Yurigame!13 ソフィvフロ
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Yurigame!13 ソフィーvフローラ

 

【フローラ】

 

 真っ暗だ…。私の世界は絶望という暗闇に染まっていた。

私は何もせずただ生きるために生まれてきたようなものだ。不自由な足を見るたびに

未来が見えない不安と悔しさと怒りがごちゃごちゃに混ざって誰も見てない所で

私は自分の足を強く叩いていた。

 

 私はいつまでこうしていなくちゃいけないんだ。何もできない…。何も考えずに

窓の外を見やると元気に走り回って楽しそうにしている同じくらいの子が羨ましかった。

 

 そんな暗闇の海に漂うように生きていた私に急に光が差し込んだ。

 

「私はソフィーだよ、何かお話しましょう!」

 

 窓の外から話しかけてくる笑顔の可愛い女の子。どうせ物珍しいものを見るように

私に関わろうとしているのだろうと思って適当にあしらっても、きつく当たっても

接してくれていた。私も彼女のそんな笑顔にいつの間にか惹かれていた。

 

「フローラ!」

 

 私の名前を何度も呼んでくれる子は他にいなかったから。何だか嬉しくて…。

でも態度はきついままで素直になれなくて…。いつかいなくなってしまうんじゃないか

という不安がいつも私の中に渦巻いていた。

 

 そして最終的には何か熊?のきぐるみを着て訪ねてきたから私は思わず笑ってしまう。

その姿を見られたくなくて部屋の中で声を殺して笑っていたがソフィーにバレてしまう。

 

 そんな眩しいくらい明るいソフィーに少しずつ心に余裕ができた私は

車椅子に座り入り口までママに連れていってもらってソフィーに私の姿を見せた。

ソフィーは車椅子を使っている私を見ても表情は変わらず、むしろ嬉しそうにして

私の傍に駆け寄ってくれた。彼女はまるで天使のように美しかった…。

 

 

 

**

 

 いつものようにソフィーは私の車椅子をゆっくり押しながら笑顔で話しかけてくる。

 

「ねぇ、今日はどこにいく?」

「そうね…。そういえば前に熊のきぐるみを着てうちに来てくれてたじゃない」

 

「あはは、ちょっと恥ずかしかったけど。それがどうかしたの?」

「なんとかってゲームのキャラって言ってたでしょ」

 

「うん!PECOってゲームだよ!」

「それを見たいなって思って」

 

「ほんと!?私の家に来てくれるの!?」

「うん…」

 

 ソフィーが好きなものを知りたくなって自然とその言葉が出てきた。

そのまま私はソフィーの家まで連れていってもらってゲーム機のある部屋に着くと

嬉しそうにゲーム機の電源を入れてコントローラーを手にした。

 

 何だかメルヘンな雰囲気の可愛い内容で、ところどころシリアスだったり変なノリで

楽しそうで不思議なゲームだった。ソフィーから大まかな話を聞きながら見ていると

根暗そうな意地悪な女王様が現れた。

 

「この子がね、フローラに似てるなって思って〜」

「えっ、私そんなに意地悪そう?」

 

「そうじゃなくて!この子は孤独でほんとは友達が欲しいけど、つい意地悪しちゃうって

いうか〜…。あっ、ネタバレになっちゃう!」

「…いいから。続けて」

 

「寂しそうなところがフローラと重なっちゃってて、仲良くなりたいなぁって。

そう思った時にこのゲームしながら考えてたの」

「それであのきぐるみ?」

 

「うん、そう!可愛いかなって思って!」

 

 確かにあのきぐるみは可愛かったけれど、それ以上にソフィーの方が可愛かった

気がするけど。でもちょっと気恥ずかしいから言ってあげない。

 

「そう…じゃあそのゲームのおかげで私はソフィーと友達になれたのね…」

「うん!あ、でももししなくても何とかして友達になろうとはしてたけどね!」

 

 えへへっと少し照れながら笑うソフィーの姿を私は見惚れていた。

そして改めてゲームってすごいなと思えた。

 

 そのおかげでソフィーとは早く友達になれたし。でも普通の友達とは違うような、

彼女を見てると少し顔が熱くなって胸がドキドキする時がたまにある。

 

「まぁ、ただの同情からじゃなくてよかったわ…」

「同情じゃないから!本当にフローラと仲良くなりたかったんだから!」

 

「わかってるわよ」

「ほら!女王様と仲良くなるとこーんなにイチャイチャするんだから!」

 

