新ビーストテイマー・ナタ14 |
書斎からリビングに戻るとゲイザーはナタのメモの単語を別の紙に書き取り始めました。
「この文字とこの文字に共通点があるな」
「うん、法則さえわかれば簡単に読めるよー」
「私に魔導書が解読できるようになれば、ナターシャに良くない本を読ませずに済むのだが」
「私は平気だよー。もっといけないこと、載ってる本も見たことあるから」
「いけない本?一体、どこでそんなものを…」
「お友達の男の子たちが読んでたの。お家に遊びに行った時、ベッドの下に隠してあったから気になって読んじゃった…」
「うーん、私が十代の頃はそのような本は父上に読むなと言われて一度も読んだことはなかったが…」
「フォッフォッ、ゲイザー殿とわしは家庭環境がよく似ておるのぉ。わしの父もそうじゃったよ」
「私に実の娘ができても、悪い虫がつきそうで気が気ではないかもしれません」
「ゲイザー様ったら…。気が早いですよ?それに産まれるのは男の子かもしれませんし」
「フラウ殿も…。もう子供が産まれた時のことを考えておられるのですかな?」
「だって!楽しみで楽しみで仕方ないのです」
「こうしてる時間がもったいない!何か出来ることは他にないだろうか?」
「近くて遠い場所の意味がわかれば、何か出来ることがあるかもしれませんね」
「近くて遠い場所…永遠の命…そうか!」
「ゲイザー様、何かわかったのですか?」
「行こうと思えば誰でも行けると言うのは死後の世界のことではないのか?死ねば人間は天国か地獄のどちらかに行ける。でも誰も知らない場所だ」
「ああ、なるほど。と言うことは天界のことなのでしょうか?」
「天界と言うのは確かアーク殿の故郷でしたよね?よろしければ天界への行き方を教えていただけませんか?」
「本来なら人間は死ななければ天界には行けません。でもゲイザー様は勇者の素質がおありなので、私が天界へお連れしても、ミカエル様は決してお怒りにはならないでしょう」
「アーク殿、お願いです。私を天界に連れて行ってくれませんか?」
「しかし天界に行く途中、生きている人間は息が苦しくなってしまうようです。人工呼吸をしても余計に苦しくなるとナターシャ様に言われましたし…」
「人工呼吸?アーク殿が私にそれをするのは困ります」
「だったら私の風を操る魔法で、おじさんも息ができるようにしてあげるよー」
「そんな魔法があるのか?お前は本当になんでもできるのだな」
「フフン、天才美少女魔導師ナターシャ様に任せなさい!」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第14話です。 | ||
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