スマブラ Abandon World 1「日常と非日常」
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 ここは、争いの世界の拠点、スマブラ屋敷。

 

「ふわぁぁぁぁ……」

「おはよう、兄さん」

 寝ぼけ眼でリビングに来るスマッシュブラザーズのリーダー・マリオ。

 そんな彼を出迎えてくれたのは双子の弟ルイージ。

「今日の朝食はファルコンが作ってくれるみたい」

「あいつは料理が上手いのか?」

「そうみたいだよ。意外だよね」

 ファルコンは多くの仕事をしており、また、その出自には謎が多い。

 それでもスマブラメンバーとして平等に扱われるのは彼の腕と心根の良さからだろう。

「あいつが作る料理はどんな味だろうな。いつもリンクのものばかり食ってたから、新鮮な気分になるぜ」

 

「よし、できたぞ」

 そう言ってファルコンはスマブラメンバーに朝食を出した。

 今日の朝食のメニューはご飯・焼き魚・味噌汁だ。

「いただきます」

 手を合わせた後、マリオ達は朝食を食べた。

「ん、美味いな」

「ちょっと塩が多いけど、まぁまぁな味だな」

 ファルコンは喫茶店の店長もしているため、実は料理もかなりできるのだ。

「ははは、喜んでもらえると嬉しいよ」

 笑いながら朝食を食べるファルコン。

「そういえば、今日の乱闘はどこで行うんだ?」

「空中スタジアムみたいだぞ」

「あそこか」

 それを聞いたマリオは、二度起こった亜空軍異変を思い出した。

 第一次亜空軍異変・第二次亜空軍異変共に、空中スタジアムから亜空軍が襲来した事で始まったからだ。

「楽しみだな、リンク」

「ああ」

「じゃあ、朝食を食べ終わって片付けたら早く空中スタジアムに行こうぜ!」

 

 朝食を食べ終わり、食器を片付け終わった後、マリオ達は乱闘の舞台となる空中スタジアムに向かった。

「よーし、早速みんなの乱闘を見ようぜ!」

「マリオ、第一試合はあなたが出るのよ?」

「はっ! そうだった!」

 ピーチに言われ、はっと気付いたマリオは、大急ぎで乱闘が行われる会場へ向かった。

 

 今日の乱闘の試合は、以下の通りである。

 第一試合:マリオ、リンク、カービィ、ピカチュウ

 第二試合:ゼルダ&シーク、ネス&リュカ

 第三試合:ルカリオ、ソニック、ゲッコウガ、ロックマン

 第四試合:マルス&ロイ、ルフレ&カムイ

 ちなみに、全ての試合でストック制であり、

 第一試合と第三試合は通常の大乱闘、第二試合と第四試合はチーム戦である。

 

 第一試合は、スマブラ四天王と呼ばれるスマブラメンバーの顔の大乱闘だ。

 観客は試合が始まる前から盛り上がっていた。

「流石はスマブラの顔といったところだな」

「誰が勝つのかしら?」

「それを予想するのも、この大乱闘の楽しみだ」

 

「Ready……Go!」

 そして、合図と共に、第一試合が始まった。

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 合図と同時に最初に動いたのは、リンクだった。

 リンクはカービィに近づき、剣で斬りつける。

「うわぁぁ!」

「行くぞ、マリオ!」

 ピカチュウがマリオに電撃を放って攻撃する。

「でやぁ!」

 マリオも負けじとミドルキックでピカチュウを攻撃する。

「いっくよー! ハンマー!」

「ぐわぁ!」

 カービィはリンクに近づき、ハンマーで殴りつける。

 その威力は溜めなくともそれなりに強い。

 

「マリオ! 頑張って!」

「リンク! そこです!」

 キノコ王国の王女ピーチと、ハイラル王国の王女ゼルダがそれぞれの関係者を応援する。

「二人とも楽しそうですね〜」

「当たり前でしょ、ヨッシー! だって、マリオが出るんですもの!」

「まぁ、当然ですよね〜」

「リンクもなかなかの剣の腕前だね」

 シュルクもリンクの動きを見ながら感想を言う。

「行け行け〜! カービィ!」

「ぴかにいちゃんがんばるでちゅ〜!」

 トゥーンリンクやピチューなど、子供達も応援に入った。

 

「たぁ! とぉ!」

「食らえ! 両足蹴り!」

 ピカチュウは両足を突き出してリンクを蹴る。

 マリオは隙を突いてピカチュウをキックで攻撃しようとするが回避される。

「ファイナル……カッタァーーー!」

「おっと!」

 カービィの攻撃もピカチュウは軽々とかわす。

 

「ピカチュウ、速いな」

「足の速い奴が有利と誰かが言ってたが……」

 試合を観戦しているフォックスやファルコが言う。

 

