモンの卵をいつも狙っていてな・・・隙をみてはポケモンの巣から卵を奪い取って食べてしまうんだよ」

「じゃくにくきょーしょくってわけなんやね・・・」

「ああ、しかも最近は野生のポケモンの卵だけでなく、我々ポケモンブリーダーが育ててるポケモンの卵にまで手を出してるからな。

その中には、他の人から預かってる卵がいくつかあるんだ・・・それも巻き込まれたら、私達に卵を預けたトレーナーにどういう顔をすればいいかわからんよ」

「・・・」

 

農夫の話を聞いたヨウカは、改めて卵に目を向ける。

 

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「さて・・・早く入れてしまわねば・・・」

 

農夫が卵運びを再開させようとしたそのとき、黒い何かが飛びかかってきた。

 

「ぬぉっ!?」

「うわっ!」

「きゃあ!」

 

彼らに襲いかかってきた黒いかげ。

その正体は先ほど話題にあがっていた、ニューラというポケモンだった。

 

「ニューラッ!?」

「白昼堂々、この卵を盗みにきたということか・・・!」

「急いで持って行こう!」

 

彼らはワゴンを押してニューラから逃げる。

追いつかれたら確実に卵は奪われ、食べられてしまう。

そんな彼らを逃がさないとニューラが追ってこようとしたが、ヨウカのニャーくんやハウのキャモメがそれを阻止する。

途中こごえるかぜで阻まれ視界を奪われるが、それを突っ切り保管倉庫に到着することができた。

しかし。

 

「あれ・・・!?」

「どうしたの、ヨウカ?」

「1個だけ、ない・・・!」

 

確か最初は6個あったはずのポケモンの卵・・・今は5個しかない。

どうして1個だけないのか・・・ヨウカは嫌な予感がして胸をざわつかせる。

 

「もしかして・・・!」

「あ、ヨウカさんっ!」

 

嫌な予感を抱えたままそこを飛び出すヨウカ。

そしてその先でヨウカは、自分の嫌な予感が的中する瞬間を目撃する。

 

「あぁぁーーーっ!!」

 

卵を1個手に持ち、その鋭い爪の先で卵を突こうとするニューラの姿があったのだ。

薄い水色にブロックのような模様が入ったその卵を食べられる・・・つまりあの中にいたポケモンは・・・。

それを悟ったヨウカは恐怖の色を出したがすぐにそれを振り払いタツくんを出してニューラの動きを妨害する。

 

「タツくん、りゅうのいかりっ!」

「たーん、べっ!」

「ニュラッ!?」

 

りゅうのいかりが命中したことで、ニューラは驚き手の中にあった卵を投げ飛ばした。

飛んできた卵をヨウカはなんとかキャッチして、ニューラをにらみつける。

 

「ここから生まれるポケモンのためにも、あなたには渡さないよっ!」

「ニュラァーッ!」

 

ヨウカの妨害にたいしニューラは怒りを覚え、鳴き声をあげる。

すると周囲から十数はいるであろうニューラの大群が現れる。

おそらく、このニューラの仲間であろう。

 

「こんなにたくさん・・・!」

「ニュラァ、ニュラ、ニュ!」

「・・・もしかして・・・この卵を渡すなら見逃すぜ、とか言ってるつもりなの・・・?」

 

ニューラの言葉の意味に気付いたヨウカは、卵を抱きしめる腕の力を強めた。

離してなるものか、という思いを胸に。

 

「ぜぇーったいにイ・ヤ・だっ!」

「ニュ・・・ニャア!」

 

ヨウカの抵抗に対し怒りを覚えたニューラは仲間に指示を出し、ポケモンではなくヨウカに攻撃するよう指示した。

 

「うわっ・・・!」

「ニュ!」

「うぐっ!」

 

ニューラが大勢でヨウカに切りかかってきた。

その爪に腕や足を切られて痛みを感じるが、それでも卵を離さない。

ニャーくんとタツくんはヨウカに襲いかかるニューラを優先的に倒していき追い払う。

ヨウカはその体制のまま今度はサニちゃんとカリちゃんも出した。

 

「サニちゃんはとげキャノン、カリちゃんはシザークロス!」

 

とげキャノンとシザークロスはニューラの大群を一掃していく。

ほとんどのニューラが傷つき倒れ、残るはボスのニューラだけとなり、ニューラはニャーくんにたいしきりさく攻撃を放つがニャーくんはそれを回避した。

 

