新ビーストテイマー・ナタ8 |
旅に出る準備が整ったのでナタはルーシーを召喚しました。ルーシーの背中にナタとゲイザーとフラウが乗り込み、大空へ舞い上がるとアークはルーシーと並んで隣を飛んでいます。ユリアーノの塔が見えてきたので広場に着陸しました。
「ここを拠点にして妖精界を探しましょうか」
「妖精界ってどこにあるんだろう?お師匠様に聞いてみよっと」
ナタはユリアーノを召喚します。
「懐かしいわい。ここに戻るのは久しぶりじゃな」
「お師匠様、妖精界ってどこにあるの?」
「それはわしにもわからん…。伝承によれば、光があると見えなくなり、闇の中では見えるようになる。時計の針は逆さまに回って時間の経過は速くて遅い。そして近くて遠い場所、だそうじゃよ?」
「何それ?意味がわかんないんだけど…」
「全て対義語ですね…。オクシモロンがヒントになるのでしょうか?」
「オクシモロンって?」
「賢い愚か者と言う意味だよ。反対の意味を持つ言葉を、わざと繋げる撞着語のことだ」
「妖精界は誰もが知っていて誰も知らない場所と言われておる。行こうと思えば誰でもすぐに行ける場所だそうじゃが…」
「なかなか難しい謎かけですね」
とりあえずユリアーノの別荘である塔に入ると使い魔の用意した食事を摂って、客用の寝室でそれぞれ休むことにしました。ゲイザーとフラウ、ナタとアークは同じ部屋です。ユリアーノとフォンは別々の個室に泊まることになりました。
「アークは私とキスしてもドキドキしないんでしょ?」
「ナターシャ様と口づけを交わすと、とても幸福で満たされた気持ちになりますよ」
「でもエッチなこと考えてないよね?使い魔が何考えてるか、契約者はわかるもん」
「そうですね…。天使には性欲がありませんから、人間のような抑えきれない衝動はないかもしれません」
「おじさん、真面目なフリしてるけど、フラウおばさまと二人っきりになると、エッチなことばかり考えてるのよ…」
「エロスは人間の愛情表現であるとミカエル様から教わりましたので、ゲイザー様はフラウ様を心から愛しておられるのでしょう」
「アークには私に愛情がないような気がする」
「それは違います。私の愛はエロスとは対局にあるアガペーですから」
「アガペーって、なぁに?」
「何も求めず、ただ与える愛です。神の愛はアガペーだと言われています」
…つづく
説明 | ||
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続編第8話です。 | ||
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