スマブラ Abandon World 11「四つ首の亀」 |
「うりゃりゃりゃりゃ!」
メタナイトが亀に突っ込んでいき、剣を振り連続で斬りつける。
「それっ!」
「やあっ!」
ヨッシーとりょうは彼を援護するように卵やボウリングの玉を投げて攻撃する。
「うわぁ!」
亀は首を伸ばしてヨッシーに噛みついてきた。
その一撃はかなりのようでヨッシーは体力を多く持っていかれる。
「顎の力が強いですねっ、この亀は」
「だが顎の力だけではない、首も長いぞ」
「それは……うわっ!」
亀の頭の1つが首を伸ばし、ヨッシーを巻きつけて宙に持ち上げ、地面に叩きつける。
「いたた……気を付けなければいけませんね。でも、私もやられてばかりではありませんよ!」
ヨッシーは高くジャンプした後、亀の頭の1つを蹴ってダメージを与える。
「ここから……えいっ!」
りょうは自分に風船を付けて飛び上がった後、亀の上空から植木鉢を落とす。
「うりゃっ!」
メタナイトは剣を構え、きりもみ回転しながら亀に突っ込んでいき亀の傷を抉る。
さらに着地した際の隙を軽減して飛び上がって斬りつける。
「うわぁ〜、メタナイトかっこいい〜」
「見惚れる暇があるならば早めに片付けろ」
「そうだね! ……ってメタナイト!?」
「くっ、油断したか!」
だがメタナイトは先ほどの攻撃の隙は軽減できず亀の体当たり攻撃を許してしまう。
「危ない、メタナイト!」
「すまな……ぐあぁぁぁぁ!!」
りょうが素早く亀に近づいて花火で攻撃したが、
亀の勢いを殺す事はできずメタナイトは大ダメージを受けて吹っ飛ばされた。
「く……っ」
何とか体勢を整えたメタナイトだが、体重の軽い彼にとっては致命傷である。
ヨッシーとりょうは、彼を守るために前に立った。
「メタナイトさん、ここは私達に任せてください」
「あまり無茶はしないでね」
「……む、無論」
ヨッシー、メタナイト、りょうと亀の戦いは続く。
「はぁっ!」
メタナイトがヒット&アウェイ戦法で亀を斬りつけつつ、
ヨッシーとりょうが遠距離から卵やパチンコで援護する。
少しずつだが、亀に確実なダメージを与えられているようで動きが鈍ってきている。
ヨッシーとりょうは、亀の攻撃がギリギリ届かない位置から遠距離攻撃を行い、
飛び道具がないメタナイトは近づいては斬り、近づいては斬りを繰り返す。
「もう少しで亀を倒せますよ〜」
「おお!」
「よし、一気に決めるぞ! ヨッシー、まずは卵を投げて敵の注意を逸らせ」
「はい〜!」
ヨッシーはメタナイトの指示で亀に向かって卵をたくさん投げる。
メタナイトはその隙に亀の懐に潜り込み、マッハトルネイドで連続攻撃した。
すると、その亀は体勢を崩し倒れ込んだ。
「亀が倒れました、チャンスです!」
「今だ、りょう!」
「いくぞぉ! どぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そして、りょうが斧を持って亀に突っ込んでいき、それを振るって亀を真っ二つにした。
切り裂かれた亀は、黒い霧となって消滅するのであった。
「改めて見ましたが、りょうさん、すっごい力持ちですねぇ〜」
「私が聞くのも野暮だが……お前は、本当にただの村人なのか?」
「えっ? すま村で生活してた時は普通に邪魔な木をこうやって切ってただけだよ?」
さらりと当然の如く言うりょう。
りょうは一見するとただの村人にしか見えないが、
斧やスコップを軽々と振り回したり大型の魚を釣り竿1本で釣り上げたりなど、
そのポテンシャルはかなりのものだ。
理由を話すと、メタ発言になってしまうので話せないが。
「……まぁ、おかげで危機は脱する事ができた。さぁ、早く希望を見つけ出すんだ」
「私のお腹も空きましたしね〜」
「君はいつもお腹が空いてるんじゃない?」
三人はりょうが先ほど見つけた足跡を辿りながら先に進んでいった。
「あれ? 足跡が……」
だが、途中で足跡が途切れてしまっていて、その足跡の主がどこに行ったのか分からなくなった。
「どうしよう、これじゃあ道標が分からないよ」
「直感で探そうにも、ここは広いですし……」
う〜んとヨッシーは頭を捻る。
メタナイトやりょうも、別の手掛かりを探す気力を無くしかけていた。
「くっ、このまま希望を見つけ出せず、ここで果ててしまうのか……!」
三人が困り果てた、その時だった。
―ああ……近い……人の姿が……近い。
「こ……この声は!?」
メタナイトの頭の中に、女性の声が聞こえてきた。
「まさか、テレパシーか!?」
「どうしたの、メタナイト!?」
「女の声が聞こえてきた。近い、と言っていた」
メタナイトがヨッシーとりょうに説明をする中、彼の頭に響く声はさらに続く。
―あなた達が目指すラストホープは、ここから北に……歩、東に……歩です。
「それは((真|まこと))か!?」
―ええ。とにかく、頼みますよ……!
