新ビーストテイマー・ナタ29
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アークはナターシャを宥めながら昔の事を思い出していました。

 

「ねぇ、アダム?私、そろそろ赤ちゃんが欲しいんだけど」

 

「生命創造の魔法は女性だけが苦痛を味わうと聞きました。リリスだけに苦痛を味わわせるなど私にはできません…」

 

「そんなこと気にしなくて良いよ?早く赤ちゃん作ろーよ」

 

「私がリリスの代わりに苦痛を味わうのなら喜んで作りますが、あなたが苦しむのがわかっていて作りたいと思えないのです」

 

リリスはほっぺをプクッと膨らませて怒っています。アダムはリリスの誘惑をことごとく断って、子作りを拒否し続けました。

 

「どうしたの?リリス」

 

「ルシフェルか…。ねぇ、私って女としての魅力ないのかな?」

 

「そんなことない。君はとても魅力的だよ?」

 

「でもアダムが私とはエッチなことしたくないんだって…」

 

「うーん、僕が君を妻にできたら、君を悲しませることはしないんだけどなぁ」

 

「ルシフェルは寂しそうにしてる女がいたら、みんなにそんなこと言ってるんでしょ?私の事なんか好きじゃないのわかってるんだから!」

 

「どうしてそう思うんだい?僕は本気で君を好きだと想ってるのに…」

 

「あなた今、天界で一番モテる男なのよ?私なんか本気で相手にするわけないじゃん!」

 

「リリスの為に作った唄があるんだ。聴いてくれないか?」

 

ルシフェルはこの世のものとは思えないほど美しい歌声で唄いました。

 

「この唄で堕ちない女は、私の他にはいないでしょうね?」

 

「リリスはアダム一筋だからね…。僕のことなど相手にしてくれないのはわかっていたよ?」

 

「バカじゃないの!こんな唄を聴かされて、ルシフェルを好きにならない女がどこにいると思ってるの?」

 

「今、僕の目の前にいるじゃないか…。君は僕を愛してはくれない…」

 

「あんまり私の事を誘惑しないで…。ルシフェルにそんなこと言われたら、本気にしちゃうでしょ?」

 

「本気にさせたくて言ってるんだけど…」

 

「私はアダムの妻なのよ?これって不倫よ?」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第29話です。
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