PokemonSM CosmosEpic 22:激突!ヨウカ対グラジオ! |
「じゃあ、大試練がんばってねー!」
「ぜーったいに、ヨウカにおいつくからまっててー!」
アーカラ島に戻ったハウを見送ったヨウカは、ウラウラ島の島巡りに挑戦するためにマリエシティを旅立とうとしていた。
「・・・きたか」
「え・・・?」
町を出たところで、聞き覚えのある声がして立ち止まるヨウカ。
声のした方向をみると、黒い服に身を包み金髪に白い肌、鋭い翡翠色の目を持った少年が姿を現した。
「・・・あなたは!」
そこにいたのは、スカル団の用心棒をしているという少年グラジオだった。
なんで彼がここにいるのだとヨウカが身構えるとグラジオはスカル団の女幹部から聞いたことをそのまま伝える。
「プルメリから話は聞いた。
下っ端の仕返しのためにお前にポケモンバトルを仕掛けたら、返り討ちにされたってな」
「そっか・・・あの人あなたにも報告してたんやね・・・!」
「用心棒の仕事を、ここでさせてもらうぞ」
す、とボールを取り出し構えるグラジオを見て、ヨウカはこれから始まるんじゃないかと思ったことをそのまま口に出した。
「まさか、また勝負するの?」
「当然だ、そのためにお前の前に現れたのだからな」
「・・・わかった、いいよ・・・!」
トレーナー同士の勝負、これは逃げるわけにはいかない。
彼の勝負を迎え撃つためにヨウカも同じようにボールを構えて、2人同時にボールを投げてそこからポケモンを出した。
「お願い、カリちゃん!」
「ゆけ、ゴルバット!」
カリキリとゴルバット、相性ではカリちゃんが不利だ。
すぐにヨウカはカリちゃんを戻そうとしたが、ゴルバットはそれより先にある技を繰り出してきた。
「くろいまなざし・・・!」
「えっ!」
「ヨウカたいへんロト!
これじゃあカリキリはボールにもどせないロト!」
「そんなっ・・・」
これでは強制的に戦わなければならなくなる。
どうすればいい、と一瞬迷いを見せたヨウカだったがその迷いをすぐに振り切る。
「・・・ううん、だったら戦って倒すしかない!
カリちゃん、きりさく攻撃!」
カリちゃんはきりさく攻撃でゴルバットにつっこんでいき、その一撃を食らわす。
直後にリーフブレードで連続で攻撃を与えるが、ゴルバットは動じない。
やはり相性故にカリちゃんの攻撃はあまり効いていないようだ。
「ゴルバット、アクロバット!」
「こ、このはっ!」
ゴルバットは凄まじいスピードでカリちゃんにつっこんできて、ヨウカはその動きを遮ろうとこのはを指示したが、相手はそれを凄まじいスピードで回避し、そのままカリちゃんに攻撃を繰り出し戦闘不能に追い込んだ。
「カリちゃん!」
ヨウカはすぐに、戦闘不能になったカリちゃんをボールに戻した。
「次はお願い、サニちゃん!」
ヨウカが次に繰り出したのはサニちゃんだった。
場に出てきたサニちゃんに向かってゴルバットはエアカッターを浴びせて攻撃したが、それにサニちゃんは耐え抜きバブルこうせんで反撃する。
「スピードスター!」
「ミラーコートッ!」
スピードスターも受けたがそのとき同時にミラーコートも発動し、そのダメージを倍にして返した。
弱ったゴルバットに、連続してダメージを与える。
「とげキャノンからの、パワージェムッ!」
その2つの技がゴルバットにささり、地に落とした。
「よしっ」
「まだこちらにも、ポケモンは残っている!
