新ビーストテイマー・ナタ9
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ナタはアークの頬を両手で包み込むようにして目をじっと見つめながら尋ねました。

 

「ねぇ、アーク。私のこと本当に好き?」

 

「ええ、大好きですよ」

 

「私、小さい頃に蝶々をたくさん捕まえて育てていたの。ある日、蝶々が尻尾をくっ付けて合体してるのを見つけてビックリしたわ。お師匠様に言うと、後尾をしているから蝶々の赤ちゃんが生まれると言われて、ワクワクしながら待ってたら、芋虫が生まれたの。芋虫も可愛がって育ててたんだけど…」

 

「ナターシャ様なら、きっと大切に芋虫を飼ってあげていたのでしょうね」

 

「アークの愛情ってそう言うことでしょ?天使から見たら、多分人間なんて芋虫みたいなものよね…」

 

「芋虫とは少し違う気もしますが…」

 

「私、蝶々は大好きよ?でも蝶々が後尾をしていても嫉妬はしないわ」

 

「何が言いたいのか私にはよくわかりません」

 

「今もおじさんとフラウおばさまが…二人でしてること、わかっているの」

 

「使い魔の感情が契約者であるナターシャ様には伝わってしまうので辛いでしょうね…」

 

「十年前は私も子供だったからよくわからなかった。でもそれは嫉妬の感情…」

 

「嫉妬は良くない感情だと言われております。しかしミカエル様は人間ならば、必ず抱く感情であると仰ってました」

 

「でもアークは天使だから嫉妬とかしないんでしょ?それって私のこと、本当は好きじゃないからじゃない?」

 

「私は階級の低い天使なので、人間に近い感情を持っているかもしれません…」

 

「本当に?私が他の男とエッチなことしてたら嫉妬する?」

 

「おそらく、嫉妬すると思います…」

 

「でもアークは私とはしたくないんでしょ?」

 

「性欲がないだけですから、ナターシャ様が望むのであれば、お相手することはできますよ」

 

「したくないのに無理にして欲しくないの…」

 

「やはり私は一刻も早く人間にならなくてはなりませんね。天使には性欲がないことを、これほど悔しいと思ったのは初めてです」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第9話です。
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