愛しいひとへ。−ただ言う通りにしただけなのに− |
貴方を嫌いになったわけじゃないんです。
他に好きな人ができたというわけでもない。
ただ、
お母さんが、もっとちゃんとした職業に就いてる人がいいと言ったから。
私もその方がいいかなーと思っただけなんです。
そして、あの人と付き合っただけなんです。
でも、あの人は貴方と全然違ってた。
あの人といても、貴方のことばかり考えてて、
貴方の方が、ずっとずっと好きだと気がついた。
だから、貴方の所に帰りたかった。
貴方の腕の中へ戻りたかった。
でも、貴方はだめだと言った。
もう、帰ってくるな、と。
貴方はすごく怒っていて、「帰ってくるな!」と。
私が悪いの?
だって、
お母さんが、心配だって言うから。
私のこと心配してくれるから、
お母さんのいいと言う職業の人とつきあっただけなのに。
貴方が許してくれないのは、
そう・・
今、あの娘が、傍にいるから。
きっと、いえ、絶対そう!
−あの娘
ずっと貴方を狙ってた。
私がちょっと離れたすきに、貴方にとりいった。
なんで?
貴方、あの娘のこと、うるさがってたじゃない。
嫌がってたじゃない!
なのに、どうして?
それなのに、もうすぐ結婚するってなに?
もうお腹に子供がいるってなによ!
貴方だって私のことを責められないじゃない!
なんでよ!
私が離れてたのは、ほんの少しの間だったのよ!
なんで、そうなったの?
なんでよ!
行かないわよ、貴方の結婚式なんて。
自由参加なんて、
「みんな来て」、なんて。
貴方の傍で幸せそうなあの娘の顔なんて見たくもない。
あんな娘だもの きっと貴方だっていつか嫌になる。
そうしたら そうしたら
ほら 見てごらん!
あの娘、友達に貴方の悪口言ってるって。
同い年の友達はみんな好きなことして楽しそうなのに、
私は子供の面倒ばかりで何もできない。
子供が少し大きくなったら、働かなきゃいけないって。
窮屈だって。
それを覚悟で結婚したんじゃないの。
若くして子供をつくったんじゃないの。
ほら、そんな娘なのよ。
貴方、私がいなくなったからって、優しくされて騙されて。
馬鹿みたい。
私を選べば、そんなこと言われなくて済んだんだから。
なんで、帰ってきちゃだめだなんて・・
なんでよ
なんでなのよ・・
まだ、貴方が好き。
好きなのに。
貴方の傍にいたい。
貴方と生きていきたい。
あの娘と別れて欲しい。
そして、私の所に戻って欲しい。
傷ついた貴方を、そっと抱きしめて。
もう、離さない。
ずっと。
永遠に。
説明 | ||
自身の経験だけでなく、親しい方々からうかがったエピソードから、 炎華が勝手にその心情を想像して書いたものです。 なので、実際の気持ちとはかけ離れているかもしれません。 あくまでも、想像であり、創作ということであります。 |
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タグ | ||
お母さんの言う通りに 帰りたい | ||
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