新ビーストテイマー・ナタ48 |
ナタはお菓子の実をとんがり帽子にいっぱい集めていました。それを美味しそうにパクパク食べている姿を、アークはただ見つめています。
「おや、アーク殿は食べないのですか?」
「私は…やめておきます。天使のままの方が何かと便利ですし」
「フォン様…毛が抜けてしまいましたね」
「うむ、わしの自慢のたてがみが…」
フォンは眼帯をつけたスキンヘッドのガタイの良い人間の男になっていました。腹筋のよく見えるいつもの衣装が妙に似合っています。
「そろそろマルヴェールに帰りましょう」
「そうだな、サラが待っている」
「はい、帰りましょう」
「アーク、本当に食べないの?」
「人間になると性欲が抑えられなくなりそうで怖いのです」
「私、別にアークがちょっとエッチになっても平気だよ?」
「ちょっと…なら良いのですけどね」
「アーク殿は気が変わったら一人でも来られるでしょうし、私は道をよく覚えていませんから次に来られるとは思えませんが、ユリアーノ様はまたここへ来られると言ってましたね」
マルヴェールに帰るとフォンは邸に真っ直ぐ帰りました。サラがドアを開けて眼帯のスキンヘッドの男を見てビックリします。
「こんな姿になってしまって、嫌われてしまったか?」
「その声は…フォン様ですか?とっても素敵なお姿です!」
サラは嬉しそうにスキンヘッドのフォンに抱きつきました。その夜、二人は激しく愛し合ったようです。ユリアーノも先に家に帰って、すぐとんぼ返りして、ミネルヴァと一緒に若返りの桃の樹の前に来ていました。
「ああ、あの頃の美しい姿に戻れるなんて夢みたい!」
「寿命は縮んでしまうけど、ミネルヴァは桃を食べても後悔はありませんか?」
「後悔などありません!若かりし頃に戻ってユリアーノ様と結ばれるのが私の夢でした」
「ではご婦人、桃をどうぞ」
ケルビムから桃を手渡されて、ミネルヴァは迷わず桃を食べました。その晩、二人は幸せの絶頂を迎えて、すぐに可愛い子を授かりました。
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第48話です。 | ||
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