「ニャーくん、そこだよ、ほのおのキバ攻撃!」

 

ボスのニューラにニャーくんは飛びかかり、ほのおのキバ攻撃を命中させそのボスを倒した。

 

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ヨウカ達の抵抗にニューラ軍団はボスが戦いに敗れたことで、卵をあきらめて暗闇の中に逃げ去っていった。

 

「やったぁ・・・」

 

ニューラの姿が見えなくなったのを確認して、ヨウカは安心したのかへたりと座り込んでしまった。

 

「ヨウカ!」

「ヨウカさんっ!」

「ヨウカー!」

 

そこに、異変に気付いたククイ博士達が駆けつけてヨウカと合流してきた。

 

「ククイ博士にハウくんにリーリエちゃん!」

「ヨウカ・・・キミ、怪我だらけじゃないか!」

「大丈夫ーっ!?」

「あう、傷のことを思い出したらちょっと痛いかも・・・」

 

ククイ博士とハウはヨウカが傷だらけなのに気づき驚きの声を上げ、リーリエは心配そうな顔であわて出す。

彼らの反応でニューラに攻撃されたことを思い出したヨウカは身体にできた傷にさわる。

 

「あ、でもほら!

タマゴはこのとおり、傷もなければ割れてもない・・・無事な状態ですよ!」

「そうか・・・まずはよくやった。

だがキミはすぐに、こっちにきて傷の手当てだ!」

「うぅ、はぁ〜い」

 

ククイ博士にいわれて、ヨウカは牧場の医務室に連れてかれた。

卵は一度ラッキーに預けられ、ヨウカは手当としてニューラに切られたところを消毒される。

ガーゼから傷口に消毒液が伝わるたびにしみる。

 

「あうぅぅ〜〜しみるよぉ〜!」

「もう少しよ」

 

そして人間用の傷薬を塗り滅菌ガーゼをあて包帯をまいたり絆創膏を貼ったりして、とりあえず手当は終了した。

ヨウカの無事が確認できたあとで、リーリエはある提案をした。

 

「あの、ヨウカさん」

「ん?」

「牧場主さんが・・・そのタマゴ・・・あなたが持っていてあげたらどうですかって仰ってたんですけど・・・いかがですか?」

「えっ?」

 

リーリエが伝えてきたその提案にヨウカは驚き、今ラッキーが手に持っているタマゴを見返した。

 

「どうでしょうか、博士」

「そうだな、僕もそれがいいと思うぜ」

「ククイ博士」

「わしも賛成だよ」

「あの、私もです」

「私も、同じように賛成したいです」

 

牧場の従業員やポケモンブリーダーの人、農夫もヨウカが卵を受け取ることに賛成していた。

それと同時にこの提案をした牧場主夫婦・・・カキの両親も入ってきて彼女にその卵を託したいと言ってきた。

 

「ハウくんはええの?」

 

ヨウカはハウにも聞いてみた。

するとハウは満面の笑顔でうなずく。

 

「うん、ヨウカならそのポケモンー、大事に育ててあげられるとおれも思うよー!

だからその子は、ヨウカに任せるよー!」

「・・・そっか、うん、わかったよ・・・」

 

ヨウカはラッキーから卵を受け取り、この牧場にいる人達に向かって言った。

 

「あたし、この子を大事に育てます!」

「ええ、お願いね」

「えへへ、また賑やかになりそうやね、みんな」

 

その卵をそっと抱きしめ、ヨウカは嬉しそうに笑ってポケモン達と会話する。

この卵が生まれる時をみんなで心待ちにしようとはなしていた。

 

「ヨウカさん、嬉しそうですね」

「うん、ヨウカもおれもー、ポケモン大好きだしねー」

「ハウさんのポケモンさん達も、ハウさんと一緒にいると嬉しそうです。

その姿を見てると、私も楽しくなっちゃいます。

ねぇ、ほしぐもちゃん」

「ぴゅい」

 

リーリエとコスモッグは互いの顔を見て笑いあい、その姿を見たハウもへへ、と白い歯をみせつつにかっと笑って見せた。

 

「リーリエとー、その子もー、一緒にいると楽しそうだよねー!

きみ達が仲良くしてる姿を見てるとー、おれもなんか安心しちゃうよー」

「ふふっ」

 

そう言ってハウとリーリエは笑いあったのだった。

 

 

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