新ビーストテイマー・ナタ7 |
執務室の横に隣接している応接間で、フラウとグロリアがティータイムを楽しんでいるところに、ゲイザーとアークが現れました。
「グロリアさん、遊びにいらしてたんですね。どうぞごゆっくり寛いで行ってください」
「ゲイザー様…!お気遣いありがとうございます」
グロリアは少し震え気味でゲイザーと挨拶を交わしました。ゲイザーとアークが奥に消えるとまたお茶会の続きを再開します。
「はぁ…、ダーク様に話しかけられちゃった」
「ふふ、グロリアはダーク様ファンだったものね」
「私にとって雲の上のお方だったのに、こうして話しかけてもらえるだけでも幸せだわ」
「最初は私がダーク様の妻だと知られたら嫌われてしまうんじゃないかと不安だったの」
「ダーク様ファンはその程度のことでファンを辞めるような子はいないわ。むしろ私はダーク様の奥さんと仲良くなれて、ラッキーだと思っていたもの」
「そう言ってもらえてホッとしたわ」
「その点、アーク様ファンはダメね…。アーク様がナターシャちゃんとお付き合いを始めてからファンを辞めたって子が多いもの」
「メサイアの唄を好きでファンになっていたわけではなかったのでしょうね…」
「最近ナターシャちゃんの陰口を言ってる子も多いわ。十年前にダーク様が既婚者だって噂が流れても、ダーク様ファンは誰も陰口は言ってなかったけど…」
「ダーク様ファンとは私も気が合うから仲良くなれそうよ」
「ダーク様のあの憂いに満ちた瞳が堪らないのよねー。あれは数々の修羅場をくぐり抜けてきた男の眼だわ!」
応接間の方から楽しそうな笑い声が漏れるのを執務室でゲイザーたちは聞いていました。
「あの二人は本当に仲良しですねー」
「ああ、フラウには女性の友人が少ないようだから大事にしなくてはな…」
「綺麗な女性ほど同性からは嫌われてしまうようですからね…」
「女同士でしか話せないこともあるだろう。私にはわからない悩みもグロリアさんなら理解してやれる…」
「そうですね。私もゲイザー様のような友人がいれば…と、昔はよく思っておりました。目上の方に友人だなどと言うのは失礼かもしれませんが…」
「私はアーク殿を部下とは思っていない。もっと対当な立場の…親友だと思っているよ」
「親友ですか?良い響きですね」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第7話です。 | ||
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