ゆけ、ブラッキー!」
グラジオがゴルバットを戻しその代わりに出してきたのは、ブラッキーだった。
そのブラッキーにサニちゃんはパワージェムを放ち攻撃するが、ブラッキーは耐えて反撃でしっぺがえしを食らわせる。
「どくどく!」
そこでブラッキーはサニちゃんにどくどくを放ち、サニちゃんをどく状態にする。
どくのダメージで弱っていくサニちゃんにブラッキーはおいうちやだましうちを繰り出してダメージを与えていく。
すぐに毒を取り除くためにヨウカはサニちゃんをボールに戻そうとする。
「こうた・・・」
「くろいまなざし!」
「またくろいまなざしだロト!」
これでサニちゃんは下げられず、どくのダメージを受け続ける。
「・・・こうなったら、じこさいせい!」
じこさいせいで己の体力を回復させ、回復しきったところでバブルこうせんを放つサニちゃん。
バブルこうせんに耐えたところでシャドーボールを放ち、さらにダメおしで体力を大幅に削る。
だいちのちからでダメージを与えようとしたが、その前にでんこうせっかを繰り出されてまたダメおしされる。
「あくのはどう!」
「ミラーコート!」
ブラッキーはあくのはどうを放ってきたが、サニちゃんはそれにミラーコートで対抗し、ブラッキーにダメージを返す。
「ブッ・・・!」
ミラーコートで倍返しになったあくのはどうがとどめの一撃となっていたので、ブラッキーは戦闘不能になった。
「サニちゃん!」
だが、サニちゃんもどくによるダメージで倒れ、相打ちとなってしまった。
その中でグラジオは最後の一匹を出す。
「ゆけ・・・タイプ:ヌル!」
「お願いサンくん!」
グラジオが出したタイプ:ヌルとヨウカが出したサンくんの勝負。
「きりさく攻撃!」
「ジャイロボール!」
双方の技はぶつかる。
「サンくん、ツララばり!」
「ヌル、ニトロチャージ!」
サンくんはタマゴから孵ったばかりとは思えない健闘をみせたものの、やはり相手の方がレベルが高く、めざめるパワーからのシャドークローを受けてサンくんは戦闘不能になってしまった。
「サンくん・・・戻って!
次はお願い、タツくん!」
倒れてしまったサンくんをすぐにボールに戻すと、すぐにタツくんを繰り出す。
「ヌル、シャドークローッ!」
「受け止めて、ドラゴンクロー!」
相手のシャドークローを受け止め、そこからドラゴンクローを繰り出してタイプ:ヌルに攻撃する。
「まだいけるか、ヌルッ!」
「グゥルルルルル」
グラジオの呼びかけに対しタイプ:ヌルは鳴き声をあげつつ立ち上がり、敵をにらみつける。
まだ戦えることに気づいたグラジオは今度はエアスラッシュを指示しタツくんに攻撃、さらにシャドークローを浴びせる。
「トライアタック!」
「りゅうのいぶき!」
タイプ:ヌルはトライアタック、タツくんはりゅうのいぶきを放ち衝突させる。
技が激しくぶつかりあっていたが、トライアタックがりゅうのいぶきを押し切り、タツくんに襲いかかった。
「タツくん・・・!」
「・・・」
「ありがとう、戻って休んでて・・・1
次お願い、ニャーくん!」
ヨウカはやむを得ず、タツくんをボールに戻し、すぐに次のポケモンのニャーくんを出した。
「ニャーくん、ほのおのキバ!」
「かわして、きりさく攻撃!」
ほのおのキバを回避され、きりさく攻撃を受けてしまう。
直後ひのこを放ちそれを命中させることには成功したが、すぐにシャドークローが飛んできてニャーくんを追いつめていく。
確かに、初めて戦ったときよりも確実に強くなっている。
「どうすればいい・・・ここから逆転するには、どうしたら・・・!」
この状況を打破する方法をヨウカは必死に考えるが、焦るだけがただひたすら彼女の中にたまっていく。
良い方法が浮かばず戸惑うヨウカだったが、次の瞬間。
「わっ!?」
「なにっ!」
「ニャッ!」
草むらの中からコラッタが飛び出し、ヨウカの腕に噛みついてきた。
何事かとその飛び出してきたコラッタをにらむと、草むらからスカル団がでてきた。
「スカル団!」
「お前達、何故こんなところに!?」
これにはグラジオも予想外だったらしく驚いている。
「アンタとのバトルで大体のポケモンが弱ったとき、それこそがその小娘をフルボッコにするチャンスだと思ったのさ!」
「勝手なことを・・・!」
「ここまでよくやったねぇ用心棒クン!
さぁ、同胞と姐の仕返し、さらにオレ達がしてやるよっ!」
そう言い2人組のスカル団は最初から場にでていたコラッタの他にヤブクロンまで出して、ヨウカに対し直接攻撃を仕掛けようとしてきた。
「くっ・・・」
「まてっ」
グラジオが呼び止めようとするよりも早く、ニャーくんが動き出してスカル団のポケモンに飛びかかった。
「ヒニャァッ!」
「ニャーくん!」
スカル団が繰り出してきたヤブクロンにほのおのキバを繰り出して攻撃し、次に飛んできたコラッタにもひのこをあびせる。
相手のポケモンに一度ずつダメージを与えた直後、ニャーくんは体勢を低くして威嚇のうなり声をあげる。
「ヒィィイニャァァアッ・・・!」
「そうだね、ニャーくん」
ニャーくんが怒っている意味に気付いたヨウカは、ニャーくんの隣にたつ。
「どんな理由だろうと相手が誰だろうと!
