新ビーストテイマー・ナタ13 |
突然、ナタが本を読む手を止めて冷や汗を流し始めたのをアークが気づいて、ハンカチを差し出しました。
「どうかなさいましたか?ナターシャ様」
「これ…永遠の命の魔法のことが載ってるわ」
「確か永遠の命は禁忌とされている魔法でしたよね?」
「うん、お師匠様がダメって言ってた理由がわかったわ…」
「ナターシャ。一体、その本には何が書かれていたんだ?」
ゲイザーも興味を示して尋ねました。
「永遠の命の魔法の儀式には若い女性が…生贄に必要なの」
「以前、そのような伝承を騎士の授業中に習った英雄譚で読んだ記憶がありますね」
「昔、悪い魔女が魅了の術で国を乗っ取ったことがあるって話だよね?」
「魅了の術を使ったかどうかは知りませんが、若い女性を何人も殺して、その生き血を啜って長生きしていたと言うのを習った気がします」
「なぜ若い女性が必要なのでしょうか?」
アークが疑問を投げかけました。
「うん、この本によるとね。子供を産んだことのない若い女性の体内には強力な魔力が宿っているそうなの。それを開けられるのが男性の持っている鍵なんだって」
「鍵と言うのは一体…」
「私まだ鍵がかかったままだから、私を生贄にしたら永遠の命の魔法が発動すると思うわ。フラウおばさまやサラおばさまは多分、生贄に向いてないかと…」
「なるほど…、鍵は男性なら誰でも持っているアレのことだろうか?」
「うん、鍵は誰でも持ってるけど、器がなければ魔力を受け取れないから、意味はないよ?」
「頭の悪い私には言っている意味がよくわかりませんが…」
「アーク殿にはわからなくても良い話だよ?」
「私にはこの本はちょっと早かったかも…。よく見たらこれ、未成年者は読んじゃダメってマーク付いてるし」
「なんでそんな本を読んでいたんだ?ナターシャ」
「これ、背表紙に『近くて遠い場所』って、書いてあるのよ…」
「近くて遠い場所?その本に手がかりがあるかもしれない。続けて解読できないか?私に読めたら良いのだが、私には読めないからな」
「私もそう思って読み始めたんだけど、気分が悪くなってきちゃった」
「少し休憩されてはどうでしょうか?お疲れのご様子ですし…」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第13話です。 | ||
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