スマブラ Abandon World 33「シークVSゼルダ」
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「みずしゅりけん!」

 ゲッコウガが粘膜から手裏剣を作り出し、グールの群れに乱射して攻撃する。

「ゼルダ……目を覚ましてくれ!」

 シークが細い針を何本もゼルダに投げる。

 ゼルダはそれをネールの愛で全て弾いたが、シークが投げた仕込針は囮だった。

「ぐぅっ!」

 シークの飛び蹴りがゼルダに命中し、ゼルダはよろめいた。

「PKサンダー!」

 リュカがPKサンダーを自分にぶつけ、グールに体当たりをする。

 その威力は強烈で、グールを大きく吹っ飛ばした。

 ゼルダはグールに的確な指示を出し、シーク達を襲わせた。

「死ね!」

「やめるんだ、ゼルダ!」

 さらに、ゼルダはシークに精神的なダメージを与えるためにシークに近づき、手に魔力を溜めた。

 シークはそれを何とかかわし、ゼルダに組み付く。

「ゼルダ! 僕の話を聞いてくれないか。こんな戦いをして、いいと思っているのか?」

「……貴様っ……」

「僕の声が聞こえないのか、ゼルダ!?」

「離せっ!」

 ゼルダはネールの愛でシークの組み付きを解き、体勢を整え直した後、ディンの炎を唱える。

 攻撃を受けたシークはよろめき、グールの接近を許してしまう。

「危ない! シールド!」

 グールがシークに噛みついてくるが、ネスがシールドを張ったためダメージは受けなかった。

「このグールを先に片付けなければ、ゼルダをまともに相手にできない」

「でも、凄くタフだよ?」

「うふふ、私に任せて。ヒステリックボム!」

 ピーチは魔力で大量の小型爆弾を作り出し、グールの群れ目掛けて投げ、爆発させた。

 その場にはシークやゲッコウガもいたため、ネスとリュカは危ないと目を瞑ったが、

 味方が巻き込まれる事はなかった。

「これは敵だけを攻撃する魔法の爆弾。あなたも食らいたくなかったら私を怒らせないでね?」

 確かに、爆発の後には全てのグールが瀕死状態になっていた。

 ヒステリックボムの威力を一同は思い知った。

「後は起き上がらないうちに倒してちょうだい!」

「PKフラッシュ!」

「PKファイアー!」

「ハイドロポンプ!」

「跳魚!」

 そして、瀕死のグールに一斉に必殺技が炸裂し、グールはその威力に耐え切れずに全滅した。

 

「ゼルダ、君は僕が救ってみせる!」

 ようやくグールを全員倒し、シークはゼルダに再び組み付くため突っ込んでいく。

 ゼルダを傷つけずに捕らえれば、彼女を助ける事ができる。

 シークはゼルダに組みついて動けなくさせ、取っ組み合いになった。

「何をする!」

「ゼルダ、正気に戻ってくれ!」

 シークがゼルダを説得しようとすると、シークの頭の中に女性の声が聞こえてきた。

 ゼルダを洗脳した張本人、ハオスの声だ。

「無駄な事はやめなよ。彼女はボクのものになったんだよ?」

「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 シークは珍しく感情的な声を上げた。

 もちろん、ゼルダに怒っているのではなく、ハオスに怒っている。

「シーク、頑張って!」

「この人になんか負けちゃダメだよ!」

 ネスとリュカも、シークを応援して士気を高める。

「ゼルダ! スマブラメンバーである事を、あなたは忘れちゃったの?」

「スマブラメンバーは、一人でも欠けたらスマブラメンバーとは言えないんだ。

 そんな奴になんか、負けるんじゃない……ゼルダ!」

「ち、違う……。私は……ハオス様の……しもべだぁぁぁぁぁぁ!!」

 ピーチも、シークと共にゼルダを説得し、彼女をハオスの呪縛から解放しようとした。

 しかし、最後に勝利したのはゼルダだった。

 

