新ビーストテイマー・ナタ1
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ゲイザーとの戦いで傷付いたアークの翼は、ナタの魔法で元通りに治りました。

 

「ありがとうございます。ナターシャ様」

 

「もう私とアークは恋人同士なんだから、今日から私のことはナタって呼んで」

 

「ですが急に呼び捨てにするのは抵抗がありますね…」

 

「アークが私に気があったなんて…ちっとも気づかなかったわ。一体、いつからなの?」

 

「オズワルド邸で初めてナターシャ様にお会いした日からです」

 

「アークが私を助けてくれた時から?私、あの頃はまだ子供だったのに…」

 

「私は心眼がありますので、ナターシャ様の魂を見て心を奪われました。肉体は器に過ぎません」

 

「うーん、私がおじさんに初めて会った時と同じなのかな…。勇者の波動を感じて、この人とずっと一緒にいたい!って思ったの」

 

「おそらく、それと同じ感覚でしょうね。ナターシャ様からメサイアのオーラを感じ取りました」

 

「でもしばらくしてフラウおばさまが現れたじゃない?おばさまとおじさんから、恋のオーラが出てたの」

 

「ふふ、あの二人は私から見てもお似合いのカップルでしたよ」

 

「おじさんを取られちゃう!と思って邪魔しようとしたんだけど、魅了の術をかけるとおじさんから勇者の波動消えちゃって、おじさんを元に戻したのはおばさまの口づけだった…」

 

「私はあの時、ゲイザー様にナターシャ様を取られてしまった気分でしたけどね…」

 

「アークは歳を取らないんでしょ?私がおばさんになっても、ずっとその姿のままなのよね」

 

「天使の寿命は人間より長いですからね…。でも気にしないでください。私はナターシャ様が年老いても愛し続ける自信があります!」

 

「私、おばあちゃんになっても若い姿のアークとラヴラヴでいられる自信ないよ…」

 

「私の姿もナターシャ様と同じように年老いていった方が良いということでしょうか?」

 

「うーん、私が永遠の命の魔法で若い姿を保つことはできるんだけど、あれって副作用が酷いみたいで、お師匠様も絶対に使ってはならん!って言ってた…」

 

「天界で聞いた話なのですが、天使が人間に恋をして、人間になったという伝承があります」

 

「それ本当!アークも人間になれるの?」

 

「どうすれば天使が人間になれるのかはわかりませんが…。一度、天界に戻って尋ねて参りましょうか?」

 

「アークが人間になれば、私とアークの赤ちゃんも出来るってこと?」

 

「そうなりますね。天使には繁殖能力がありませんので…」

 

「昔私が獣人になるって言った時に、おばさまが赤ちゃんを産めなくなるからダメ!って言ってた意味が、今やっとわかったわ…」

 

「しかし私が人間になると天使の能力を失いますので、ナターシャ様をお守りすることができなくなるかもしれません…」

 

「大丈夫!私はユリアーノの弟子で、天才美少女魔導師なのよ?自分の身くらい自分で守れるわ」

 

「ですが愛する女性を守れないのは男としてはツラいものがありますね…」

 

「あっ、ひょっとしておばさまがおじさんの前ではわざと弱いふりしてるのってそういう事だったのか…」

 

「男性はプライドが高いですからね。自尊心を叩き潰さない為の配慮だったのでしょう」

 

「おばさまの男を落とすテクニックには脱帽するわ…」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続きになります。
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