新ビーストテイマー・ナタ30
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ルシフェルはリリスを抱き締めました。辺りは森の木々に囲まれていて、見ているのは小鳥だけでした。リリスは慌ててルシフェルの腕を振り解きます。

 

「ダメよ!こんなところでやめて…。誰かに見られたらどうするつもりなの?」

 

「誰も見ていない。大丈夫だよ」

 

ルシフェルはリリスの手首を掴むと素早く唇を奪いました。リリスは抵抗する事もせず、それを受け入れます。

 

「どうしてキスしたりしたの?」

 

「君の事だから、ひっぱたかれるかと思ったのだけどね…」

 

「ルシフェルの事が嫌いならそうしてたわ…」

 

「それは僕の事、好きだって意味?」

 

「あなたをこれ以上、好きになるのが怖い…」

 

「アダムの事など忘れさせてあげるよ。君の心の中を僕の事でいっぱいにしたい…」

 

しばらく二人は秘密の関係を続けていました。そんなある日の事です。

 

「リリスはどこに行ったのだろうか?今朝からずっと姿を見かけないのだが…」

 

「僕もリリスの事を探していたんです。アダムもリリスの居場所を知らないのか…」

 

「ルシフェル様もリリスの事を探すのを手伝ってくれませんか?私だけでは見つかりそうもなくて…」

 

「天界は隈なく探したけど、どこにも見当たらなかったので、ひょっとすると妖精界に行ってしまったのか?」

 

「そう言えばリリスは天界はつまらないとよく言っていました」

 

ルシフェルは血眼でリリスを探し回りました。妖精界にもいなかったので、もしやと思って地獄まで探しに行きます。

 

「リリス!やっと見つけた。なんと言う哀れな姿に…。天界の者にやられたのか?」

 

「ルシフェル…。助けに来てくれたのね」

 

リリスの足は切断されて地獄に捨てられていたのです。

 

「前々から天界のやり方は気に食わなかった。僕の愛するリリスにこんな事をするなんて許せない!」

 

リリスの足の手当てをすると、木こりの小屋に運び込みました。

 

「怖かった…。もう死んでしまうかと思った」

 

「少しここで待っていて。天界に一度戻ってミカエルに事情を聞いて誰がこんな事をしたのかつきとめる」

 

「ルシフェル…。私を置いてかないで…」

 

「必ず戻ってくる。僕を信じて」

 

「もし私の為に仕返ししようとしてるなら、何もしなくて良いわ!ただ側にいて欲しいの…」

 

「ミカエルに話を聞いたら、すぐここに戻ってくるよ。確かめたい事があるんだ…」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第30話です。
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