「……今回はひとまず退散しよう。だが、次に出会った時は、必ず貴様らを仕留める……覚えておけ」

 そう言うと、ゼルダはフロルの風で姿を消した。

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「……ゼルダ……」

「……」

 シークは、ゼルダがいた方をぽつんと見ていた。

 ピーチ達はシークの気を悪くしないよう、何も言わなかった。

「やはり君は、彼女を選んだのか……。君は、とても自己犠牲心が強かった。

 僕は、そんな君とまた一緒にいたかった。でも、そうはならなかった……」

 はぁ、と溜息をついた後、シークはがっくりとうなだれた。

 そんなシークの肩に手を置いたのはピーチだった。

「シーク、今回の探索は悪い事ばかりじゃなかったわよ。

 ラストホープに持ち運ぶ物資が見つかっただけでも、良い結果が得られたじゃない」

「そう……だな」

 元々、シーク達がアンノウンリージョンに向かった目的は、物資の調達だ。

 だが今もシークは「ゼルダを助けたい」という目的に囚われている。

 そして今回、ゼルダを見つけたはいいが逃がしてしまったため、シークは再び落ち込んでしまった。

 それを何とかするためにピーチはシークを励ましたのだ。

「きっと、ゼルダは今でもハオスの呪縛と戦ってるんだと思うわ。

 今日はダメでも次があるのよ! だからシーク、これ以上落ち込まないで、ね?」

「ピーチ……」

「何よ、まだしょ気てるわけ? だったら、このフライパンで……」

「わっ、待て待て! 頼むからそのフライパンはしまってくれ!」

 いつもの調子を取り戻したシークに、一同もまた元気づけられた。

 

「じゃ、この物資はラストホープに運びましょう? アスティマが待ってるわよ」

「ああ!」

 

 こうして、シーク一行は何とか物資をラストホープに運び出す事に成功した。

 ……ゼルダ救出は、失敗に終わったが。

 

「お帰りなさい、ませ……シーク、さま」

 アスティマはまだ調子が悪いようで、杖で支えながら何とか立っている状態だ。

「……アスティマ、どうしたの?」

「向こうにあった闇の力が引いてきましたので、私の調子も戻ってきています、

 が、まだ本調子とは言えません」

 アスティマは杖で身体を支えながら歩いていった。

「うーん、アスティマって闇の力に弱いのかしら? とりあえず、マリオに報告はしなくちゃね」

 そう言って、ピーチは今回の出来事をスマブラ四天王に報告しに行った。

 

「結構、物資は集まったんだな」

「わぁ〜、食べ物がいっぱいあるね。ラストホープから出なければ安全だよね!」

「……カービィ、俺達の目的はそれじゃなくて、この世界からの脱出だぞ」

「あっ、そうだった!」

 カービィのボケにマリオが突っ込んだ。

 しかし、未だに脱出する手段が見つからず、ただ時間だけが過ぎていくばかりだった。

 もちろん、時間を無駄にしないように、その間に仲間や物資を見つけたが……。

「でも、どうすれば脱出できるんだろう……」

「こんな時に、あいつらがいたらな……」

「いや、あいつらでもここから脱出できないと思う。

 何というか……元いた世界から切り離されたような感じがするからな」

 元の世界から切り離された、とは一体どういう事なのだろうか。

 確かに、この世界とは異なる魔物が現れ、空は灰色に染まり大地も赤茶けているが……。

「一度、アスティマに話を聞いてみるか」

「そうだね」

 

 この世界は何故、滅びたのか。

 何故、この世界は他の世界と切り離されたのか。

 その答えを知るため、スマブラ四天王は自分達をこの世界に呼んだ

 張本人・アスティマの元へ行くのだった。

説明
洗脳ゼルダ戦。
ゼルダをこういう風にしたのは、スマブラDXのとあるイベント戦の影響です。
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