「ハンマー!」

「ふっ」

 そんなピカチュウを止めるべく、カービィはピカチュウに突っ込んでハンマーを振るう。

 だがそれも、ピカチュウは軽々とかわす。

「果たしてこれはどうかな?」

「ぐはっ!」

 が、リンクの爆弾には反応できず、爆風を受けてしまう。

「でかいのお見舞いしてやる! ファイア掌底!」

「ぐはっ!」

 マリオが炎を纏った掌底でピカチュウに大ダメージを与える。

 軽く舌打ちしたピカチュウが反撃とばかりにマリオに電撃を放つ。

「えいっ!」

 その隙にカービィが回し蹴りでピカチュウを攻撃して蓄積ダメージを増やす。

「倒れろ!」

「ファイアボール!」

 ピカチュウはカービィに接近して電撃を放ち大ダメージを与える。

 マリオもリンクの盾が届かない場所にファイアボールを放った。

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 試合は一進一退の攻防が続き、全員の蓄積ダメージも溜まっていった。

 早めにこの試合を終わらせるべく、リンクはある行動に出る。

「とぉっ! はっ! てやぁ!」

 リンクは動きが鈍いながらも他の三人を同じ位置に誘い出す。

 そして、パワーを溜めた後、スマッシュ斬りを繰り出して三人を同時に吹っ飛ばした。

 マリオは復帰できたものの、体重の軽いカービィは撃墜され、

 ピカチュウも何とかギリギリで崖に掴まった。

「これで残るは三人か。よし、どんどん行くぜ!」

「そうはさせないぞ!」

 リンクは弓矢でマリオを攻撃するがスーパーマントで跳ね返される。

「いてっ!」

「よし!」

 その隙にマリオに掴まれてしまい、ジャイアントスイングで投げ飛ばされた。

 リンクはフックショットを使い崖に掴まった後、上がる時の切り上げでマリオを攻撃する。

「しぶといな、リンク」

「へっ、俺も伊達に勇者をやってないさ。さぁ、反撃と行くぜっ! 回転斬り!」

「うわぁ!」

 リンクはマリオを回転斬りに食らわせ、マリオを吹っ飛ばした後、

 ピカチュウに近づいてスマッシュ攻撃を溜める。

 だが直前でキックを受けて潰されてしまい、さらにショート電撃を受けてしまう。

 そこそこ重量のあるリンクでも、

 ダメージがかなり溜まっていたため流石にこれには耐え切れずに撃墜されてしまった。

 

「後はお前だけだな……」

「ああ……」

 残ったのは、マリオとピカチュウだけとなった。

 彼らを見ていた観客は、より一層盛り上がる様子を見せた。

「ファイア……」

「ショート……」

 マリオは、ピカチュウを吹っ飛ばすために、その手に炎の力を溜めた。

 ピカチュウも、マリオを吹っ飛ばすために、内部に電気の力を溜めた。

 

「……電撃!!」

「なっ」

 マリオのファイア掌底がピカチュウに届く前に

 ピカチュウのショート電撃がマリオに命中し、結果、マリオは場外に撃墜された。

 第一試合は、ピカチュウの勝利に終わった。

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「よっしゃぁ!」

「やったぁ! ぴかにいちゃんがかったでちゅ!」

 観客席からは大きな歓声が上がっていた。

 他の戦士を応援していた観客も「よくやった」と健闘を称える。

 

「次の試合はゼルダとシーク、ネスとリュカのタッグ戦か」

「どっちも不思議な力を持ってるからね」

 ピットとブラックピットがそんな会話をしていると、もう第二試合が始まろうとしていた。

「この試合、どっちのチームが勝つと思う?」

「そうだな……ゼルダのいるチームだと思う」

「ボクはネスとリュカのチームかな?」

 デデデ、ロゼッタ、パックマンの三人が賭けをしていた、その時だった。

 

 ――お願いします。どうか、この世界を救って。

 

「!?」

 突然、空から女性の声が聞こえてきた。

 それと同時に、空中に巨大な裂け目が現れた。

「なっ、なんだこれは!?」

「まさか、また敵襲か……!?」

 あそこから、敵が現れるのか。

 マリオ達は身構えたが、数分経っても敵が現れる様子はなかった。

 

 だが、数分後。

 その裂け目から、凄まじい強さの光が放たれた。

「うわっ……眩しい……!」

「何も見えない……!」

 カービィとリンクもあまりの眩しさに目を覆う。

 敵襲でなければ、一体何が起こるのだろうか。

 リンクは眩しさに耐えている中でそう思っていた。

 

 そして、眩い光が消えると同時に、マリオ達の姿は空中スタジアムから消えた。

 

 ――スマッシュブラザーズ……最後の希望……。

説明
何気に、私がTINAMIに二次創作小説を投稿するのは初めてだったりします。
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スマブラ 長編 マリオ リンク カービィ ピカチュウ 

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