「イ、イチャイチャって…」

 

 いつの間にかどんどん先へ進めて仲良くなった主人公は女王様のほっぺに親愛の口づけ

をしているではないか。それを見た私はソフィーと私とイメージを重ねちゃって

顔が熱くなってきた。

 

 でも、ゲームとはいえそういう姿を見ていたら私だってソフィーの横顔を見ていると

したくなってくる…。

 

 そう思いながら見つめていると、まるで吸い込まれるようにゆっくりとソフィーの

頬に顔を近づけていって、軽く口づけをしていた。完全に無意識で、した後に気づいて

私は言葉を失って顔が熱くなってきた。

 

「い、今のはその…」

 

 ソフィーもさすがに気づいたらしく口づけをした後に手の動きが止まり

顔を赤くして頬に手を当てていた。いくら友達とはいえ、こういうのは気持ち悪いかなと

心配していると私の考えとは逆にソフィーは少し照れくさそうに笑っていた。

 

「あ、あー。やられちゃったね」

 

 ソフィーはゲーム画面を見て呟いた。画面にはゲームオーバーの文字が。

 

「ご、ごめん…」

「今のはどういう意味でしてくれたの?」

 

「え…?」

「私のこと…好きって意味? それとも…」

 

 ソフィーのちょっと切なそうな顔を見ているとまるで今の私を見ているようだ。

ドキドキがうるさいくらいに聞こえて答えることに戸惑っていると。

ソフィーが少し悲しそうな顔をして…。

 

「そう…」

「ち、違う…!好きよ!好きに決まってるでしょ…!」

 

 悲しそうな顔をした彼女を見たくなくて私は声を強くして言った。

私の中でソフィーはもう特別な存在なんだから。

 

「嬉しい…!」

 

 ソフィーは私の言葉を聞いてちょっと顔を赤らめながら笑顔で私に抱きついてきた。

 

「ちょっ…ソフィー?」

「私もフローラのこと好きだよ!」

 

 ちゅっ

 

 お返しとばかりにほっぺにちゅーをされて私の中で嬉しさと恥ずかしさが混ざりあって

何も考えられなくなってきた。

 

「フローラ? フローラ大丈夫!?」

 

 大好きなソフィーの声も何だか少し遠くに感じていくのだった…。

 

 

 

***

 

 寝ていたのか気づいたら日が傾いていて目が覚めた私を見てホッとした顔をして

心配そうな眼差しを向けてきた。

 

「びっくりしたよ。急に動かなくなっちゃうんだもん」

「まぁ、色々あったからね…」

 

 仲の良い友達だったのが急にそれ以上の気持ちがあったことと、お互いにその気持ちを

確認したこと…。今思うと夢だったんじゃないかと思ったんだけど。

 

「フローラの気持ち嬉しかったよ!」

 

 ソフィーがそう言うので夢ではないことはわかった。

後悔はしていないし。むしろ嬉しいけれど一気に色々起こり過ぎて整理がつかない。

 

「うん…。でもこういう関係はこれからどうしたらいいんだろう」

「え、いつも通りでいいんじゃない?」

 

 きょとんとした顔で言い返してきたソフィー。

 

「特別な気持ちを持ってるからって特別なことしなくちゃいけないわけじゃないし!

好きな時にすればいいと思うよ!」

「ソフィー…」

 

「だから、それまでは私はフローラの親友!それでいいでしょ!」

「うん…そうだね…」

 

 ソフィーの笑顔に押し切られて私は頷いた。その後、ソフィーに抱きしめられると

何だか心地よくていい匂いがして落ち着いた。ずっとこのままでもいいとさえ思えた。

 

 不思議とこの子に言われると心強い何かがあり、ずっと誰も信じられなかった

気持ちもソフィーには気持ちを預けてもいいかなと思った。

 

 それからというもの。ソフィーがいつ家に来るかが以前より楽しみになっていて

表情も心なしか明るくなったような気がする。だとしたら、明るくなったのも

人に会う楽しみができたのもみんなソフィーのおかげ。

 

 私にとってたった一人の特別で大事で…そして…大好きな女の子だ…!

 

お終い。

説明
ソフィーは天使だなぁと思い、幼女同士のイチャイチャは尊いなぁと思い。思ったことをそのまま書いてました。
この二人の話も原作でもう少し見たいですねぇ(*´?`*)グヘヘ
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NEWGAME! 百合 ソフィー フローラ 幼女 

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