それを最後に、女性の声はぷつりと途絶えた。
「……希望は、近い」
「えっ?」
「彼女の言う通り、北に……歩、東に……歩進め!」
「なんだかよく分かりませんけど、分かりました!」
メタナイトの指示に従って、りょうとメタナイトは北東に進んでいった。
すると、ある程度進んだところで町が見えた。
「恐らくはあそこが希望だ」
「ねぇ、メタナイトさん、また邪魔が入ったりしませんよね?」
「あの亀が最大の障害と私は睨んだ。故に、もう邪魔が入る事はないだろう」
「ですよねぇ〜。安心しました」
「ともかく、もうすぐ希望が見えてくる。行くぞ!」
「「はい!(うん!)」」
「やっと着いたぁ〜〜〜〜」
そして数分後、ヨッシー、メタナイト、りょうはラストホープに到着した。
「す、すげぇ……」
「ホントに自分の足でここに着きやがった……」
アスティマのテレパシーがあったとはいえ、
スマブラメンバーに助けてもらわずにラストホープまで辿り着いた彼らにマリオとピカチュウは驚いた。
「お、お腹空きましたぁ〜〜〜。早く食べ物をください〜〜〜〜」
ラストホープについて早々、ヨッシーは大急ぎで食べ物を求め動いた。
アスティマは「落ち着いてください」と宥めた後、
不思議な力でヨッシーの目の前に大量の食べ物を出した。
「ぱくぱくぱくぱく……あぁ生き返りました〜」
「あっはは、よっぽどお腹が空いてたんですね。おかげで精神力をかなり消耗しました……」
「ああ、こいつは俺の相棒のヨッシーだ。大食いだけど頼れる奴だぜ」
マリオがヨッシーについてアスティマに紹介する。
「私はアスティマ。このラストホープを治める者よ」
「メタナイトだ、剣技には自信がある」
「すま村のりょうで〜す、よろしくね」
「よろしくお願いしますね、皆さま」
「「「よろしく!」」」
アスティマもまた、お辞儀をしてヨッシー達に自己紹介をした。
「それにしても、他の奴らはどこに行ったんだ?」
マリオは辺りをきょろきょろと見渡した。
あくまで今の目的は、散り散りになっている仲間を探す事だからだ。
「あっ、でも今日は精神集中は使えませんからね」
「分かってる、今日は休んでおけ、アスティマ」
「……はい。お言葉に甘えさせていただきます」
そう言って、アスティマは休憩に入った。
休憩の途中で、アスティマはマリオを見て思う。
(……ふふ、マリオさまはこんな世界でも希望を捨ててはいないのですね。
太陽のない世界に現れた、1つの太陽のような、眩しさと明るさを感じます。
その明るさによって、みんなも元気づけられているようですね。私は、そんなマリオさまの事が……)
「ちょっとアスティマ、何マリオを見てるの?」
「はっ! な、なんでもありませんよ?」
ピーチに声をかけられたアスティマは、はっと我に返った。
(絶対に、この世界に光を取り戻してみせる! だからみんな、俺を見捨てるなよ……!)
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