ポケモンバトルの邪魔するやつなんか、ゆるさないんだから!」
「なにをぅ!」
「お前等、やっちまえ!」
スカル団はポケモン達に指示をして攻撃を仕掛けてきたが、それよりも早くヨウカはZリングのつけられた方の腕をつきだし、ポーズを取る。
「あたしとポケモンのゼンリョク、このZワザにすべてかける!」
そう言ってホノオのZワザの動きをとり、ニャーくんにZパワーを与えると、ニャーくんは激しい熱気に包まれてその技を放つ体制に入る。
「ダイナミック・フルフレイムッ!」
そのZワザがスカル団に炸裂し、大爆発を起こした。
「あーれれぇーーっ!」
爆発の影響でスカル団は、アローラの空に吹っ飛ばされていった。
「・・・やれやれだよ・・・」
勝負に割り込んで、こちらをピンチに追い込むなんてなにを考えているのやら。
そう思いヨウカはスカル団が飛んでいった方向を見てあきれた表情をすると、グラジオと向かい合って勝負を再開しようとする。
だが、グラジオは彼女達に背を向けて立ち去ろうとしていたので、ヨウカは慌てて彼を呼び止める。
「あ、グラジオくんっ!」
「勝負はここまでだ」
「えっ」
どういうことだと問いかける前にグラジオは喋り出す。
「余計な邪魔が入って戦意がなくなった。
だから試合の決着は次回にお預けということだ」
「・・・いや、完全にあたしの負けだよ、今のは」
「・・・?」
負けを認めたヨウカに、グラジオは疑問を込めた眼差しを送る。
どうして負けを認めるのか、という疑問を抱いているグラジオの視線に気付いたヨウカは頭をポリポリ掻きながらもその理由を話す。
「だって、ゴルバットにカリちゃんやられちゃったし・・・ブラッキーもサニちゃんを倒しちゃったし。
そのタイプ:ヌルだって1匹だけであたしのポケモン2匹も倒しちゃったでしょ?
ニャーくんもギリギリに追い詰められちゃった・・・最後の一匹で。
でもあなたは、まだポケモン持ってるんでしょ」
「・・・!」
グラジオは驚いた。
ここで、ヨウカがこちらにはまだ手持ちのポケモンがいたことに気付いていたことに。
「この段階で苦戦させられちゃって、あたし内心焦っちゃっていた。
そのせいでスカル団にスキつかれちゃって、勝負中断させられちゃったんだ。
だから、今回はあたしの負けだよ」
「・・・」
「もしもあのとき、あたしの気持ちに余裕があって、それで勝ち目あったら、あのときにスカル団の不意打ちにすぐ対応できていたはずだし。
・・・ぶっとばせたのは、運が良かっただけだし」
最後にZワザを決めれたのは、相手がスカル団であったために行動が間に合ったから。
だが相手がタイプ:ヌルだったら発動前に戦闘不能にさせられていただろう。
だから彼女は今回の勝負で、グラジオに負けたと言ったのだ。
「わ、なに!?」
「ヒニャッ!」
彼女の話を聞いた直後、グラジオは彼女に歩み寄りスカル団に傷つけられた腕をとる。
突然の行動にヨウカは驚き、ニャーくんはグラジオに対し厳しい鳴き声をあげた。
「あいつらと一緒にするな、こいつに攻撃するつもりはない」
と、グラジオはニャーくんに向かって言うとヨウカの腕に手早くなにかを巻き付ける。
彼の手が放れたとき、ヨウカの腕には布がしっかりと巻かれていた。
「・・・へっ?」
「あくまで応急処置だ、ちゃんとした手当は自分で何とかしろ」
「でも、どうして・・・」
グラジオはスカル団の飛んでいった方を睨みつけて、ヨウカを手当した理由を語る。
「・・・あいつら・・・いくら敵対しているとはいえ、勝負に割り込んだだけでなく、トレーナーに怪我させるのは流石にやりすぎだからな。
オレも一応今は奴らの同胞みたいなもんだから、代わりに詫びの証だ」
「・・・」
「じゃあな、次あったときこそ・・・勝敗を決める」
それだけを告げると、グラジオはヌルに呼びかけヨウカの前から立ち去っていく。
「あの、ありがとう・・・」
それを聞いたグラジオは一瞬立ち止まったが、すぐにまた歩き出した。
「・・・次会ったときには、リベンジしようね、みんな!」
勝負に負けたことは悔しいが、だからこそ己を奮い立たせる。
そんなヨウカの気持ちに同調したポケモン達も立ち上がった。
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